ジェイフロンティア【2934・グロース】マーケティング力を武器に通信販売で成長 オンライン完結で診療・服薬指導・薬を宅配

ジェイフロンティアは、ヘルスケア製品と医薬品の通信販売事業で業績を伸ばしてきた。創業13年目の2021年5月期には、過去最高収益を更新。同年8月に東証マザーズに上場した。今後はオンライン診療の予約から、服薬指導・処方薬の宅配までワンストップで提供するSOKUYAKU事業の拡大に注力する。


 

中村 篤弘社長

プロフィール◉なかむら・あつひろ

1980年生まれ。2003年クリエイトエス・ディー入社。シーコム、ビックタウンなどを経て10年サイバープランナー設立。同年、モバイルフロンティア(現ジェイフロンティア)代表取締役社長就任(現任)。17年に篤志設立、代表取締役(現任)。19年日本健康開発股份有限公司董事長(現任)。21年に同社代表取締役社長執行役員(現任)。


 

健康食品と医薬品の

通信販売で成長


 ジェイフロンティアの2021年5月期連結業績は、売上高84億9300万円、営業利益は6億7200万円。同社の主要セグメントは3つある。セグメント別売上比率をみると、メディカルケアセールス事業が21・5%、ヘルスケアセールス事業が69・6%、ヘルスケアマーケティング事業が8・9%となっている。

 主力のヘルスケアセールスとメディカルケアセールスの中心は、通信販売による売上だ。自社で企画・製造した製品を実店舗無しに自社サイトで直接販売するメーカー直販(DtoC)を得意とする。サイトではスムージーや漢方などの健康食品と医薬品を扱う。元々同社は、12年に健康食品メーカーとして通信販売を開始、16年に医薬品通販に領域を拡大した。祖業で培ったノウハウを生かし、ヘルスケア・メディカルケアセールスの2事業で成長してきた。


強みのマーケティングを

生かした事業展開


 同社は広告代理店として創業し、マーケティングに強みを持つ。SNSといったインターネットを活用するオンラインと、通販型のテレビCMや商品とともにパンフレットなどを送る同梱物といったオフラインと呼ばれる広告手法を駆使し、幅広い消費者にアプローチする。さらに商品に応じて、ターゲット層が異なる広告を展開する。例えば、30~50代向けにはインターネット、40~60代向けにはオフラインを戦略的に用いる。2種類の広告を使いこなすことで、21年5月期に新規獲得した定期顧客数約30万人のうち、集客方法別では割合が半々。30代から60代を中心に、広い年齢層の顧客を獲得している。また、トレンドの移り変わりや単価・獲得件数の変動が激しいインターネットに依存しないことで、集客を安定させている。

 ヘルスケアマーケティングは売上こそ少ないが、同社独自の強みを生かした事業だ。創業時から手掛けるタレントなどを起用するキャスティング広告、店頭販売・テレビ通販を含む多様な販売チャネルを展開する卸売が中心となっている。また、コールセンターや物流業務、DMといったマーケティング施策などのBPOサービスも提供する。商品の属性に応じて最も効果的なタレント起用や媒体選択をしたマーケティング事業を展開してきた。クライアントには、同社にとって競合とも言える、DtoC企業も多い。

「自社でうまくいった販促方法を成功例とともに実践的な提案ができます」(中村篤弘社長)

 

オンライン診療の

実施率高めるサービス


 現在同社が注力しているのがSOKUYAKUサービスだ。オンラインで予約だけでなく診療と服薬指導も受けることができ、選択すれば薬の即日宅配まで完結できる。21年にアプリの配信が開始され、コロナ禍でのオンライン規制緩和を追い風に成長している。同年12月にビジネス特許も取得した。

 オンライン診療普及には、大きく分けて①料金、②集客、③実施の3つの壁があると言われている。オンライン診療・服薬指導は、導入する医療機関や薬局にとってシステム料が重荷となる。広告規制の影響で導入後の集客ができない。実施という面では、医療機関や薬局での運用が円滑に行えない場合がある。

 患者にとってはオンライン診療後に薬局の予約ができていないために、処方箋を一度患者宅へ郵送してもらい、その後、患者自らが処方箋をオンライン服薬指導を受ける薬局に郵送する必要があるなど、手間がかかる。このようないくつかの障壁により、予約自体が少なく、予約後のキャンセルも多い傾向にある。

 SOKUYAKUでは、患者が利用料を支払う仕組みで、医療機関や薬局は無料で導入し利用できる。ジェイフロンティア自体がSOKUYAKU会員を集客し、各医療機関や薬局への送客に繋げている。診療日前日に電話で、患者と医師、薬剤師に確認をするほか、変更時の調整も行う。ワンストップで予約から処方薬の宅配まで手掛けることで、オンライン診療を患者が外出を一切せずに簡単に完結できる。SOKUYAKUを利用したオンライン診療の予約からの完結率は95%に上る。22年2月末時点で、病院薬局合わせて約3900件導入済みであり、会員数は約23万人となっている。


中期的成長の核とし

調剤薬局業界のUberへ


 同社は25年5月期を最終年度として、売上高300億円、営業利益25億円を中期経営目標に掲げる。全国には医療機関が約18万軒、薬局は約6万軒ある。オンライン診療導入の裾野は広い。SOKUYAKUサービスのさらなる拡大へ意欲を見せる。

「現在は、東京23区、横浜、福岡、大阪、名古屋で宅配可能です。1年半~2年程度で宅配できる体制を全国に構築し、『人と社会を健康に美しく』の実現を目指します」(同氏)


▲︎通販主要製品の漢方薬やスムージー



 

2021年5月期 連結業績

売上高

84億9300万円

前期比 19.5%増

営業利益

6億7100万円

同 294.7%増

経常利益

6億7900万円

同 290.2%増

当期純利益

4億2400万円

同 341.7%増


2022年5月期 連結業績予想

売上高

105億400万円

前期比 23.7%増

営業利益

8億5400万円

同 27.3%増

経常利益

8億3100万円

同 22.4%増

当期純利益

5億3100万円

同 25.2%増

※株主手帳5月号発売日時点