• 株主手帳編集部

ハウスドゥ【3457・東1】不動産FC店全国で670店舗展開 IT駆使し金融事業にも参入

 総合不動産業のハウスドゥ(3457)は、「ハウスドゥ!」ブランドのフランチャイズチェーン(FC)を展開。コロナ下で売上減の不動産FCも多い中、同社は昨年比で不動産売買取引数を伸ばしている。加盟店は20年12月末で674店、47都道府県全てで加盟店契約を達成した。2015年からは不動産取引のデータベースを活用した金融業にも参入している。

安藤 正弘 社長

Profile◉あんどう・まさひろ

1965年6月京都市生まれ。85年、戸田建設

入社。91年に不動産仲介業で創業し、2009年、現在のハウスドゥを設立。先行して06年から展開する不動産売買仲介の「ハウスドゥ」は現在669店。16年、代表取締役社長CEOに就任(現任)。








コロナ下でも売買仲介は盛況

低金利も好調な要因


 同社が展開するフランチャイズブランド「ハウスドゥ!」は、不動産売買・仲介・リフォームからハウス・リースバック、リバースモーゲージなど不動産金融を含む幅広いサービスをワンストップで提供している。

 コロナ下においても不動産仲介などの業績は好調で、2021年6月期第1四半期では、売上高が前年同期比24・1%増の75億2300万円、売上総利益同11%増の27億5500万円、営業利益同741%増3億1500万円と好調に推移している。緊急事態宣言下で休業する同業他社も多いなか、同社の直営店では昨年比で見ても客足が全く落ちなかったことから、全店で営業を続けたことが奏功した。3~4月にかけては不動産の仕入れも積極的に行い、30~70億円かけて物件数を増やしている。

「不動産業は自粛対象ではなかったので、通常より広告を増やし、逆に“攻めた”結果、当社にお客様が集中したようです。家が欲しいという人は潜在的にいつでもいるものです。日頃忙しくて家探しできなかったのでじっくり探せて良かったというお客様の声も聞きました。また低金利も売り上げが好調だった要因の一つです。今後も低金利が続く限り、家はまだまだ売れると思います」(安藤正弘社長)

 現在のチェーン店舗数はオープン準備中も含め670店舗(20年11月末現在)。月10店ペースでネットワークを拡大し、47都道府県すべてで加盟店契約を達成した。不動産仲介売買のフランチャイズでは最大級の規模を誇る。

 中小企業の課題であるブランド力や差別化されたサービス商品の開発力、デジタル化への対応などに限界を感じてフランチャイズを利用するケースも多い。実際契約者を業種別で見ると、建築・リフォーム業など不動産業関連が最近、2割から4割近くまで増加している。

 不動産仲介業からスタートした同社の大きな強みが、日本全国の加盟店舗で入力したすべての不動産取引実績の情報を本社で集計・データ化していることだ。これはアメリカの不動産情報プラットフォームMLSにヒントを得たものだという。

「アメリカでは不動産業者は皆MLSに情報入力をしています。私はアメリカ視察の際にこれを目にして、こうした地元の生の情報を集めたプラットフォームは当社にとっても必要だと確信しました。FC化とともにデータを集められたら良いなと思い、創業時は手作業でやっていました。今、このような膨大な不動産のデータベースを持っているのは日本でも唯一、当社だけだと思います」(同氏)


土地査定力とデータで

保証業務に参入


 このデータベースを活用し、同社は近年、ハウス・リースバック、さらには金融機関と連携した不動産金融業に注力している。

 13年にスタートした「ハウス・リースバック」では、高齢者の所有する不動産物件を同社が買い取り、売主はリース契約により賃料を払いながら、一生住み続けられるというサービスを打ち出した。21年6月期通期の売上高は前期比約7%増の約150億円を見込んでいる。

 さらに16年には不動産担保ローン、翌年にはリバースモーゲージの分野にも進出した。これらのサービスでは同社は物件の査定・保証を行い、貸付は銀行・信金が行う。リバースモーゲージとは、高齢者が持ち家を担保に老後の資金の貸し付けを受けられる制度だ。

「総量規制があり、我々ノンバンクは一般の方には与信できませんが、長年培った不動産の査定力とデータベースで金融機関ができない保証業務を行うことで、一般の方々が金融機関でお金を借りられます。日本の高齢者は、不動産はあっても現金のない方がたくさんおられるので、銀行の資産を活用して貢献していきたい。ある程度のデータがないと参入は難しいですから、非常に優位性があると思っています」(同氏)

 現在、リバースモーゲージを長年積極的に取り扱っている東京スター銀行をはじめ、地方銀行・信用金庫など21の金融機関と提携。開始から約3年で累計契約件数が400件を突破している。


2025年にFC1000店

ファイナンス領域にも拡大


 同社は25年までにFC1000店目標としている。「レントドゥ」「住宅情報モール」など業態に応じたブランドを展開するため、全ブランドの加盟店数は将来、1200~1300店を見込んでいる。

 また、リバースモーゲージを含む不動産金融業を次の事業の柱としてより拡大していきたいという。

「5~10年後くらいで、提携する金融機関を大幅に増やしていけたらと思っています。またテクノロジーを活用し、すべての不動産担保の枠をとって、オンラインでお客様が自由にお金を借りられる時代を作りたい。人を介さず、たとえば5000万円の不動産で3000万円まで出し入れ自由、そして借りた日数分だけ金利が発生するという仕組みです。同社は各店舗の担当者が入力したデータベースを元にマネタイズしていますので、加盟店の皆様にはできるだけ良いサービスを提供していきたいと思っています」(同氏)


新たな店舗のイメージ。不動産テック事業の推進のため、2021年よりブランドイメージやロゴを刷新する(写真はイメージ)