グローバルキッズCOMPANY【6189・プライム】首都圏中心に174の認可保育所を運営 規模・機能・基盤強化で選ばれる園を目指す


 認可保育所の運営を主力事業にするグローバルキッズCOMPANY。保育士の気持ちに寄り添った共感を呼ぶ経営方針を展開し、新規園の開発力と人材確保力に強みを持つ。2021年9月期は、入所率の回復による園児の増加や新施設の開発などが寄与し、売上高、営業利益ともに過去最高を更新した。新中期経営計画では規模拡大、機能拡充、基盤強化の三つを成長の柱に挙げ、24年9月期売上高310億円、EBITDA21億円を目標に掲げる。


 

中正 雄一社長

[プロフィール]なかしょう・ゆういち

1972年5月生まれ。95年に明治大学卒業後、神戸屋入社。2006年、東京都認証保育所六町駅前保育園開園。同年、グローバルキッズ代表取締役社長就任。15年、グローバルグループ(現同社)代表取締役社長就任。18年、茂来学園理事長就任(現任)。





 

高需要の認可保育所を展開

運営補助金が収益の柱


 グローバルキッズCOMPANYは保育園の運営を行う企業。様々な運営形態がある保育所の中で同社が主とするのは、各都道府県の行政から認可を受けて運営を行う認可保育所だ。

 認可保育所の運営では、0歳から5歳までの未就学児を預かり、その児童数に応じて毎月、自治体から運営補助金という形で収益を得ている。一例として、0歳児一人当たり15~20万円程度の補助金が発生する。

 同社は現在、東京中心に、神奈川、埼玉、千葉、大阪などで計174園を展開(22年4月1日時点)、内訳は認可保育所や認定こども園、学童クラブなど。その内、認可保育所が141園と大多数を占める。そこには利用者のニーズが関わっている。

「設置基準が厳しく、保育料や0歳から5歳まで預かってくれるという幅の広さの面でも認可保育所を希望する利用者の方が多い。実際、認可の方が埋まっていくと、その後に認可外の保育所が埋まっていくというイメージもあります」(中正雄一社長)

 2021年9月期連結業績は売上高235億2900万円、営業利益5億7600万円。入所率の回復や園児数の増加が影響し、過去最高業績を達成した。


保育士に寄り添う施策が主

新規園開発と人材確保に強み 


 同社は、園の開発力、人材確保力の二つの特徴を持つ。 まず一つ目の開発力は、中正社長のキャリアが大きく関係する。同氏は保育関係に従事する以前、パン屋などを展開する神戸屋で、店舗開発に携わっていた。一等地の開発が最優先課題だった中、トップ開発マンとして、多くの新店オープンに係った。その後、保育所経営を始める元上司のもとに転職し、保育の業界に携わることになる。

 一等地でないとうまくいかなかった業界でトップ開発マンとして磨いた同氏の開発における目利きや判断力は、保育園の開発でも生きた。06年にグローバルキッズとして初の保育所を東京都世田谷に開設以後、毎期、新規園の開設を続け、認可保育所数は18年9月期に98園となり、22年4月1日時点で141園と施設数を増やしてきた。

「一般的な用地開発では、自治体からの新規園開発募集があり、一斉に業者が探しに行きます。私はまず、土地を見つけて登記簿を調べ、オーナーさんに直接出向いていました。他業者は不動産店舗など情報が出ているものを見るので、一つの物件に殺到してしまう。箱を見つけるのが得意だったというのが成長のカギの一つです」(同氏)

 二つ目の人材確保については、職員第一の経営施策を行っている。働きやすい職場環境を提供するのはもちろんのこと、東京、神奈川など首都圏近郊を中心に174園を展開していることで異動のしやすさもある。また、現在はコロナ禍のため実施できていないが、キャリアアップのための海外研修も行うなど、育成制度の充実を図った。離職率は17年3月期の20%から21年3月期は15%まで低下、職員数も毎年着実に増やし、12年9月期末の613人から21年9月期末時点では、4000人となっている。

「園が多くなると、悩みとして園長とうまくいかないなどがある。そういう悩みが理由で辞めないように広い視野で異動しやすくするなどのケアをしています。また、ほかの事業者は実施していませんが海外での子供に対する考え方を知ってもらうために海外研修もしています。広い視野で学んでもらいたいというところから、個に対する考え方が特に強いハンガリーを中心に研修を行っています」(同氏)


潜在成長性は一兆円規模

三つの軸を中心に成長続ける


 保育の市場は現在、推定で5兆円超と言われている。少子化により、待機児童の数が25年にピークアウトすると言われているが、現状では待機児童1兆円分の潜在成長性が含まれており、まだまだ高い需要があるという。

 22年9月期からスタートした3カ年の中期経営計画では、成長の柱として規模拡大、機能拡充、基盤強化の三本柱を掲げている。一つ目の規模拡大はM&Aの実施。保育園の運営が主力事業ではない会社から事業を譲り受けることで規模拡大を目指す。同時に、毎年10カ所ほどの園の新設も計画している。

 二つ目は機能拡充。「個」を認める保育を掲げる同社は、習い事のサービス「GlobalKidsPlus+」を通した個の確立をめざし、内容充実を図る。現在は、体操や英会話、プログラミング、剣道などを提供している。また、子供たちの興味関心を広げるために田植えなどの野外教育も行う。

 三つ目の基盤強化はICTの導入だ。例えば、これまでは保護者からの欠席の連絡などは電話で受けていたが、現在はアプリでやり取りができるようになった。保育士と保護者双方の負担を低減し、効率化を図っている。今後も保育士がつける子供たちの記録などの開発を進める。

 数値目標として最終年度の24年9月期売上高310億円、EBITDA21億円を掲げている。

「当社はトリプルトラストというビジョンを掲げています。一番は働いている保育士さんが信頼を置ける会社、さらに保護者や子供たち、最後に施設がある地域の人に信頼される会社を目指す。保育園というのは社会にとってなくてはならない存在なので多くの方に信頼される存在でいたいと思っています」(同氏)



▲施設の外観



▲保育現場の様子(右)


 

2021年9月期 連結業績

売上高

235億2900万円

前期比 6.2%増

営業利益

5億7600万円

同 20.6%増

経常利益

11億4800万円

同 25.3%増

当期純利益

4億8100万円

同 10.0%増


2022年9月期 連結業績予想

売上高

249億円

前期比 5.8%増

営業利益

9億4000万円

同 63.2%増

経常利益

12億6000万円

同 9.7%増

当期純利益

8億円

同 66.0%増

※株主手帳5月号発売日時点