• 株主手帳編集部

トーセイ【8923・東1】中古マンション・オフィス改修注力売買利益と管理利益を半々へ

不動産開発や管理、賃貸などの事業の総合不動産業のトーセイ

(8923)では、近年、中古マンション・オフィスの改修、コンバージョ

ンに注力している。昨年からはホテル事業も開始。各事業のバランス

をとり、安定した発展を目指す取り組みを目指す。




平野 昇 取締役専務執行役員 管理部門統括

◎プロフィール ひらの・のぼる

1982年4月国分株式会社入社。1991年4月東誠商事株式会社入社。2006年トーセイ株式会社取締役専務執行役員管理部門統括(現任)。2013年トーセイ・リバイバル・インベストメント株式会社取締役(現任)、トーセイ・コミュニティ株式会社取締役(現任)、2016年トーセイ・アセット・アド

バイザーズ株式会社取締役(現任)。





中小規模オフィス需要を見込み強化


トーセイは、マンション分譲事業からスタートした総合不動産会社だ。1994年に現社長の山口誠一郎氏が就任。2004年にJASDAQ証券取引所に上場、2011年に東証一部に上場した。

 主に不動産流動化がメインで、一都三県に絞りオフィスなどの収益不動産を中心に、一棟丸ごとリノベーションなどを手がける。また、オフィスのみならずマンションや戸建ても開発する。

 手がける物件も販売先も幅広いのが強みだ。「私どもは100億円を超えるオフィスやホテル、物流倉庫から、3000万円の居住用戸建てまで手がけています。販売対象も投資家から個人、一般法人とあります」

(平野昇取締役)


 そんな中、今一番力を入れるのが、バブル期に建設された築20年から30年以内の中小規模オフィス改修。実は、都内の事務所の95%強が従業員50人未満。延床にして、300から5000坪ほどだ。だが、23区内で中小規模の新規供給は少ない。そこで同社は目をつけた。

 中小規模のオフィスを求める会社は、バブル以降の中古へ流れる。しかも新耐震基準以降なので躯体も良く、中古でも好まれる。ただ外装は古く、中身はセキュリティーや省エネの観点から劣っている。

「そこを私達の経験とノウハウを生かし、競争力のない物件を蘇らせることで、価値をつけます。中小規模オフィスなら1棟5〜7億円。個人資産家には運用商品の意味があります」

 同社は仕入れのほとんどを業者から仲介で仕入れる。信託銀行系の不動産会社や大手仲介、個人経営の不動産会社からも仕入れる。「購入時にどう直すかを考えています。再生ノウハウがあるので仲介会社との長い取引につながり、B to Bで認知度が広がります」



ホテルへコンバージョン開始

「将来的に10棟運営目指す」

 

 昨年からは、不動産流動化事業の1つとしてホテルリノベーション、運営をスタートした。そのひとつが、上野の築10年ほどのオフィスビルをホテルへコンバージョンした「TOSEI HOTEL COCONE(トーセイホテルココネ)上野」。全123室で、元はある事業の本社だった。その会社が本社を移転後に空きビルとなったため、同社が30億円で購入した。改修費は7億円かかったが、事業収益はコンバージョンの方が高くなる。 

 新規開発だと用地仕入れと合わせて既存解体費や新築建築費などで18億円かかる。年間純利益は2億円と同じ中で初期投資に11億円の差が出るので、投資利回りは改修だと64%、新築なら4・7%と1・7%の差が出、建設改修期間も3分の1で済む。中古コンバージョンなら、高利回りかつ短期で運用開始できる好物件になる。

 ただし、オフィスから住居にコンバージョンする際には、避難経路の確保や採光の二方向確保など法的規制も多い。同社の強みはまさにそこにあるという。「私どもは、ソフトとハードでノウハウがあります。リノベでバリューアップさせ、いずれホテルを10棟扱いたいです」



リーマン・ショックの反省生かし

管理増やして安定化図る


 また同社が目指すのが、粗利益ベースでの売上高の安定だ。現在、売上高粗利益の約6割が不動産売買、4割が管理収入。「リーマン・ショック前に外資系マネーがファンドにきたが、その後の不景気で一気に減り、利益も当然落ちた。そこで、粗利益のバランスを取ることを意識するようになりました」


 同社は18年11月期で売上高615億円(前年同期比6・6%)、営業利益108億円(同10・6%)と増収増益を達成。今期は売上高715億円、営業利益121億円、20年度には売上高1000億円、そして売上の粗利益237億円(目標)のうち売買事業と安定事業である管理収入で半分ずつを目指す。


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