テイクアンドギヴ・ニーズ【4331・プライム】ハウスウェディングで業界トップシェア ホテル事業と両輪で売上1000億円目指す


テイクアンドギヴ・ニーズはハウスウェディングやレストランウェディングなどの企画・運営を手掛けている企業。国内での挙式取扱組数と売上は首位だ。コロナの影響で2020年には海外ウェディング部門を他社に譲渡し、国内シェアのさらなる拡大へと注力。一方でホテル事業を全国に広げ、ウェディングと同規模の売上を目標としている。


 

岩瀬 賢治社長

プロフィール◉いわせ・けんじ

1967年生まれ、愛知県出身。90年名古屋観光ホテル入社。2002年テイクアンドギヴ・ニーズ入社。11年取締役ウェディング事業本部長。15年代表取締役社長(現任)。16年アンドカンパニー代表取締役社長(現任)。18年GENTLE代表取締役社長(現任)。





 

ハウスウェディングを全国展開

ハイクラスなホテル事業にも進出


 同社は、一軒家貸し切りで結婚式・披露宴を行う「ハウスウェディング」のパイオニアだ。現在、全国31都道府県に式場を61店舗展開。2021年3月期の売上高は200億4400万円(前期比68・5%減)となっている。

 従来の結婚式場では1日のうちに何度も結婚式・披露宴が行われるため、時間に追われ型にはまった式になりがちだった。同社は「一軒家貸し切り」「一顧客一担当制」の方式を採用し、オリジナルでアットホームな雰囲気の結婚式が可能なハウスウェディングのスタイルを創出。年間1万組強の挙式を取り扱うなど幅広く支持されている。

 同社は国内ウェディング企業で唯一カスタマーセンターを設置し、式の主催者やゲストなど年間約95万人へのアンケート調査を実施している。そのデータの蓄積を元に、他のレストランやホテルを会場とした結婚式のコンサルティング事業も展開中だ。19年には老舗ホテル東京會舘の婚礼部門と提携。式のコンセプト設計や商品開発、集客などを担当している。

「ウェディングマーケットを熟知している当社がコンサルすることで、集客と新規の契約が増えることが期待されています」(岩瀬賢治社長)

 第2の事業として同社が手がけるのがホテル事業で、ブティックホテルを展開する。ブティックホテルとは、独創的で店舗ごとに異なるコンセプトと高いクリエイティビティをセールスポイントに持つ、比較的高価格帯のホテルのこと。海外では人気が高まっているが、日本では同社が17年にオープンした「TRUNK(HOTEL)」が先駆け的存在。日本を訪れる外国人観光客を意識してラグジュアリーホテルを作る機運が高まっており、今後が有望視されている。 


対コロナでリーダー的立場に

海外ウェディング事業を売却


 同社は1998年に設立してレストラン提携型ハウスウェディング事業を開始、2001年には直営店型ハウスウェディング事業をスタートした。同年にはナスダック・ジャパン市場へ上場。07年には、人気が高まりつつあった海外リゾートウェディング事業にも参入。17年には直営ホテルTRUNK(HOTEL)をオープンした。同年には累計挙式数が20万組を超えている。

「ハウスウェディング式場は300~400坪の土地であれば建てられるので、物件が探しやすく投資額も従来より少なくて済む。また小さな店舗なので採用人数が少なく、出店地域で経験者を中途雇用することもできた。不動産と人員の手配がうまくいったことで成長できた。取引先にも恵まれ、一時期は2カ月に3店舗というスピードで出店していたこともありました」(同氏)

 だが20年に始まったコロナ禍で、業界全体が大きな打撃を受けた。同社は業界に先駆け、式延期による日程変更料やキャンセル料を無料とすることを発表。また感染防止のオペレーションでは同社が作ったマニュアルが全国の式場で採用され、感染拡大防止に役立った。

 同時に人材強化にも着手。コロナ禍でも若年層の社員に対する給与ベースアップや、社員全体の賞与評価見直しを行った。さらにオンライン研修コンテンツの拡充・強化などにより、コロナ以前よりも離職率が下がっているという。

 20年9月には、当時業界2位の地位にあった海外リゾートウェディング事業を他社に譲渡。苦渋の決断だった。

「渡航制限が長引くと予測し、それが現実となった。正しい決断だったと思います」(同氏)

 

コロナで気付いた3つの強み

5月に新中期経営計画を発表 


 今後は国内ウェディングとホテルの2事業に注力していく。国内ウェディングに関しては、衣裳、装花の内製化を拡大するととともに、さらなるシェア拡大につとめる。

 22年は婚姻組数がゆるやかに回復しているが、一方で寡占化が進み、事業譲渡を望む式場運営会社も増えている。案件によっては、同社が譲渡を引き受け事業を継続する。また、ホテルなどからの結婚式部門のコンサルや運営受託が増えている。これらを通じ、関わる結婚式のシェアを上げていく。

「当社は全国の式場運営会社の中でも組織力が高く、データによるマーケティングと、それに伴うマーチャンダイジングで良い商品を作っていくこと、そして人を採用して教育していくという3つの機能が優れている。この強みを生かし、事業譲渡やコンサルの案件を進めていきたい」(同氏)

 ホテル事業も積極的に拡大していく。今後は、高い評価を得ているTRUNK(HOTEL)の運営を通じて得たノウハウを生かし、店舗数を増加させていくという。

「当社は海外のラグジュアリーホテルと同じく、運営受託によって参入していく。TRUNK(HOTEL)のようにコンセプトをきちんと作り、それがデザインにも、サービスにも反映されていくホテルを日本に増やしていきます」

 同社では18年に、年間売上高1000億円という目標を掲げた。その目標に向かい、ホテル事業をウェディング事業と同じ規模にまで引き上げていく。

「5月の22年3月期決算発表と合わせて、30年までの中期経営計画を発表します」(同氏)



▲一軒家貸し切りの「ハウスウェディング」が同社の特徴



▲欧米で人気が高まる「ブティックホテル」を日本でも広げていく


 

2021年3月期 連結業績

売上高

200億4400万円

前期比 68.5%減

営業利益

△111億9100万円

経常利益

△116億8700万円

当期純利益

△162億1400万円


2022年3月期 連結業績予想

売上高

390億円

前期比 94.6%増

営業利益

20億円

経常利益

14億5000万円

当期純利益

10億円

※株主手帳6月号発売日時点