• 株主手帳編集部

コンヴァノ【6574・マザ】短時間・低価格ネイルサロン58店舗展開 コロナ禍で新たな運営方法を模索

 コンヴァノ(6574)は、短時間施術と安価なネイルサロンチェーン「FAST NAIL(ファストネイル)」等を展開している。2007年の創業以来拡大成長を続け、今では他ブランド店舗含めて59店舗まで増加した。しかし、コロナ禍で2021年3月期第2四半期の売上収益は、前年同期比50.3%減の6億1500万円にまで落ち込んだ。ただ厳しい状況下でありながらも昨秋には3店舗を新規オープン。雇用を維持しつつ、新規顧客獲得の再強化やリピーター確保など、将来の業績拡大の布石を打っている。

壷井 成仁社長

プロフィール◉つぼい・しげひと 

1987年4月、日本マクドナルド入社。2011年12月、同社直営コンサルティング部マネージャー。2012年1月旧コンヴァノ(現 同社)入社、財務経理本部本部長、情報システム本部長 兼任。2013年7月当社取締役・CFO。2019年6月同代表取締役社長・CEO (現任)、femedia 代表取締役社長 (現任)。



リピーター減少も新規増える

9月以降前年比客数90%に回復


 同社の業績はコロナ禍により、特に昨年7月〜8月の繁忙期での売上収益が大きく減少した。中でも多くの店舗が入居している商業施設の休業などが響いた。

「2月までは好調でしたが緊急事態宣言以降は、リピーター減少が大きく影響しました。もともと薄利多売のビジネスモデルですので、リピート率が大きなカギを握ります。当社の場合は、平均1〜2カ月間隔のリピート比率は85%を超えていました。しかし、リモートワークの浸透で70%弱に落ち込みました」(壷井成仁社長)

 営業再開後同社は、徹底的な感染防止対策を実施。9月以降は客足が戻ってきているが、これは、「新規顧客の増加によるところが大きい」(同氏)。これまでリピーターで埋まっていた枠に新規客が入ったことで、休業していなかった既存店を中心に、前年対比客数90%を確保、「新店を加えれば客数は前年並みを確保している」(同氏)という。

 個人店など競合他社が休業・閉店していることもあって、同社は新規客獲得のためにクーポンを配布するなどの施策を打った。これが奏功し会員数は2021年第2四半期で前期比

17%増の48万3000人にまで増加した。現在の会員数は52万5000人だ。


「セルフデザイン方式」で

高効率オペレーション確立


 国内のネイル市場は、緩やかながらも年々拡大し続け、2020年は約1753億円で「まだまだ市場規模拡大の余地はある」(同氏)という。店舗数は約2万5000店だが、ネイルサロンは机とイスさえあれば開業できるため殆どが個人営業だ。同社のようにチェーン展開している企業は20社にも満たない。中でも同社は「他社の多くは月商100万円程度だが、当社は月商300万円以上」(同氏)。

 ネイルサロンは労働集約型ビジネスで、支出はほぼ場所代と人件費だ。このため、「一般的なネイルサロンが1人で受付から施術、会計までこなすのに対して、当社の場合、ネイリストの人件費を他社よりも高くするために、高効率オペレーションを確立している」(同氏)のが同社の強みであり、大きな武器になっている。

 同社独自の「セルフデザイン方式」は、専用サイトにデザインと価格を表示しあらかじめ選択できるもので、来店後のカウンセリング時間を短縮させる。来店後も古いネイルを除去するために自動除去装置を導入することで、除去時間を30分から20分へ、「ジェルネイル」と呼ばれる施術方法を用い、従来一人当たりの滞在時間が120分かかっていたものを、60分程度に短縮させた。これらの過程を分業させることで、スタッフを無駄なく動けるようにし、回転率を高めている。

「スタッフ一人の客単価は、一般的なネイルサロンでは約40万円ですが、当社は約80万円です」(同氏)

 集客も、多くのネイルサロンが外部メディアに依存しているのに対し、同社はウェブによるオリジナルの予約システムを通じて、約40%を自社経由で獲得しており、広告宣伝費を約4%にまで低減している。こうした施策が1時間4000円という他社と比べて半額でのサービスを可能にしているのだ。


小規模サロン併設型の出店加速

ネイリストの働き方改革も推進


 個人の力量に依存したネイル業界に効率性を持ち込み、2018年にネイル業界として初めて上場を果たした同社だが、コロナ禍により新たな施策の必要性に迫られている。柱となるのは新規顧客開拓の拡張だ。同社は専用ネットや自社アプリによる予約システムにより、集客を行っているが、今後は、RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)を用いた外部媒体との予約連携強化やグーグルなどの表示情報の適正化、SNSの積極活用を進めていく。成果は既に現れており、9月の新規顧客数は前年同月比較で約1.4倍、同年6月比較で約1.6倍となった。

 従来型に代わるネイルサロンの新業態の創出も急務だ。「現在実験的に行っているのは、こちらから顧客の元へ出かける『出張ネイルサービス』や、男性向けの爪ケアです。幸い反響は上々ですので、本格的に稼働させていきたい」(同氏)

 同社は現在、「FASTNAIL」「FAST NAIL PLUS」「FASTNAIL LOCO」の3ブランドを展開している。主力の「FAST NAIL」は52店舗だが、近年商業施設への出店を進めてきたため、コロナ禍での影響が大きかった。今後は更に小規模の「FAST NAIL LOCO」ブランドの拡大を進めていく計画だ。

 同ブランドは主に、ヘアサロン内併設の店舗で、3店舗を展開している。「『家の近くにあったらいいのに』『お買い物のついでに寄りたい』などの要望に応えた店舗です。行きつけの店で気軽にネイルが可能なことと、小型店舗ならではのアットホームな雰囲気がこのブランドの特徴です。サロン等の顧客を新たな獲得も期待できます」(同氏)という。

 同社はまた今年より「FAST NAIL LOCO」のFC展開をスタートさせた。

「当社の強みであるネイル専門技術教育によるスピード教育や、時短店舗オペレーションシステム、ITを用いた集客力及び顧客管理システムをパッケージ化したモデルを提供していきたい」(同氏)


▼主力店舗の「FAST NAIL」











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