• 株主手帳編集部

バルテス【4442・マザ】中立的な第三者としてシステムを検証するプロ集団7年後の設立20周年に、売上100億円を目指す

金融から自動車、医療とあらゆるものがプログラムで動く今、システムのミスやエラーは致命的なダメージとなる。バルテスは、システム開発のテスト工程を第三者として請け負い、検査する専門会社だ。中立的な立場で高スキルな検証サービスを提供し、事業を伸長。国内、海外市場でのシェア拡大を目指している



田中真史社長

プロフィール:たなか・しんじ

1962年3月生まれ。高校卒業後、ソフトウェアエンジニアとしてソフトハウスに就職し、4年間、SE/PGとして従事。その後フリーのエンジニアとして活動し、1990年にソフト開発会社を設立、代表取締役に就任する。約15年間経営の後、後身に事業譲渡。ソフトウェアテストのプロ集団の必要性を実感し、2004年4月にバルテスを設立、代表取締役社長に就任(現任)。



ソフトウェアテストを目的に専門会社を起業


同社は、製品の不具合などを第三者として見つけ出し、ソフトウェアの品質向上を目指す、テスト業務のアウトソーシングサービス会社として設立した。そのきっかけは、田中真史社長がソフトウェア開発会社を経営していた際、自社で開発、品質検証する工程に問題を感じていたことによる。

「開発会社のエンジニアは、開発の技術は懸命に勉強するのですが、テスト業務となるとなかなか身が入らないのですね。品質の向上には、テストの重要性を理解するエンジニアのプロ集団を作らなければならないと、それまでの会社を後輩に

委ね、2004年に当社を立ち上げました」(田中社長)

 設立時は田中社長と役員1人、エンジニアは0人。人の採用・育成を一から始め、現在、社員は連結で423名、そのうち総エンジニアは370名に上る(2019年3月末、契約社員含む)。顧客数は累計600社以上、年間約1200以上のプロジェクトを扱っている。2019年5月、東京証券取引所マザーズに上場した。ソフトウェア市場は年々伸長し、2017年の国内の市場規模は約15・5兆円といわれる。そのうちテスト工程の比率は3割超を占めるが、日本では開発者が行う〝自社検証〞がほとんどで、他に依頼する〝第三

者検証〞はまだ少ない。

「テストを外部委託するケースは全体の2〜3%程度です。しかし近年、第三者にテストを任せた方が品質の安全性・信頼性が担保されることが認められてきました。ソフトウェアテストの国内の潜在市場は約5・5兆円といわれますので、今後のポテンシャルは大きいと思います」(同氏)


日本で唯一、世界で8社に認められた技術力


ソフトウェアテスト市場は、大きく業務の基幹システムなどの〈エンタープライズ系〉、家電製品などを制御する〈組込み系〉、ECサイトやモバイルアプリなどの〈WEB/スマホ系〉、ゲームやパチスロといった〈エンターテインメント系〉の4つに分かれる。日本でテスト業務を扱う会社は数十社といわれるが、同社の強みは、参入障壁の低い〈エンターテインメント系〉以外の3分野のサービスを提供できることだ。

「当社のように、万遍なく分野を扱えるところはほかにありません。最近の複合的なシステムでは、広い知見が必要ですので、多方面の業界からの依頼が増えています」(同氏)

 また最先端のIT業界では、高技能のエンジニアをいかに多く揃えるかが売上に直結する。同社は独自の教育研修で社員の即戦力化を図るほか、資格取得に力を入れている。入社2年目以降の正社員の約92%は、日本のソフトウェアテスト技術者資格JSTQB※1を保有。また国際的な技術者資格認定組織ISTQB※2のパートナープログラムで、同社は最高位ランクの『Global Partner』に認定された。

「当社は、日本では唯一、世界でも8社だけという、テスト技術の向上に取り組んでいる会社や組織として『Global Partner』に認定されました」(同氏)


海外市場のシェアを狙う


売上高の9割を占めるソフトウェアのテストサービス事業のほか、子会社バルテス・モバイルテクノロジー社が、Web/モバイルアプリ開発サービス事業を、同VALTESAdvanced Technology, Inc.が、日系企業向けにフィリピンでサービスを提供するオフショアサービス事業を担っている。

 海外のソフトウェアテスト市場は約40兆円といわれる。例えば、第三者テスト会社で始まった米国のコグニザント社は、開発やAIなどに事業を拡大。161億ドル超(約1兆7428億円)売上高を誇っている。

「コグニザント社は、テストエンジニア4万人を擁し、今もテストで最大の企業です。本社はアメリカですが、開発拠点をインドに置いています。当社は、英語圏で若い人材が多いフィリピンに拠点を設けました。海外市場も狙っていきたいと思っています」(同氏)

 2019年3月期の連結売上高は、前期比33・4%増の32億7900万円、営業利益は同358・5%増の1億8800万円、経常利益は同456・7%増の1億8700万円。今期も2ケタ増収増益を見込んでいる。

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