• 株主手帳編集部

タケエイ【2151・東1】今後は発電事業を積極展開 5拠点で年間100億円の売上目標に

 建設系廃棄物処理に強みをもつタケエイは、2007年のマザーズ上場を契機としてM&Aを次々に実施。将来のマーケットの縮小を見越して近年は子会社を通じた発電・売電事業を積極推進、事業の多角化を図っている。



阿部光男 社長

Profile●あべ・みつお

1960年6月29日生まれ、栃木県出身。1983年早稲田大学卒業後、協和銀行(現りそな銀行)に入行。2017年4月タケエイに入社し、執行役員経営企画本部副本部長に就任。取締役常務執行役員経営企画

本部長などを経て、2019年6月に代表取役社長に就任(現任)。





管理型処分場は 営業利益率約4割


 東日本における建設リサイクルのトップがタケエイだ。1967年の創業から建設系

廃棄物処理・リサイクル事業を行い、時代に即した形で業績を伸長。強みは、廃棄物の

収集運搬から再資源化・最終処分までを行う一貫処理システムをもつ点だ。また、マザ

ーズ上場翌年からは積極的なМ&Aにより12社を子会社化してきた。2019年3月期

の連結売上高は323億円、営業利益は21億円だった。

 事業のうち収益力があるのは管理型の処分場。周囲に敷設する道路や水処理施設とい

ったインフラへの設備投資と認可取得までの年数の2点さえクリアすれば、収益度は高

い。

「たとえば、既に動いている北陸環境サービスの営業利益率は、35%後半~40%くらいです。現段階では準備会社の門前クリーンパークに関しては、最終的な処分量は343万㎥となり、計画では47年間処分場として使える計算です」(阿部光男社長)


来年2カ所で新たに発電事業を展開


 建設系廃棄物処理の分野は、現在オリンピック関連需要が完工期を迎えようかという段

階。目下、首都高速や地下鉄の再開発関連事業も引き続き底堅い推移が見込まれる。

 しかしその一方で懸念されるのがその将来性だ。中間処理場はいずれ処理量が限界に

達する上、建設市場はゼネコンの受注に大きく左右される。そこで同社が近年注力してい

るのが非廃棄物処理、特に、再生可能エネルギーの分野である。

 同社では子会社を通じ、バイオマス発電や、発電用燃料の製造、電力の販売を行って

いる。今後は「この再生可能エネルギー事業を中心に収益の多角化を図っていきたい」

(同氏)考えだ。既に、2015年に津軽、2017年に花巻、そして今年に入り大仙と、東北地方でバイオマス発電事業を開始。その後も、横須賀、田村の2つが控えている。


19 年2月から営業運転を開始した 大仙バイオマスエナジー協和発電所

「今後は、5カ所で年間100億円の売上を見込んでいます」(同氏)

 東北のバイオマス発電では、間伐材や松くい虫被害木などを集めた後にチップ化して燃

料とし、発電してきた。「電力の小売りは、地産地消という形で小売り会社を作って行っています。地元の市町村に出資をしていただいているので、小・中学校や給食センター、図書館、それに生協組合の方等に電力をお買い上げいただいています」(同氏)


上空から見た北陸環境サービス新処分場

 同時に、バイオマス発電によって出る余熱を利用したハウス栽培も行う。地元の休耕田を畑にしてほしいというニーズは多いといい、利益率はさほど高くないものの、地元の雇用にも貢献しているという。





今後は廃棄物再利用と発電事業に力注ぐ


 同社ではこれから、廃棄物リサイクルと発電事業の2点に注力していきたいと阿部社長は語る。「今処理している廃棄物の中で焼却に回っているものを、製品に変えていきたいのです。設備投資や人件費も必要ですが、今後たとえば1トン4万円の外部処理費用がゼロなり

有価になるのであれば、大きなコスト削減になると考えています」

 一例としては、今世間での注目度が高い廃プラスチックは、ビーズ状のペレットに再加工すべく、利用先について試行錯誤している段階。カーペットの再生も、現在既存の再生ラインを作り変えており、完成はまもなくだ。


 発電事業に関しては、横須賀の発電を都市型としてのひとつの試金石ととらえているという。これまで東北で行ってきたのは木質バイオマスで、山で伐採した木を燃料にするのに対し、横須賀では街路樹の剪定樹木や、前述の廃プラスチックを利用したRPF(固形燃料)も、発電のための燃料にしようとしている。発電事業は、設備投資が1カ所につき50億円程度かかる点と、送電網の容量がネックだが、剪定枝に関しては1トンあたり1万5000円の市町村からの処分費収入が見込め、燃料は実質無料。十分採算は合う計算だ。

横須賀バイオマスエナジーの全景

 現在の時価総額は約250億円と、2007年、マザーズに上場した当時と比べ、5倍に成長した。今後、安定した収益基盤である建設系廃棄物処理事業をベースとし、非建設系の分野での伸びが期待される。

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