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ハウスコム【3275・東1】7期連続の増収増益を見込む不動産賃貸仲介から不動産テック、リフォーム事業で伸長

 ハウスコム(3275)は、不動産賃貸仲介と仲介関連サービスを主軸に展開。新規出

店が続く実店舗と、AI・ITを活用した不動産テックによる“リアルとテクノロジーの融

合”で事業を拡大している。5年前に参入したリフォーム事業も好調で、6期連続の増収増益を達成した。8月30日、東証二部から77日間で一部に昇格した。



◎プロフィール たむら・けい

1965年東京都出身。94年ハウスコム(現ジューシィ情報センター)入社。2003年、現ハウスコムに転籍。05年取締役西日本営業部長などを経て14年3月代表取締役社長に就任。18年4月代表取締役社長執

行役員(現任)。





直営店舗の出店で売上、収益を拡大


同社は、大東建託の子会社として不動産賃貸仲介業から始まり、その関連サービス、リフォーム事業などと住まいに関わる領域事業を拡大して来た。2019年3月期の売上高は前年同期比7・2%増の116億円、営業利益は同6・2%増のグループの大東建託の物件は18

%程度。8割以上は地域の不動産会社や地場のオーナーの物件を対象としている。店11億4300万円、経常利益は同1・6%増の13億4900万円。6期連続の増収増益で、自己資本比率は63・8%と高い。

 主力の不動産賃貸仲介は年間7万6000件を扱うが、舗は直営にこだわり、FCは社員OBがオーナーの1店舗のみ。人の流動性の高い関東から沖縄エリアで展開する181店舗はすべて直営だ。今後3年間で36店舗の新規出店を計画している。

「競争力を強化する出店戦略で、店舗数が増えれば、売上、利益とも伸びています。同時に収益構造の多様化を進めており、新規事業が立ちあがっていけば、それがプラスで乗ってくるかたちです」(田村 穂社長)

 2011年6月に大阪JASDAQ市場に上場。2019年6月14日には東証二部に市場変更し、さらに8月30日、わずか77日間で一部に承認された。

「JASDAQから東証二部への市場変更では、時間をかけて準備をしてきました。そのため二部に市場替えしたときは、一部の基準でも株主数が足りないだけの状態でした。その後、全ての基準をクリアし、一部へ申請しました」(同氏)。


入居者が退出しないリフォーム提案 


事業別では、賃貸物件を紹介し成約時に不動産仲介手数料を得る『不動産賃貸仲介事業』が売上高の約45%を占めている。続いて、広告代理店手数料やサニタリーサービスなどの『仲介関連サービス事業』が約41%、そのうち5年前から新規参入した『リフォーム事業』が8%相当を占めて伸長している。

 リフォーム事業は、仲介店舗との併設も含め7営業所で展開し、前期は前年同期比77・2%増の9億2300万円と大きく伸長した。

 同社は、居住者の利便性を上げて空き室を作らないリフォームを、物件のオーナーに直接提案している。対象は、エアコンやシャワーヘッド、水道のパッキンなどの商材交換から共用部分のセキュリティ対策、500万、600万円する外壁塗装などさまざまだ。

「管理会社が行うようなメンテナンスではなく、例えば、入居中にシャワーヘッドをよいものに替えたりするなど、退出されないリフォームを提案しています。今はオーナーさんも、満室状態を維持したいという危機感の強い方が多いので、ご理解いただけます」(同氏)

 2019年7月には、埼玉県で住宅・店舗のリニューアル工事を行うエスケイビル建材を子会社化した。

「まずは年商6・6億円の会社を買収しましたので、それに近い売上が加わってくると思います。また当社は建設業の免許がなく、500万円以上の工事受注は直接できない規制があったのですが、それがグループ内で対応できるようになったのは大きいです」(同氏)



LINEで店舗とやりとりできる マイボックス

テクノロジーで業界業務を変革今後は、国内中小規模の不動産会社向けに、業務効率化サービスを提供していく。アナログな不動産業で、同社はAIを使ったチャットや検索サービス、IT重説、オンライン内見など、不動産テックを積極的に導入している。2019年5月には、ポータルサイトを運営するジューシィ出版を買収。ハウスコムテクノロジーズに商号変更し、プラットフォームサービスやビックデータ解析ほか、テクノロジー領域の事業拡大を図っている。



大森店外観

「地場の不動産屋さんは、有形無形の築き上げた強みがありますから、競合しようとは思っていません。ただ、そのバックヤードとなる業務は大量の紙を使ったり、図面を長い時間をかけて作成したりと、効率化が進んでいません。当社が持つテクノロジーをご提供すれば、利用者の利便性も上がっていきますし、5年後、10年後、業界は大きく変わっていくのではないかと思っています」(同氏)