オカダアイヨン【6294・プライム】ショベルカー用解体アタッチメントを製造販売 22年3月期は過去最高売上・利益を更新


 ビルを解体する時にショベルカーの先端につけるクワガタのような機械が「解体アタッチメント」。オカダアイヨンは、この解体アタッチメントの製造販売で国内トップの企業だ。開発・製造から修理までの一気通貫体制で業績を拡大。海外へも販路を拡大し、売上高300億円を目指す。


 

岡田 祐司社長

Profile◉おかだ・ゆうじ

1974年生まれ。96年オカダアイヨン入社。2009年経営企画室係長。12年中部営業所長。13年取締役。16年取締役マーケティング本部長。18年常務取締役マーケティング本部長。19年代表取締役社長(現任)。








 

大型ショベルカー用機械に強み

製造から修理の一貫体制を築く


 同社は、ビルの解体や砕石に使われる解体用アタッチメントの開発・製造・販売・修理を展開する企業だ。また林業機械の製造・販売も手がけている。2022年3月期の売上高は203億600万円(前期比15・4%増)、営業利益は17億7100万円(同28・7%増)で過去最高売上高と利益を更新した。

 圧砕機、つかみ機、ブレーカ(採石場の削岩や建物のコンクリートを砕く機械)などの解体アタッチメントを取り扱っている。圧砕機の中でもビル主要部分を解体する「大割機」、コンクリートを細かく砕く「小割機」、鉄筋や鉄骨を切断する「鉄骨カッター」などが主要製品。大割機の国内シェアは43・4%、鉄骨カッターの国内シェアは51・9%となっており、業界トップ企業だ。22年3月期の国内セグメントの解体環境アタッチメントの売上全体に占める割合は64・2%、国内セグメント売上は166億6185万円となっている。

「当社は30トン以上の大型ショベルカー向け解体アタッチメントが強み。少子化で人手不足が進み、省人化のための機械の大型化を見越して、強度が高くしかも比較的軽量な“鋳鋼品”による製品作りに早くから注力してきました」(岡田祐司社長)

 解体アタッチメントメーカーとしては日本で唯一、サービス部隊と修理工場を全国に保有している。開発から製造、販売、修理までを一貫して行うことで他社との差別化を図っている。

「サービス部隊を持つことで、お客様の声をダイレクトに聴き、商品開発に生かせる。最近はショベル大型化に対応するため、全国12拠点で修理工場の建て替えを進めています」(同氏)

 林業分野では、森林から木材を伐採し運搬する林業機械や、発電所・ダム建設時に使うケーブルクレーン、木材を破砕する大型機械などを展開している。国の国産材使用促進事業や燃料費高騰による輸入木材の不足などから、需要は堅調だ。以前から大型機械を輸入販売してきたが、07年に林業機械を製造する南星機械を子会社化し、開発・製造から修理までの一貫体制が整った。22年3月期の国内セグメントの林業・大型機械・ケーブルクレーン他の売上全体に占める割合は20・1%、売上は33億5700万円となっている。


「アイヨン」が機械の代名詞に

震災復興に大きな役割果たす


 同社は、1938年に現社長の祖父である岡田農夫氏が始めたブレーカの販売店が元となっている。創立当初は人が手で持って使うブレーカを扱っていたが、60年には他社との共同で、ショベルカーに搭載する日本初の大型空圧ブレーカIPH400通称「アイヨン」を開発。高度成長期に入り、建築工事が人力から機械に移行する時期だったことからアイヨンは加速度的に売れ始め、大型空圧ブレーカの代名詞的存在に。同社の社名はここから取られている。

 77年には油圧ブレーカの販売を開始。80年代から90年代には日本各地に営業拠点を広げ、92年には大阪証券取引所二部に上場した。2002年には海外展開増強を目指し、米国の同業他社を子会社化して現地法人を設立。これが海外売上を伸ばすきっかけとなった。

 11年の東日本大震災では盛岡と仙台の営業所が被災し、大きなダメージを受けた。同社は社員を東北に派遣し木材破砕機などの製品を供給。津波によるがれきの除去に大きな役割を果たした。

 「リーマンショックでは大幅な売上減少を余儀なくされた。しかしその後、東日本大震災の復興のお手伝いなどを通し、当社も業績を回復していくことができました」(同氏)


米、欧州、アジアに拠点拡大

世界ベスト5入りを目指す


 同社の長期ビジョン「VISION30」では、売上高300億円、営業利益30億円、時価総額300億円の“トリプル3”、売上高伸び率、営業利益率、ROEそれぞれが10%以上の“トリプル10”を目指している。その牽引力は海外販売の拡大だ。

 同社は米国、欧州、アジア市場に注力し販売を拡大していく。すでに17年にはオランダ、19年にはタイに事務所を設立している。今後は海外の人員を倍増し、強みである圧砕機のメンテナンス態勢を築いていく構えだ。

 一方、今後は油圧ブレーカー製品のラインナップを強化。国内・海外共通モデルを製造販売する。

「日本では騒音や粉塵の規制があるため圧砕機が使用される。しかし世界の主力は油圧ブレーカ。世界で(中国を除き)年間7万台販売される油圧ブレーカのうち3000台が当社の製品ですが、さらに拡大するため人員や資金を投入していく」(同氏)

 世界の解体アタッチメント市場は、25年には約44億ドル(約5720億円)に拡大する見込み。その中での日本企業のシェアは約7%で、伸びしろは大きい。

「当社は世界のベスト10に入っていますが、今後は世界一の品質と自負する圧砕機の普及を含め、世界トップ5に入ることを目標にしていきます」(同氏)




▲“鋳造”で製造する、強度が高く軽量な大型解体アタッチメントがオカダアイヨンの強み


 

2022年3月期 連結業績

売上高

203億600万円

前期比 15.4%増

営業利益

17億7100万円

同 28.7%増

経常利益

18億800万円

同 26.2%増

当期純利益

11億9000万円

同 29.5%増


2023年3月期 連結業績予想

売上高

215億円

前期比 5.9%増

営業利益

20億円

同 12.9%増

経常利益

20億円

同 10.6%増

当期純利益

13億4000万円

同 12.6%増

※株主手帳7月号発売日時点