• 株主手帳編集部

シェアリングテクノロジー【3989・マザ】生活支援マッチングサイト中心の「暮らしのお困りごと」事業が前期比134%に軽作業からリフォームまで140ジャンル・3700社以上の加盟店が参加

 「鍵交換」「水漏れ修理」などの専門業者をウェブ上で紹介するマッチングサイト「生活110番」などを提供しているのがシェアリングテクノロジーだ。同社の2019年9月期通期売上収益は、79億700万円で前期比167%。「生活110番」などによる「暮らしのお困りごと」事業等のweb事業は51億800万円。子会社3社による投資事業が27億9700万円。今後は主力の

「暮らしのお困りごと」事業に集中していく方針だ。



森吉寛裕社長

PROFILE◉もりよし・のぶひろ1989年8月29日生まれ、千葉県出身。2014年4月、ジャフコ入社。15年4月、シェアリングテクノロジーに入社。18年12月、取締役CFOに就任。19年2月、代表取締役共同経営者。同年12月、代表取締役CEOに就任(現任)。






「鍵交」「水漏れ修理」等軽作業中心 

受注総額は約150億円


「暮らしのお困りごと」事業とは、住宅リフォームから修繕、家事代行に至るまで、日々の生活をサポートするマッチングサイト運営のことで、同年通期の売上収益は、38億9100万円で前期比134%と大きく伸長した。

 同社のサイトは現在、140以上のジャンルにわたり、全国3700社以上が加盟店契約を締結している。サイトに訪れた利用客と、適切な加盟店をマッチングさせる仕組みだ。「マッチングがweb上で成立するのは10%程度、90%が24時間365日受付の自社コールセンターを通じてのものです。緊急を要する人は電話で直接電話するケースがほとんど。当社としても現状や要望を直接聞くことで、適正な業者を迅速に紹介することができます」(森吉寛裕社長)

 コールセンターで、ジャンル・場所・施工希望日などを聞き、適切な加盟店を紹介する。加盟店と利用客との間で契約が成立した時点で同社が加盟店から手数料を徴収する成功報酬型だ。

 鍵交換2万円、シロアリ駆除8万円からなど単価は低いものの、人を介することで、信用性を高め、実績を伸ばしてきた。現在、月間640万PV、年間85万件以上の問い合わせがあり、成約率は約35%、受注金額は約150億円だ。


リスティング広告見直し収益率向上に努める

サイト記事によるライティング投資は継続


同社の特徴は、「電気工事110番」「鍵交換110番」「雨漏り修理110番」など、260にも及ぶ細かい特定ジャンルに特化したサイトを多く作っていること。

 「困っている人は、必ず細かいキーワードで検索するため、より利用者のニーズに合わせて、ニッチに絞り込んでいる」(同氏)

 もっとも同様の分野のサイトは数多く存在するため、集客はグーグルなどのリスティングによるものが多い。その広告宣伝費率は40%にも及ぶ。

 そこで近年力を入れているのが、これらをまとめたポータルサイトが「生活110番」だ。このサイトの特徴は、暮らしに関する役立ち記事情報をサイト上で掲載する「ライティ

ング」投資などによる、リスティングに頼らない集客だ。

「現在、ライターはアルバイト含めて約150名、ライティングへの2019年9月期の投資額は2億8600万円ですが、これは成長過程において必要なものと考えています。業務の効率化によって、記事当たりの製作コスト低減が進めば、収益向上が見込めます」(同氏)

 TVCMや新聞折込チラシなどのマス向けの広告などで、「生活110番」のブランディングを行うことで知名度向上を図り、集客力の強化と収益性の拡大を狙っている。合わせて様々な業種とのコラボレーションなどによって、新たな顧客獲得を目指していく。

 実際、その効果は徐々に表れており、「生活110番」の「暮らしのお困りごと」事業全体に占める売上構成比率は、2018年9月期4Qの約3・5%から右肩上がりに推移、2019年同時期で約5・7%となっている。


加盟店への審査を厳格化

好評価店舗にはビジネス拡大の支援も


 また、集客と同時に力を入れているのが、加盟店の管理だ。3700社を超えた今、加盟店にも仕事に対する温度差が明確になってきているという。

「当社は成功報酬を謳っているだけに、加盟店と利用者のトラブルはご法度です。加盟店への審査や教育には神経を使っています。審査では身元調査はもちろん、過去施工実績など精査します。仮にクレーム率が高ければ退場してもらう」(同氏)

 一方、評価が高い加盟店には、多店舗化など成長を支援する。

「例えば、鍵交換の需要が高いものの、成約率が低い加盟店が多いエリアがあるとします。他のエリアでそこに出店意欲がある優良加盟店があれば、情報を提供して出店を後押しします。加盟店にとってもビジネス拡大になりますし、当社にとっても優良店を紹介することができる」

(同氏)



生活サポート市場は14兆円

少子高齢化が規模拡大を後押し


 リフォーム、引っ越し、葬儀などを含めた生活サポート分野での国内市場は14兆円といわれている。「そのうち当社が得意とする鍵交換・漏電修理など、主に300万円以下の軽作

業の市場は約5兆円。まだまだ成長余地は大きい」(同氏)

 背景にあるのは、65歳以上の人口増加と、小家族化だ。これに「BtoCサービスのEC市場の拡大が当社の成長を後押しする」と、期待を寄せる。海外に目を転じてみると、ア

メリカでは40兆円の市場性があるといわれており、大手のアンジーホームサービスは時価総額約3000億円だ。

 同社は2006年設立。2009年にインターネット回線販売、2012年にはウェブによる「暮らしのお困りごと」事業をスタート。2017年には東証マザーズに上場を果たし

た。

 その後は上場益をもとに、異業種企業を次々と買収したが、子会社の売却など、本業への経営資源の集中するため、この1年間、事業の立て直しを進めてきた。

「今は新たな成長過程を描いている」(同氏)という。



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