• 株主手帳編集部

センチュリー21・ジャパン【8898・JQ】全国約1000店舗の不動産仲介FCを展開リフォームなどストックビジネスも強化へ

世界最大級の不動産流通ネットワークCENTURY21の日本におけるフランチャイ ズ本部「株式会社センチュリー21・ジャパン」は設立から35年を迎え、全国で店舗数1 位の売買・賃貸不動産仲介FCに成長。直営店を持たない独自の経営形態を取りつつ、 新築や賃貸だけでなく中古物件仲介、高齢者向けサービスなど時代にマッチした施策を 次々に打ち出し、さらなる成長を目指している。


長田邦裕社長

Profile◉おさだ・くにひろ 1980年伊藤忠商事入社。03年同社建設・不動産部門企画統轄課長。11年伊藤忠都市開発株式会社取締役。14年伊藤忠アーバンコミュニティ代表取締役社長。16年センチュリー21・ジャパン代表取締役社長兼フランチャイズ開発本部長。17年同社代表取締役社長兼企画本部長。19年同社代表取締役社長兼社長執行役員(現任)。





加盟店のロイヤリティが主な収入 広告拠出金で広報活動を展開


 同社は不動産売買・賃貸仲介を行うFC(フランチャイズチェーン)を全国に展開する企業だ。店舗数は2019年12月末時点で972店舗と過去最高を記録し、同業態の不動産FCチェーンの中では日本一の数(※)。自らは直営店を持たずFC加盟店のバックアップ組織として事業を展開している。同社の収入の源泉はFC加盟店からの加盟金、契約更新料、サービスフィー(ロイヤリティ)収入だ。加盟金は地域ごとに額が決められている。


そして同社の収益の約4分の3を占めるのが加盟店からのサービスフィー収入で、店舗の受取報酬(仲介手数料)の6%となっている。2019年3月期の同社のサービスフィー収入は31億3569万円だった。また「ITサービス」として、不動産ポータルサイトへの出稿 料や一部システムの使用料などが加盟店から支払われている。  同社の決算とは別に、同社と加盟店各社が共同で拠出する広告拠出金がある。これらは同社の売上とは切り離された基金組合の方式となっており、テレビやWEBなどでの広告・宣伝費用やシステム開発・運営などに充て、毎年使い切るように運用されている。


既存住宅や高齢者対応を強化 仲介時にリフォームの提案も


19年3月期における全加盟店の受取報酬総額は約515億円にのぼるが、その約6割が売買仲介によるものだった。仲介の成約件数は約2万7000件で、既存住宅(中古)が54%、 新築が46%となっている。 「これまで当FCのお客様は若く、新築の戸建てやマンションを購入する方が多かった。しかし高齢化が進む今後は、既存住宅の仲介、リフォームなどストックビジネスの強化を推し進めていきます」(長田邦裕社長)  既存住宅の取扱い数を増やすために取り組んでいるのが「リースバックサービス」だ。これは住んでいる家を売却しても、売却先企業と賃貸契約を結ぶことで住み続けられるサービス。登録店数は520店で、問い合わせは2100件を超えている。実際にリースバックをスタートした事例はその約3%だが、問い合わせがきっかけで家の売却が決まり仲介案件になった事例は約25%と高く、取り組みの効果が表れ始めている。  また、既存住宅仲介時に「リフォームシミュレーター21」の活用もスタートした。 リフォーム内容や必要な設備を入力することで、すぐに概算見積もりを出せる。リフォーム工事を一緒に請け負うことで成約金額アップにつなげる試みで、約100店舗が利用している。  シニアビジネスへの参入も予定している。そのひとつが高齢者に有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅を紹介する住宅斡旋サービスで、まずは神奈川県からスタート する。 「高齢者向け住宅を斡旋することで、そこに入居する人が持っている家を売却する。そこで仲介が発生するのを狙っています」(同氏)


表彰制度でモチベーション向上 シニア向けCMもスタート


FCオーナーは不動産業の経験者が多いが、異業種からの新規参入も約2割。新規加盟時には3泊4日の研修で、本部サービスの活用法や店舗での戦略などを学ぶ。加盟店には営業支援システム「21Cloud」が提供され、そこに登録した物件は「スーモ」「ホームズ」など不動産ポータルサイトにも同時掲載される。また顧客/追客管理システムは約320店舗が利用中。案件進捗状況の正確な把握や、顧客に合った物件情報の自動送信機能などが盛り込まれ、利用することで約5%の業績アップが実証されている。  さらに同社では加盟店間の交流や情報交換を推奨しており、優秀な成功事例を持つ店舗からノウハウを教わり成功したというオーナーも多い。  高い業績をあげた店舗や個人には、世界共通の称号である「センチュリオン」が与えられ、全国規模のコンベンションで表彰式が行われる。地方支部単位でも半年ごとに3カ月間の業績を競い合う「ラリー」が開催されており、各加盟店のモチベーションを向上させるきっかけとなっている。 「全加盟店舗の業績やランキングはネットですべて公開しており、競争意識の高まりが業績アップにつながっている。優れた業績のセンチュリオンは米国本部よりトロフィーを授与されます」(同氏)  同社は「いちばん話しやすい、いちばん分かりやすい、いちばんワクワクする不動産ネットワーク」を掲げ、不動産ニーズが多様化する中、若年層だけでなくシニア層向けにTVCMを流すなどしてブランドをアピールしていく。 「この先お客様の層も変わっていく。当社はこれからも既存の加盟店を支援し、サービスを強化して売上を上げてもらうことに重きをおいていきます」(同氏)

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