オーシャンシステム【3096・JQ】スーパーマーケット運営と宅配弁当の2本柱 ネットとリアル融合させた「オーシャンDX」推進


 新潟県を本拠に「業務スーパー」FC事業や直営店「チャレンジャー」のスーパーマーケット運営、事業所向け弁当事業「フレッシュランチ39」等を展開しているのが、オーシャンシステムだ。同社は、2024年度を最終年度とする中期経営計画で、店舗展開を拡大させていく一方、ネットとリアルを融合させた「オーシャンDX」を浸透させるべく、新たな挑戦を始めている。


 

樋口 勝人社長

プロフィール◉ひぐち・まさと

1975年4月22日生まれ。97年5月日本料理しまや入社、99年5月同社入社、ランチサービス事業部ぐるめし本舗新潟店長、ランチサービス事業部新潟店長、取締役兼社長室長、取締役兼営業本部副本部長、代表取締役副社長を経て、2015年6月同社代表取締役社長(現任)。






 

「業務スーパー」FC店中心に

22年3月期売上高737億円見込む


 同社の21年3月期の売上高は669億600万円、営業利益は14億6800万円。22年3月期は同737億2000万円、同13億7000万円を見込む。事業セグメントは5つ。売上比率が約47%と最も高いのは、「業務スーパー事業」だ。神戸物産(3038・東1)がフランチャイズ本部となって展開する「業務スーパー」のフランチャイジー(FC)として、2001年の加盟以来、北海道を含む東日本と九州の一部で計57店舗、子会社が運営している店舗も併せると60店舗を運営している。次いで、約35%を占めるのは、「スーパーマーケット事業」で、食品スーパー「チャレンジャー」を、直営店として新潟県内で10店舗運営する。

「『業務スーパー』は建物で150坪、土地込みで500坪程度の店舗規模ですが、一方『チャレンジャー』は建物900坪、敷地を含めると3500坪前後の大型店舗です」(樋口勝人社長)。

 セグメント売上で3番目に当たるのが、「弁当給食事業」だ。事業内容は、「フレッシュランチ39」ブランドでの、企業宅配弁当の製造販売や、同ブランドのFC展開など。他に、「食材宅配事業」として、1970年代から展開している「ヨシケイ」ブランドのFCとして夕食材料等の宅配事業を行ってきた。


1963年の「ひぐち食品」祖業

事業者向けデリバリーで成長


 セグメント別売上高のボリュームでは、同社のメイン事業は、「業務スーパー」と「チャレンジャー」合わせて80%超を占めるスーパーマーケット運営だが、実はビジネスの根幹に置いているのは「弁当給食事業」だという。

「当社は1963年に『ひぐち食品』として地元三条市で産声を上げました。いわば祖業に当たります。元々がデリバリーからのスタートで、ヨシケイへのFC参加、事業者向け弁当『フレッシュランチ39』と拡大させてきました。今も注文を受けてから2時間半後にオフィスに届けています。当日注文・当日配送のビジネスモデルというのは、他ではあまりやっていないことですので、ここが我々の本来の強みと考えています」(同氏)

「フレッシュランチ39」を運営する子会社のサンキューオールジャパン社は、1980年代後半に同社の樋口勤現会長が、仙台、東京、長野のオーナー4人で立ち上げた会社だ。同ブランドの名を冠した店舗は、群馬に出店した1号店を皮切りにネットワークを拡大。現在では1日あたり35万食を提供しているという。

「『フレッシュランチ39』のブランドで、当社では73億円を売り上げており、企業数で8000社、個人の数で5万人に毎日お弁当を届けています」(同氏)


ネットスーパー領域に進出

注文から配達まで自社完結


 同社では「フレッシュランチ39」のデリバリーで培ったノウハウを活かし、21年秋から「オーシャンDX」と名付けたネットスーパー事業を推進している。

 同システムは、独自のスマホアプリから注文を受けた商品を、自社ドライバーがオフィスや家庭の玄関先まで配達する仕組み。ユーザーは同社が展開する各ブランド店舗の商品群の中から、弁当、食料品から日用品に至るまで、様々な品を注文することが可能だ。

「オーシャンDXは、お客様の『困った』をなくそう、というところからスタートしました。私たちの強みは、ラストワンマイル、つまりお客様の玄関先まで届けられる体制を整えていることだと自負しています。ネット上だけでなく、当社が開発した冷凍弁当や、無人コンビニなどを実際にオフィスなどに置いてもらって、リアルな商品を見てリアルに買うことができる場も設けています」(同氏)

 同サービスは目下、新潟県内からスタート。アナログなやり取りが普通だった弁当販売において徹底したデジタル化を推進し、同社の顧客である「ヨシケイ」の3万世帯と「フレッシュランチ39」で毎日配達する5万人を含む、約10万人のデータをベースに、拡充を図っている。

「オーシャンDXでは『フレッシュランチ39』の加盟店にも参加を募り、これまでのところ、静岡、福井、宮城での契約が決まっています」(同氏)


地元企業との協業でシステム構築

コスト削減と地域活性化にひと役


「オーシャンDX」を推進していくに当たり、同社では、あえて地域との繋がりを活かしながら多くの仕組みを自社開発で構築した。地元のリソースを使うことによって、コストを低減させるとともに、地域の活性化にも寄与しようとする考えからだ。

 例えば支払いで利用する電子マネー「オーシャンpay」は、14年時点で既に樋口社長が地銀とタッグを組んで開発していたという。キャッシュレスが18年頃から世の中に急速に浸透したことを踏まえ、決済システムとして導入に踏み切った。

「クレジット払いでは売上の2~3%をカード会社に支払う必要がありますが、自社payではそれがかからないため、買い物金額から2%を即時お客様に還元しています」(同氏)

 また、物流システムの構築では、蓄冷材や輸送ケースなどを、地元三条の中小企業と組んで独自開発した。「アイスクリームを気温35度で18時間置いても溶けない、という優れものです」(同氏)

 21年10月からは、コロナで打撃を受けた地元の外食産業などの活性化を目的に、ネット通販事業「オーシャン商店街」も始めている。

「今後は、当社のノウハウを、全国の各加盟店さんに販売していきます。オフィスコンビニの設置やオーシャン商店街の展開、冷凍弁当の販売では、売上というよりもロイヤリティをいただく方向に舵を切っていきたいと考えています」(同氏)



▲直営店の「チャレンジャー」



▲バーコードスキャンで注文完了


 

2021年3月期 連結業績

売上高

669億600万円

前期比 7.9%増

営業利益

14億6800万円

同 14.9%増

経常利益

15億8700万円

同 14.6%増

当期純利益

8億5800万円

同 2.7%増


2022年3月期 連結業績予想

売上高

737億2000万円

前期比 10.2%増

営業利益

13億7000万円

同 6.7%減

経常利益

14億4000万円

同 9.3%減

当期純利益

8億4000万円

同 2.1%減

※株主手帳4月号発売日時点