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トーホー【8142・プライム】業務用食品卸で国内トップシェア企業変革進め収益力が大幅改善


 トーホーは、飲食店やホテルなどに向けた業務用食品卸の国内最大手だ。2024年1月期第2四半期は、売上高・利益ともに上期の創業来最高を更新。同社では、コロナ禍から脱し個人消費回復・インバウンド需要増が増収に繋がった。加えて、22年よりスタートした中期経営計画「SHIFT UP 2023」の重点施策である徹底したコストコントロールが奏功し、大幅増益を達成。同中計の最終年度である今期業績は売上高・利益ともに過去最高を見通す。


 
古賀 裕之 社長

Profile◉こが・ひろゆき

1957年5月生まれ、福岡県出身。76年、県立粕屋(現福岡魁誠)高校を卒業後、東蜂産業(現トーホー)入社。2008年執行役員ディストリビューター事業部四国地区担当兼中国地区統括支店長兼広島支店長。11年トーホー・群馬代表取締役社長、15年昭和食品代表取締役社長・トーホー・北関東代表取締役社長を経て、17年トーホー代表取締役社長に就任(現任)。





 

売上の7割が外食産業向け

「食品スーパー事業」は撤退へ


 トーホーの中枢事業は、売上の70・5%を構成するディストリビューター(業務用食品卸売、以下DTB)事業だ。国内全域と海外で、飲食店やホテル、テーマパークや病院など、外食産業全般に食品を卸しており、全国シェアは業界トップの座にある。

 売上の17・3%を占めるキャッシュアンドキャリー(業務用食品現金卸売、以下C&C)事業では、業務用食品に特化した専門店を展開する。業者の売上が大きく、約7割を占めるが、一般客も購入可能だ。

 フードソリューション事業は売上の5・6%を構成する。相対的に粗利率が高く、同社の利益率を下支えする事業だ。外食産業の業務効率化に寄与する情報システムサービスの開発、飲食店の店舗内装設計などの不動産・建築、業務用調理機器の輸入・製造・販売、食品企業向け品質管理サービスの提供など、コア事業を補完する。

「業務用卸の競合で、フードソリューション事業まで自社内で手掛ける企業はなく、外食産業へのトータルサポート力が当社の強みとなっています」(古賀裕之社長)

 一方で、一般向けに「トーホーストア」を展開する食品スーパー事業は、長らく赤字が続いているが、同業のバローグループへ一部事業の譲渡が決定した。残る事業は廃止する計画で、25年11月末を目処に完了を予定しており、経営資源を集中させる。


2Qは196%営業増益

通期は過去最高業績へ


 21年1月期、コロナ禍で上場来初めて営業赤字となった同社だが、回復を遂げ業績は好調だ。24年1月期第2四半期の売上高は1190億2800万円(前年同期比18・6%増)、営業利益は36億8200万円(同196・7%増)と、ともに上期過去最高を更新した。飲食店・観光業への人流回復が寄与し、販売増に繋がった。また第8次中期経営計画「SHIFT UP 2023」(22年~24年1月期)のもと、既存事業の収益力向上と徹底したコストコントロールを実施。大幅増益に繋げた。通期も売上・利益ともに過去最高を見通す。

「コロナ禍以降、さまざまな施策で筋肉質な企業体質を作ってきました。コストコントロール策で一番効果を発揮したのは、C&C事業の販促活動をはがきDMからアプリに転換し、郵送・印刷・デザイン費を削減したこと。他にも全国約250拠点の社員が集まっていた会議のオンライン化や、固定費の削減として配送車両の1割減や拠点の統廃合を推進しました。また取扱商品のPB(プライベートブランド)構成比は、ここ10年8%台で推移していましたが、当第2四半期は9・53%になり、増益に貢献しています」(同氏)

 結果、販管費率はコロナ前18・5%に比べ、現在は17・3%に減少。長年1%前後だった営業利益率も、今期は2・7%を見通している。同社では今後もこの水準を維持・向上していく考えだ。





業務用食品現金卸売店「A-プライス」の外観






                       ▲自社製品「tohocoffee」

 


1947年流通業からスタート

M&Aで関東・海外へ進出

 

 同社の創業は1947年。食品全般の流通業から始まり、コーヒー豆の自社焙煎を機に外食産業への食品卸に本格参入した。また、九州及び神戸で一般向け食品スーパー事業を開始。二軸で展開していたが、外食産業が全国的に普及したことで、卸売が一気に伸長した。87年には飲食店向け業務用食品専門店を業界に先駆けて出店した。

 分岐点は2008年。事業の選択と集中で、持株会社制へ移行し、卸売・小売・その他で分社化した。卸売において西日本で地位を盤石にしてきた同社だが、この頃からは積極的なM&Aを行い、関東中心に拠点を拡大。15年間で国内25社がグループ入りした。また15年に海外へ初進出。以降11社をM&Aし、シンガポール・マレーシア・香港で日本食レストランへの食品卸を行っている。



過去最高70円配当計画

新中計は来期に発表予定

 

 今期が現行の中計最終年度である同社では、新中計の発表を控えている。来期以降もコア事業の強化を継続していく。主力のDTB事業とC&C事業では、関東、関西、海外での更なるシェア拡大を目指す。

「九州では18・7%のシェアを獲得していますが、国内外食市場の約半分を占める関東圏は3・3%に留まっています。M&Aを含めて引き続き拡大に注力していきます。またコロナ禍で外食産業がダメージを受けてから、有事でも需要減少が無い病院や高齢者施設への販売を拡大しています。PB(プライベートブランド)に関しては23年3月に新設した商品開発部を中心に、まずは売上構成比10%、続いて15%の達成を目指したい。また海外も進出から8年で初めて売上高100億円を突破しましたので、今後150億円・200億円を目指します。物流24年問題に関して、まずはM&Aにより事業所が増えた関東地区での、物流戦略の構築を急ぎたいです」(同氏)

 C&C事業では、コロナ禍でストップしていた出店を3年ぶりに再開し、94店舗となった。今後は100店舗を目指す。また、23年秋には長崎県の五島にFC2号店を出店した。新たな成長の柱としてFC事業の育成も推進していく。

 フードソリューション事業では、人手不足が深刻になっている外食産業に対し、調理の省力化を図る高性能業務用調理機器や業務支援システムの販売を強化する。

「グループシナジーを活かしたトータルサポート力を強化し、『飲食業をやるならトーホーは外せない』という会社になりたい」(同氏)

 同社では3期連続の増配を予定。前期配当は35円だったが、今期は過去最高の70円を予定する。



 

2023年1月期 連結業績

売上高

2,155億7,200万円

14.3%増

営業利益

36億4,900万円

黒転

経常利益

38億7,700万円

21.8倍

当期純利益

10億600万円

200.0%増


2024年1月期 連結業績予想

売上高

2,390億円

10.9%増

営業利益

65億円

78.1%増

経常利益

65億円

67.6%増

当期純利益

29億円

188.1%増


※株主手帳24年1月号発売日時点




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