• 株主手帳編集部

ビーロット【3452・東1】不動産投資中心に売上高300億円目前 REIT進出し法人2023年上場を目指す

 不動産投資開発事業や不動産マネジメントコンサルティング事業を展開しているビーロット(3452)は、2021年12月期から2023年12月期までの3カ年を期間とする「中期経営計画with100年構想」をスタートさせた。2023年12月期には売上高297億円、経常利益36億円、純利益24億円を目指す。2020年12月期の連結業績予想はコロナ禍の影響もあり、売上高266億9800万円、営業利益16億9000万円だが、新たにREITの組成など次なる成長戦略を描く。

宮内 誠社長

プロフィール◉みやうち・まこと

1969年2月生まれ。1995年三和銀行(現:三菱UFJ銀行)入行。2000年三和証券(現:三菱UFJモルガンスタンレー証券)出向。2006年サンフロンティア不動産に入社し、同年投資企画部長に就任。2008年ビーロット設立し、代表取締役社長に就任。現在に至る。






2023年までの中期経営計画

収益構造転換で長期安定成長へ


 同社は「中期経営計画with100年構想」として3カ年の成長イメージを発表した。この間、「既存ビジネスの深耕」、「B│LOT REIT IPO」、「コンサルティング・マネジメントの安定収益20%成長」、「次世代リーダー育成」、「パートナー企業増」、「安定した財務基盤確立のための自己資本率25%超」を推進していく。

 同社の事業セグメントは不動産投資開発事業、不動産コンサルティング事業、不動産マネジメント事業の3つ。2019年の売上高の内訳はそれぞれ64%、16%、19%。「中

期経営計画では、この収益構造を50%、22%、28%までに持っていき、長期安定成長を図っていく」(宮内誠社長)

 成長戦略の一つとして期待されているのが、昨年11月に本格的に始動したビーロットリート投資法人によるREIT事業だ。同社は資産規模130億円超の私募REITを組成、第一号物件として大阪府吹田市にあるビーロット江坂ビルを組込み、ビーロット・アセットマネジメントが運用を担う。

「当社グループの不動産関連ノウハウを生かして、オフィス・商業施設、マンションを主な投資対象として、統合型REITを目指していきます。中期経営計画終了年度の2023年までには、資産規模500億円まで伸ばして市場動向を見極めつつ上場させるのが目標です。将来的には運用投資残2000億円まで拡大していきたいと考えています」(同氏)

 今回の中期経営計画は、「with100年構想」と名付けたように、利益の追求と長期継続的な成長を目指していく。REITを中心に、小口化、リースなどのファイナンス領域にも力を入れる。これにより、従来のアセット事業・サービス事業を加えて、不動産投資家に対するトータルマネジメントを提供する。


既存ビルの再生事業が好調

若手含めた「投資会議」強み


 同社のメインを占める不動産投資開発事業は、既存物件の再生を得意としている。オフィスビルをコンバージョンしてホテルに改修するなど、「立地や投資家の要望に合わせて、不動産の価値を最大化して売却するのです」(同氏)

 手掛ける物件は様々で、既存、新築問わずにマンション、ホテルからオフィスビル、店

舗、複合施設まで「特にポートフォリオは決めずに手掛けています」(同氏)

 中規模の物件に特化しているのが特徴で、売却価格1億円から30億円の投資用不動産を主に取扱う。不動産を適正な価格で安定的に供給するためには綿密な情報収集と、物

件の選定が大きなカギとなる。


 同社は国内では東京・札幌・名古屋・大阪・福岡に拠点を持ち、各地の不動産マーケット情報を収集する。増え続ける海外投資家の要望に応えるために2016年には、シンガポールにも現地法人を立ち上げた。

「全国に拠点を持つことで、例えば『地震が怖いので東京以外に投資したい』といった様々な投資家の要望に対応することができます。北海道に情報網を持っていることで、『ニセコの物件に投資したい』といった声にもお答えすることができます。当社の顧客投資家は世界的に広がっている。彼らが日本で不動産投資をする場合には、どのような案件に対しても優良な物件を提供できる体制を整えてきました」(同氏)

 不動産投資にあたり、同社は独特な選定方法を用いている。各拠点から持ち寄られる案件を定期的な投資会議によって精査していく。「全国から約50名が参加します。案件は1カ月で10〜15件程起業されるが、実行するのはそのうちの半分程度。案件ごとに当事者以外からの意見を集約し、どのような方向性にするのか決めていくのです」(同氏)

 投資会議には役員クラスだけでなく、若手社員も参加する。現場の人間が持ってくる生の情報は不動産価値を算出するうえで重要度が高いからだ。

「結局、不動産業は人対人の商売です。AIが算出できるものではない。仮にAIが賃料10万円と算出したとしても、もともとの賃料が7万円だったならばテナントは入らないでしょう。現場に精通している人間だからこそ、適正な値付けや情報収集が可能になる」(同氏)

 また、保有物件は必ず長期の借り入れによってリスクヘッジする。例え不動産市況が下落した場合でも、物件を現金化することなく、経営を安定継続させることが可能になる。保有物件の収益を安定させ、時期を待って売却する。同社が成長してきた要因の一つだ。


チャレンジできる人材育成注力

「人対人」のビジネスを追求する


 同社は積極的なM&Aにより、新たにグループに加わったスタッフの戦力化や蓄積したノウハウを活用しながら成長してきた。社長以下、不動産ビジネスの知識の高い人材が揃っているのが強みだ。しかし、今後さらなる成長のためには人材の育成は欠かせない。

「社員のモチベーションを上げ、いかにこの仕事を面白くできるかを考えていく必要性があります。投資会議に若手を入れているのも、多くの経験をしてもらいたいから。実際、ある社員はオフィスをカプセルホテルにする、といったアイデアを出してきました。現場を知り尽くし、柔軟な考えの若手ならではの案でした。私は不動産業は『人対人』のビジネスと考えている。このため、優秀な人材の育成は喫緊の課題だと考えています」

(同氏)

 今後は更に取引先の深耕を図りながら、安定と成長の両立に挑んでいく。