• 株主手帳編集部

インフォメーションクリエーティブ【4769・JQ】40年以上の老舗SIer、新社長就任安定のIT業と挑戦のチケット業で飛躍へ 

 大企業を中心に100社以上と取引するSIer、インフォメーションクリエーティブ(4769、以下IC)。2019年10月、同社で約40年の経験を持つ齋藤良二氏が新社長に就任した。顧客と信頼関係を築き業績を拡大させてきた同社は近年、新規事業の創出にも注力。堅実さと挑戦力の両輪を武器に、近い将来には売上高100億円、経常利益率8%を目指す。

齋藤良二社長

PROFILE◉さいとう・りょうじ 1961年11月20日生まれ、宮城県出身。80年インフォメーションクリエーティブ入社。2013年、取締役に就任。19年12月、代表取締役社長に就任(現任)。





 

 同社は1978年、日立グループ出身の斎藤隆男氏(現名誉会長)がコンピューターの運用・受託に向けて設立。現在はメディアや金融、製造や官公庁などの顧客に対し、ソフト ウェア開発からインフラ構築・運用まで行うトータルソリューションを提供している。 「当社は顧客先に常駐し、色濃い関係を結ぶ『常駐型』の比率が大きいため、安定して受注が獲得できる堅実性が強みです」(齋藤良二社長)  2019年9月期は、売上高は前期比7・1%増の83億5500万円、経常利益は同10 ・1%増の5億5000万円となり増収増益。売上高と当期純利益は過去最高となった。今 期も引き続き好調を維持しており、売上・利益面全てで過去最高を更新する見通しだ。  

 セグメント別に前期売上高をみると、ソフトウェア開発・システム運用などを行う「ITソリューション事業」が98・5%を占め、残る1・5%は自社パッケージ製品を提供する「ITサービス事業」となる。 ITソリューション事業は堅調を維持しているものの、情報サービス業界全体の問題でもある人材不足が課題。そこで同社が推し進めるのは、外注比率の上昇だ。現在、ICは100社以上の中小SIerとビジネスパートナーシップを締結。パートナー企業への外注を増やすことで、受注額拡大を目指す。 「40年以上の歴史を持つ当社は、大手企業との取引が大半を占めます。このため、パートナー企業は当社を介して大規模プロジェクトに携わることができます。また、近年はパートナー企業の技術者が長く働きスキルアップできる環境作りに力を入れています。これまではパートナー企業への外注が単発化していましたが、例えば新人技術者を育成し易くするためのチーム化や、3年以上1つの現場にいた技術者は異なる現場に移動して仕事してもらう、というように長く働きスキルアップできる環境づくりを進めています」(同氏)


安定の主軸と挑戦の新事業で 攻守両立


一方で、近年育成を進めるのがITサービス事業だ。同社は前期に「既存事業の安定化と新サービスへの挑戦」をコンセプトに掲げた中期経営計画の最終年度を迎えた。既存事業である「ITソリューション事業」の拡大は達成したものの、新規事業創出は実現できなかった反省があった。  そこで、同社が同事業の主軸と位置付けるのが「チケット販売・管理システム」。主力商品の「チケット for Windows」は、興行主が会場やイベントなどのデザイン登録から予約・発券・販売・顧客管理までを一括で行えるウェブサービスだ。利便性の高さから、これまで日本中央競馬界(JRA)や劇団、楽団、ドーム球場、大学などが導入してきた。  このノウハウを生かし、2020年4月にリリースすることが決定したのが次世代チケットシステム「チケットfor LINE Hybrid」である。同システムは、LINEの圧倒的なシェアと利便性を活用し、消費者(観劇などのチケット購入見込者) へダイレクトにPUSH配信することで、事業主(劇場など)は顧客を拡大することができるインターネットシステム。消費者はLINEへの電子チケット配信により、公演チケットを手数料負担なしで購入できるスマートフォンオンリーのサービスになっている。また、興行主は販売手数料のみで利用できるため、コストが抑えられる点が大きなメリットだ。

 この他のITサービス事業としては、訪日・在留ベトナム人用ウェブマガジン「LocoBee」がある。同社によると、2018年に日本へ観光に来たベトナム人は約40万人で、 留学先や技能実習を含めた就業先としても日本は人気を集めている。LocoBeeではベトナム語で観光情報などを配信する他、オンライン日本語学習サービスや求人情報を提供。 口コミなどで徐々に認知度を上げた結果、正式公開から約1年半で月間100万PVを達成した。  今期から開始した新中期経営計画では、引き続き「基盤事業収益拡大と新規事業創出への挑戦」を標榜。 「将来的にはITサービス業を総売上高の20%まで拡大させたい」(同氏)


 2022年9月期には売上高95・4億円、経常利益率7・5%まで拡大する計画だ。また、株主還元策も推進。昨年度には5期連続で増配しており、配当性向は43・0%と高水準を維持する。 「安定的な配当を心掛けています。たとえ業績が悪い時期があっても、配当金を前年より下げたことはこれまでありません。これからも堅実である一方で、新規事業を通じて新たなステージにいきたい」(同氏)


▲訪日・在留ベトナム人用ウェブマガジ ン「LocoBee」


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