• 株主手帳編集部

アディッシュ【7093・マザ】ネット上のコミュニケーション課題を解決SNSいじめ対策で世界進出も視野に

インターネットを使った新しいサービスが広がるとともに、不適切な投稿など多数の問題が発生している。そうした様々な課題を、アプリのサポートサービスやネット掲示板・SNSなどの監視などを通じて解決している企業がアディッシュだ。金融やMaaSなどのサービスに手を広げる一方、ネットいじめを防止する取り組みでも注目されている。

プロフィール◎えど・ひろき

2 0 0 4 年ガイアックス入社。11 年G a i a X Asia Corporation(現adish International

Corporation)設立、代表取締役。12年GaiaX Interactive Solutions(現アディッシュプラス)設立、代表取締役。14年アディッシュ設立、代表取締役(現任)。15年GaiaX執行役。17年adish International Corporation 取締役会長

(現任)。18年一般財団法人全国SNSカウンセリング協議会理事(現任)。

ネットサービスへの対応と監視

ストック型サービスで急成長

 

 同社のここ3年間の連結売上高は毎年10%超えで推移しており、2019年度の経常

利益は前期比303%と大きく成長している。主な事業は「ソーシャルアプリサポート」「インターネットモニタリング」そして「スクールガーディアン」の3つ。このうちソーシャルアプリサポートが売上の約46 %、インターネットモニタリングが約37%を占めている。

 ソーシャルアプリサポート事業では、ネット上でサービスを運営する企業に代わり、電話やメール、チャットなどを通じて利用者に対応するカスタマーサービスを展開している。顧客企業のサービス開始時点から携わり運営の効率を考えた基準や規約などを提案することも多い。現在は100社ほどの企業のカスタマーサービスを担当している。

 インターネットモニタリング事業は、いわゆるネットでの「炎上」などのリスク対策だ。顧客企業のサービス内容に対して投稿される、ネット掲示板やSNSなどの書き込みを

24時間体制で監視。不適切な内容を発見したら注意、警告などを行う。こちらの顧客企業数は400社を超える。どちらのサービスも、一度企業と契約するとその後は月ごとに売上が積み上がっていくストック型の収益となっている。  

「サービス開始時に初期設定費用はいただきますが、それは売上の全体からみると5%以下。当社の解約率は一般のサブスクリプションより低く、多くの企業に継続してサービスを利用していただいています」(江戸社長)

 サポートとモニタリングには、効率化システムや機械による危険ワードの抽出など、同社が持つ多くのノウハウが生かされている。国内とフィリピンの5カ所の事業所で24時間業務にあたっており、対応言語は10言語以上に及んでいる。


いじめ防止に社会的意義

創業から続く「番人」業務


 一方、潜在的に大きな需要があるのが、教育委員会や私立校などを顧客とするスクールガーディアンの事業だ。これはいわゆるネットいじめや、個人情報の流出につながるネット上の書き込みを監視し顧客に報告、生徒指導に生かしていくというもの。同様なサービスは増えているが、240校以上が同社のシステムを使用しているという。この事業は、同社がガイアックス社の社内ベンチャーとして立ち上がった2007年から続けられている。

「当時、掲示板などのサイトやSNSを通じ、青少年が犯罪に巻き込まれることが問題になりつつあった。ネット上では犯罪を意図していないにも関わらず、はからずも起こってしまう負の部分がたくさんある。この問題を解決するのは社会的にも意義があると思い、スクールガーディアンの事業を立ち上げました」

(同氏)

 昨年ユニセフの調査により、世界中の若者の3分の1がネットいじめを経験しているこ

とが明らかとなった。これを受け、スクールガーディアンサービスの海外展開を予定している。


年10〜15%の成長を予想

効率化への研究にも投資


 今後は、成長分野であるFinTechなどの金融や、すべての交通機関をワンストップで決済まで提供できるMaaS(Mobility as a Service)などの事業エリアをターゲットにしていく。すでに金融分野では、ネット上の不正決済のモニタリングとカスタマーサポートの両方を担当。MaaSでは私鉄会社のアプリのカスタマーサービスなどを請け負っている。

 さらなる収益力向上に向け、同社では継続的に自動化・効率化への投資を行っている。これまでもメールサポートにおける自動振り分けや、書き込まれた文章の意見を判断する感情分析などの研究開発に投資してきた。20年以降も積極的な研究開発を行う予定だ。

 2020年12月期は、売上高31億4700万円(前期比25・8%増)、経常利益1億8000万円(同33・6%増)を予想している。

「当社は1年で売上が倍になるタイプの会社ではないが、年間10~15%の成長を継続的にやってきた。今後も成長を継続していきたい。今年のように社会情勢で多少の業績のブレはあるにせよ、それをきちんと乗り越えていきつつ堅調な成長をしていく」(同氏)





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