• 株主手帳編集部

ピアズ【7066・マザ】携帯販売コンサルサービスで急成長「組織の課題解決」を強みに異業種にも進出

携帯端末の高機能化が進み、販売する側に高い知識と接客レベルが求められるようになっている。その需要をつかみ、2005年の創業以来、全国の携帯販売店のスタッフに対する研修や店舗組織の活性化などを展開し、注目を集めているのがピアズだ。6月のマザーズ上場を第2創業期と位置づけ、これまで培ってきた組織づくりのノウハウをもとに他業種へも進出する。

プロフィール:くわの・たかし

1976年京都市生まれ。名古屋商科大学大学院修士号取得。学生時代から携帯電話販売の経験を積み、2005年ピアズ代表取締役社長就任(現任)。





通信キャリア本社から直請け

販売スタッフと店舗をコンサル


ピアズは創業以来、主にNTTドコモのキャリアショップ(通信キャリアのブランドを冠した販売店)へのコンサル活動を展開してきた。桑野社長が同社を起業した05年当時は、新機種が出るたびにゼロ円で購入できたため、携帯がどんどん売れて店舗に人手が足りなかった時代。同社の仕事は学生を集め、土日に店頭で販売できるように育成することだった。やがてスマートフォンが登場し、料金プランや使い方が複雑化していく中、同社はキャリアショップ向け販売コンサルをスタート。全国のキャリアショップに対してきめ細やかなコンサルティング事業を展開し、各店舗の売上を伸ばしてきた。

「当社の特徴は、川上にあたる通信キャリアの本社から依頼を受け、支社や販売代理店、そして川下の店頭スタッフまで、一気通貫にコンサルを行っていること。携帯ショップへの人材派遣や育成をやっている企業はたくさんありますが、通信キャリア本社から店頭まですべてを担当するのは当社だけです」(桑野隆司社長)


研修と人材派遣でショップ支援

Eラーニングでの教育にも対応


現在、同社の社員数はパート・アルバイト含め約140名。その約半数の70名ほどが全国のキャリアショップなどへのコンサルティング業務を行っている。

 携帯販売店では新たな収益を求め、携帯回線契約時に光回線やクレジットカードなど新たな商材を提案することも多くなってきた。また10月の電気通信事業法改正を受け、販売方法の変更、料金プランの消費者への詳細な説明など多くの問題に対応しなくてはならない。販売店を取り巻くさまざまな環境や制度の変化に対し、販売力向上コンサルや店舗組織マネジメントコンサルへの依頼が増えており、同社が大きな役割を果たしている。

「常に時代ごとの案件に対応している。今は総務省からの要望である待ち時間短縮など接客に関する改善が多いですね。ただ、販売店は契約した台数で手数料収益が決まるので、接客応対よりとにかく数を売りたい。そういったジレンマを含め我々が解決していきます。最近では働き方改革を背景に、店舗組織全体の運営に関するコンサルも展開しています」(同氏)

 携帯業界では慢性的な人手不足が続いているため、同社ではキャリアショップやセールスプロモーションへの人材派遣サービス、外国人人材の教育・派遣も行っている。また、これまで蓄積してきた販売スキルやノウハウを動画やアプリケーションで提供するサービスも展開中だ。


5G普及に向け新サービス展開

働き方改革の成功事例も広げる


6月の上場に際し、同社は3つの成長戦略を掲げている。一つは、これまで培ってきた通信業界の課題解決を価値とした事業を更に拡大させていく「既存事業・既存顧客」。 

 二つ目の成長戦略は、これまで携帯販売コンサルで培ってきた組織マネジメントのノウハウを他業界に対して提案し、新規顧客を開拓するという「既存事業・新規顧客」だ。携帯販売業では、離職率が高く採用が難しいという厳しい状況が続いている。その中にありながら、人材を確保しつつ収益性の高い店舗を作ってきたノウハウは他業界でも応用ができると考え、組織マネジメントのコンサルティング事業や、マネジメント支援ツールの提供を予定している。

 三つ目は、通信業界の新領域含め、新たな事業を踏み出す「新規事業」だ。通信ビジネスは以前と比較すると収益性が見込めなくなり、キャリア各社は新しいビジネスを打ち出している。また今後『5G(第5世代移動通信システム)』の登場で、スポーツや映画などエンタテイメントの表現力が大きく変わり、同時にキャッシュレス化やIoT化ビジネスも拡大していく。同社も通信業界の動きをいち早くキャッチアップして、時代に合ったビジネスの構築を目指す。

「当社の強みは、携帯ショップのような数十人規模の小さな組織をマネジメントして改善するノウハウを持っていること。また時短しながら業績を上げることにもチャレンジし、成功を収めてきました。それを他業種にも展開する。携帯業界で得た数々のヒントを元に、成功事例をさらに広げていくことが、我々の社会的な使命だと思っています」(同氏)

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