• 株主手帳編集部

オプティマスグループ 【9268・東2】ニュージーランドの中古車市場開拓から30余年グループのシナジーで、オーストラリアマーケット参入へ

オプティマスグループ(9268)は、ニュージーランドを中心に中古自動車輸出に関わる事業を展開するホールディングだ。貿易・物流・サービス・検査を行う別会社が一連のバリューチェーンを構成することで、経営の効率化とグループの価値向上につなげている。昨年、オーストラリアの中古自動車ディーラーと資本・業務提携。事業領域の深化と拡大を目指している。

山中信哉社長

Profile●やまなか・のぶや 1960年2月生まれ、三重県出身。関西大商卒。 1988年、日貿・ジャパントレーディングを設立し、社長就任。2015年1月、持株会社オプティマスグループを設立し、代表取締役社長就任(現任)。






20数社のグループで 輸出関連事業を一貫サポート


オプティマスグループは、ニュージーランドを中心に中古自動車の輸出に関連する事業を1989年より行って来た。事業セグメントは「貿易」「物流」「サービス」「検査」の大きく4つから構成される。  まず「貿易」は、日本国内のオートオークションなどから、販売先が希望する価格帯、 車種の中古車を仕入れ、海外ディーラーに提供している。「物流」は、海外航路の船舶のスペースをチャーターし、現地の取引先まで自動車を効率的にデリバリーする。その際、通関の手配や自動車の整備なども行う。「サービス」は、ディーラー向けの債権管理のほか、エンドユーザー向けの自動車購入ローンの提供、車検整備、自動車関連消耗品の販売、アフターサービスなどを行っている。2019年4月には、ニュージーランドの居住者向け事業を行うUSAVE社のレンタカー事業を買収。それまでの観光客向けレンタカーから、居住者向け事業に拡大した。  そして「検査」は、日本では道路走行の安全性等の検査と、土壌、動植物、昆虫等が付着していないか等の検疫を内容とする船積前検査業務を行っている。また、ニュージーランドでは、輸入車両検査業務と国内車両業務を手掛けている。


「検査会社は、当社グループが輸出する自動車だけでなく、日本からニュージーランドに向けた全自動車の7割を検査しています。そうした自立した別会社である20数社がホールディングの下、事業セグメントを有効活用しながらバリューチェーンを構築しているのが、当社の強みとなっています」(山中信哉社長)  海外に中古自動車を輸出している上場、非上場の日本企業は多々あるが、こうした一貫サービス、機能を持つ会社は珍しい。


ニュージーランド流通で 期ズレが発生


 2019年3月期の連結売上高は前期比1・9%減の256億4400万円、営業利益は同8・7%増の13億1600万円、経常利益は同9・1%増の14億5100万円。事業別の売上高は、貿易が122億3300万円、物流が42億円、サービスが55億3800万円、検査が36億7100万円。一方、利益は検査が8億7800万円、物流が5億1600万円、サービスが1億400万円となり、貿易は赤字となった。 「自動車は単価が大きいので、売上高では貿易の比率が高くなります。しかし利益率では、検査事業や、自動車ローンなどを扱うサービスの方が高くなっています」(同氏)  

 2020年3月期予想の連結売上高は同0・1%減の256億700万円、営業利益は同 19・8%減の10億5600万円、経常利益は同23・2%減の11億1500万円となっている。減収減益の要因には、2018年にニュージーランドで発生したクサギカメムシ問題の影響があるという。2018年2月、日本からニュージーランドに向けた複数の自動車運搬船で農業害虫であるクサギカメムシが発見され、荷揚げが制限されることとなった。その後日本側が、ニュージーランド政府が求める、熱処理などの徹底した害虫除去作業を行うことで輸出は平常に戻ったが、その間の物流に混乱が生じた。 「カメムシの問題で輸出が停止していた分の自動車の台数が期ズレして前期に計上された分、今期は運送台数が減って、2020年3月期は減収減益予想となりました。今後は、輸出台数が落ち着いた上で、新たな熱処理による検査の分が貢献して来ると思います」(同氏)










▲ニュージーランドへの中古車輸出の様子


資本・業務提携を エリア拡大の布石に


 2019年11月、同社はオーストラリアで中古自動車販売事業を展開するOzCar社と資本・業務提携した。ニュージーランドで培った中古自動車輸出事業のノウハウを活用し、新たなパートナーとオーストラリア市場に出ていく狙いだ。

 オーストラリアは日本の20倍という広大な面積で、人口は約2510万人。移民が多く、今でも年に1・6%程度増加している成長国だ。ニュージーランド同様、移動のほとんどは自動車を利用するため、自動車の保有台数は、日本が1000人当たり601台のところ、オーストラリアは757台と多い(※)。また2017年に、日本のトヨタ社を含めてすべての自動車メーカーが製造から撤退したため、ニュージーランド同様、自動車の純輸入国となった。 「提携したOzCar社は、オーストラリアの中古自動車販売で大手の会社です。今まで当社が蓄えて来た自動車の仕入れやファイナンス、物流などのノウハウを新しい市場で発揮していきたいと思っています。さらに、自動車の将来を示すキーワード『CASE』では、特にSharedとElectricの分野を、成長の柱にしていきたいと考えています」 (同氏)


▲グループのバリューチェーン

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