• 株主手帳編集部

ストライク【6196・東1】年間100組の企業M&Aを仲介幅広いニーズ掘り起こしシェア拡大へ

企業経営者の高齢化などより事業承継を目的としたM&Aニーズが高まっている。M&A仲介業界の中で、いち早くネット活用によるマッチングをスタートし成約につなげてきたのがストライクだ。案件の数、成約金額ともに増加傾向が続くが、さらなるシェア拡大に向け、増員やニーズ掘り起こしなど将来に向けた積極施策を展開している。

荒井邦彦社長

プロフィール◎あらい・くにひこ

1970年千葉県生まれ。一橋大学商学部卒。93年太田昭和監査法人(現新日本監査法人)入社。財務デューディリジェンス、株式公開の支援などの業務を経験。

9 7年ストライク設立、代表取締役社長就任(現任)。公認会計士・税理士。









成約件数増で大型案件も拡大

M&A市場で高い信頼を醸成


 ストライクの業績が好調だ。同社の20年8月期第2四半期の売上高は35億800万円(前年同期比60%増)と、上期としては過去最高を記録。同社は1997年に社長の荒井氏をはじめとした公認会計士が主体となって設立。M&Aの仲介、企業再生の支援などを展開している。売り手企業と買い手企業の双方から着手金と成約報酬を得ており、売上高の大部分を成約報酬が占めている。

 売上高と成約組数は年ごとに増加し、19年8月期は過去最高の売上高50億7700万円(前期比35・6%増)、成約組数は104組となった。近年では全体的に成約単価が上昇する傾向にある。

「主要な顧客である年商1億円から100億円の中小企業の案件を広げていったことで、トップ案件の高さが変わってきている。また会社の規模に関わらず、当社のコンサルタント個人への信頼感の強さを感じる。M&Aは個の勝負になってきていると考え、良い人材がいたらすぐに採用することにしています」(荒井邦彦社長)


計画超えてコンサルタント増員

積極的にマッチングの舵取りを


 同社では19年8月期だけで289件の案件を新規受託。案件の増加に対応するため積極的な採用を行っている。昨年度はコンサルタントを42名増やし98名(19年8月期末現在)となった。これは当初の計画を上回るペースだ。2年前には業務支援部を設置し、コンサルタントをバックアップすることで会社全体の生産性を上げる試みも始めた。

 人件費が増えることで営業利益率の伸びは鈍くなるものの、同社はM&Aマーケットはまだまだ伸びしろが大きいと見ており、増員は成長投資として積極的に行っていく。また本社増床、利便性を考えた各地オフィス移転などで営業基盤の強化を図る。

「M&A案件は年間で1万件程度あり、当社はその1%。つまり寡占化が進んでいないと考えている。今後は環境が厳しくなりそうだが、一方これを投資のチャンスと考える経営者がいるのも事実です。そうなると企業マッチングにはこれまで以上にしっかりした舵取りが必要になる」(同氏)


ネットを軸にM&Aニーズ探る

プレマーケティング業務も展開


 同社はこれまで、業界に先駆けて様々なサービスをスタートしてきた。設立後すぐネットによるM&Aマッチングサービスを開始。2015年にはM&Aに関する経済・社会ニュースをタイムリーに報道するオウンドメディア「M&A Online」を開設した。この3月には200万ページビューを達成し、昨年7月からは新サービスである広告の提供を開始した。

 M&A OnlineにはM&A関連のビジネスを展開する企業の広告を掲載するとともに、他社案件も含めて掲載する「M&A Online Market」を創設、他社との協業による収益化を図る。同サービス内では会社を買いたい企業が希望、条件などをアピールできる「求社広告」もスタート。順調に掲載数を伸ばしている。

 買い手企業向けには「プレマーケティング」のサービスも展開している。これは買い手企業に代わって同社が売り手となる企業を探すもの。買い手企業の要望に合う企業を探し出して直接アプローチし、潜在的な売り手企業を探していく。

「譲渡を持ちかけても“興味ない”と答える経営者も多い。でも時間が経って齢をとると考えが変わることも。そういった潜在的ニーズと、既に譲渡を決めた企業の顕在的ニーズの両方に対応してシェアを上げていかなくては」(同氏)


上場後現在まで増配が続く

業績へのコロナの影響は限定的


同社は配当性向20%を目標に配当を続けており、今期も、前期の1株14・5円から17・5円への増配を予定。また株主優待として、期末時点で100株以上保有する株主には年1回、1000円相当のクオカードを贈呈している。

 

20年8月期は143組の成約、売上高62億7500万円を見込む。新型コロナ問題の影響を受ける可能性はあるものの、当初計画は達成可能としている。

「我々のやるべきことは中小企業の生産性を上げていくお手伝いをすること。そのためにも、プレマーケティングなどで潜在的なニーズの掘り起こしに努め、案件の数を拡大していきたい」(同氏)


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