• 株主手帳編集部

オプティム【3694・東1】法人向けのIT端末管理サービスで首位 農業、医療、建設など多分野でIoT応用


 オプティムは「ネットを空気に変える」というコンセプトのもと、モバイル端末管理サービスやAI・IoTプラットフォームなどを提供している。ドローンを活用した稲作やスマートデバイスによる高精度3次元測量などを次々と開発しており、AIやビッグデータによる技術革新「第4次産業革命」銘柄として注目される。2021年3月期の売上高は75億1700万円(前期比11.7%増)と21期連続で過去最高を達成した。



菅谷 俊二社長

PROFILE

すがや・しゅんじ

1976年6月生まれ。兵庫県出身。2000年オプティム設立、代表取締役社長就任(現任)。影響を受けた本は司馬遼太郎「国盗り物語」、「関ケ原」、「城塞」。アルビン・トフラー「パワーシフト」。かわぐちかいじ「沈黙の艦隊」。大前研一「企業参謀」など。




端末管理サービスを提供

国内シェアは40%超


 同社の事業は「IoTプラットフォームサービス」「リモートマネジメントサービス」「サポートサービス」「その他サービス」の4つだ。

 全体の約8割を占めるのが、2021年3月期の売上高61億3000万円(前期比114・9%)のIoTプラットフォームサービスである。同事業では、企業内で使用するスマートフォン、タブレット、パソコンなどの端末をクラウド上で管理できる「Optimal Biz」を提供する。企業向けのスマホ・タブレット・パソコン・IT機器などの運用管理やセキュリティ対策に活用されるもので、端末に新しいアプリやセキュリティ設定を加えられ、多数の機器を一括管理が容易になるという。「Optimal Biz」は、KDDI、NTT東日本などの販売パートナーのサービスとして提供。オプティムは使用する端末数に応じて、標準単価で月300円のライセンス料を受領している。

 同サービスは19年から25年にかけて平均14・1%で成長が見込まれる国内MDM(Mobile Device Management、モバイルデバイス管理)市場でシェア1位を継続している。国内シェア42・3%とナンバーワンで、累計18万社以上に導入実績がある。

「学校などの文教分野や医療分野でも一番使われているサービスです。裏方の立場ではありますが、端末を安全に、簡単に使えるようサポートさせていただいています」(菅谷俊二社長)

「リモートマネジメントサービス」は、21年3月期の売上高が全体の約1割となる7億9000万円(前期比104・8%)。IT機器の画面共有、機器情報取得による遠隔サポートや、スマホやタブレットのカメラ映像を共有できるサービスを月額料金で展開する。このサービスでも、同社は国内シェア1位だ。

「サポートサービス」ではIT機器のセットアップや診断、復旧などのサービスを提供。「その他サービス」ではスマホやタブレットでの雑誌の読み放題サービスやパソコンソフトの使い放題サービスを手掛ける。



AI解析を幅広く実用化

目標は売上3・6兆円


 様々なITサービスを手掛ける同社だが、近年特に力を入れているのがAIやIoTを活用したサービスだ。同事業の主軸を担うオプティムのAI・IoTプラットフォーム「OPTiM Cloud IoT OS」は、IoT端末を管理・制御し、IoT端末より取得したデータの蓄積や分析、各種AIの活用、多様なクラウドサービスとの連携を可能にする。

 例えば、同プラットフォームを活用したサービスとして「OPTiM AI Camera」を提供する。AI画像解析を用いて店舗や駅での混雑状況の可視化や、人と人との密集密接状況の検知・警告など、新型コロナウイルス対策ソリューション「withコロナソリューション」を提供するなど幅広く実用化されている。

「今後世界では、450億台ほどの膨大な機器がネットに繋がるでしょう。当社はすべての機器をAIと結び付けられる強い位置にいると思っています。この分野の国内市場は約9兆円になると考えていますが、現在のオプティムがスマートフォン市場で持つシェアであるその4割の3・6兆円を取りたい」(同氏)


2つのサービスを新たに展開

22期連続最高売上高目指す


 同社の中期経営戦略は、各産業とIT(AI・IoTなど)を組み合わせる「○○×IT」をさらに発展させること。現在手掛ける4事業を「Industrial DX」と「Corporate DX」の2つに分け、それぞれでさらなる新たなサービスを展開する。

「Industrial DX」で注力するのは、農業、建設、医療などの分野だ。農業分野では、ドローンによるピンポイント農薬配布・施肥テクノロジーを開発した。この技術を全国約1700団体の米・大豆生産者に無償提供し、生産物はオプティムが買い取り一般消費者に販売している。

「AIで農害虫の場所を特定し、スマホ操作のドローンで狭い範囲にだけ農薬をまく。これにより農薬使用量を最大約99%削減できます」(同氏)

 また、NTT東日本ならびにWorldLink & Companyとドローン分野における新会社「NTT e─Drone Technology」を設立した。農業分野を皮切りに、各産業における国産ドローンサービスの利用を推進している。

 建設分野では小松製作所とともに、「OPTiM Cloud IoT OS」の提供を通じて建設生産プロセスの新プラットフォームの事業ならびに開発に従事する。さらに松尾建設と共同で、測量知識がなくてもiPhoneやiPad Proを用いて簡単に高精度3次元測量ができる「OPTiM Geo Scan」を世界で初めて実用化した。

 一方「Corporate DX」では、これまで培った「Optimal Biz」顧客網のチャネルを使い、どんな業界でも使える新たなサービスを提案する。こちらでもAIで契約書を管理する「OPTiM Contract」などさまざまなサービスを開発、提供している。

 加えて、DX戦略のさらなる強化を目指しKDDIと合弁会社「DXGoGo」を設立。AIやIoTなどを活用した商品・サービスを通じて企業のDXを支援するほか、デジタル技術を活用した新たなビジネスと事業化を行う。

「当社のミッションは、インターネットそのものを空気のように、全く意識することなく使いこなせる存在に変えていくこと。今期は積極的な成長投資を実施するともに、22期連続となる過去最高売上高を目指します」(同氏)


▼ビジネスモデル


▼ドローンによってピンポイントで農薬をまくことで、農薬使用量を削減。この方法で生産された「スマート米」は人気商品となっている




2021年3月期 連結業績

売上高

75億1700万円

前期比11.7%増

営業利益

18億800万円

同603.8%増

経常利益

20億円

同671.0%増

当期純利益

12億3700万円

同955.8%増

2022年3月期 連結業績予想

売上高

82億6900万円~90億2000万円

前期比10.0%~20.0%増

営業利益

11億2100万円~20億円

同38.0%減~10.6%増

経常利益

11億2100万円~20億円

同43.9%減~0%増

当期純利益

6億9500万円~12億4000万円

同43.8%減~0.2%増

※株主手帳11月号発売日時点