• 株主手帳編集部

ピックルスコーポレーション 【2925・東1】漬物の製造・販売で日本一 惣菜販売も拡大、第二の柱に

 ピックルスコーポレーションは「ご飯がススムキムチ」や浅漬けなど、漬物全般の製造・販売を展開する企業だ。21年2月期中間決算はコロナ下の巣ごもり需要で過去最高の売上高と利益を達成した。近年は成長市場である惣菜事業に進出、商品開発と販売拡大でさらなるシェアアップを図る。

宮本雅弘社長

Profile◉みやもと・まさひろ

1984年東海漬物入社。2002年ピックルスコーポレーション製造管理部長。05年常務取締役就任、製造管理部長兼開発室長。11年ピックルスコーポレーション札

幌代表取締役社長。13年代表取締役社長(現任)。17年フードレーベルセールス代表取締役就任(現任)。




メーカーと商社の2つの機能

「ご飯がススムキムチ」大ヒット


 同社の2020年2月期の売上高は414億円。漬物市場の中でシェア13.4%とトップを占めており、11」年2月期から10年連続の増収を続けている。2021年第2四半期の業績は、コロナによる外出自粛で家庭内での食事が増加したこともあり、売上高は215.4億円(前年同期比13.3%増)と過去最高となった。

 同社は漬物業界で唯一、製造、物流、開発、営業機能の全国ネットワークを構築している企業で、北海道から九州まで19事業所の事業所を展開。いずれも生産拠点であると同時に物流も兼ね備えた機能があるため、全国各地に幅広く商品を届けて販売することを可能にしている。

 同社の取扱商品は全国で2000種にも及ぶ。中でも最近の成長を牽引している商品が「ご飯がススムキムチ」だ。2009年に発売されたこの商品は、甘味と旨味を強調し、冷蔵庫に収まりやすい200gパッケージとしたことで幅広い層に購入されている。同商品の前期売上は約73億9500万円で、同社総売上の約2割を占める看板商品だ。

「2年に1度くらいテレビで取り上げられると販売量が増えて、少しずつ土台が上がっている。昨年4月にはテレビで紹介されたことで注文が昨年比で160%に増え、出荷制限することもありました」(宮本雅弘社長)

 もうひとつの柱として同社が力を入れるのが惣菜商品だ。日本の惣菜市場は1兆円を超

え、今後も拡大が確実。以前は漬物盛り合わせなどの漬物惣菜を扱っていたが、現在では生野菜サラダやナムルセットのような、調理済み素材の入った惣菜も販売し、好調に推移している。前期の惣菜売上は83億2100万円にのぼる。

「個食や高齢化の影響でスーパーの惣菜売り場はどんどん大きくなっている。現状では工場で作れる惣菜のみだが、今後は複雑な調理工程ができる工場も作り、惣菜事業の幅を広げていきたい」(同氏)









▲代表的な商品は「ご飯がススムキムチ」。以前はキムチを食べなかった若い層が購入したことでヒット商品に。



エビとブロッコリーのアヒージョ







キムチ鍋









▲市場が広がる総菜にも注力。今後は家飲みのつまみとなる総菜の開発にもチャレンジする。



セブンイレブン向けで成長

新工場とM&Aで西日本へ拡大


 同社は東海漬物の子会社として1977年に設立。パックに小分けした漬物を毎日納品するという、それまでにはなかった要望に対応するため、新たに設立された。同年12月にはコンビニのセブン─イレブン・ジャパンとの取引をスタート。82年には自社工場で浅漬け生産を開始し、セブンイレブンの店舗数拡大につれて業容を広げていった。

「当時はセブンイレブンさんがまだ400店舗くらい(20年11月末現在は2万1000店舗)。1パックという小単位での毎日納品は前例がなく、まさに劇的なことでした。その注文をこなす中で成長させてもらった」(同氏)

 92年にはスーパーとも取引を開始し、全国のスーパーや生協に商品を納入。2001年にはジャスダックに上場した。日本各地に工場を建設するとともに、03年からは地場の漬物会社をM&Aし、生産拠点と販路を次々と増やしていく。07年には「ご飯がススムキムチ」のヒットにより新規取引先がさらに拡大。現在では売上高に占めるコンビニの割合が15.9%、スーパーやドラッグストアなど量販店・問屋が74・9%となっている。

「西日本エリアは人口比率が約38%のところ、当社商品中の売上高割合は25%に過ぎず手薄なエリア。2017年には兵庫県の手柄食品の株式を取得し工場を改修、18年には佐賀に新工場を作ったことで地元スーパーへの供給が進み、売上が大きく伸びています。今後は売上高割合30%を目指し、西日本の販売拡大に注力していく」(同氏)



【販売エリア拡大生産体制】

これまで手薄だった西日本にも製造拠点を拡大



まずは業界シェア15%目指す

漬物テーマパークでも商品開発


 漬物市場は、90年代の5500億円から現在は約3000億円に縮小、2000社あった漬物メーカーは、現在は800社まで減少した。若年層のキムチや浅漬けの購入は増えつつあるが、一方で古漬けを好む高齢者の購入が減るため、全体のパイはまだ下がると考えられる。

「漬物市場の中でまずは15%のシェアを獲得したい。そして廃業を考えている漬物会社のM&Aなども展開し、シェア目標をさらに上げていく」(同氏)

 昨年秋には本社のある埼玉県・飯能市に漬物のテーマパーク「OH!!! 発酵、健康、食の魔法!!!」をオープン。高級漬物や乳酸菌商品などのEC販売もスタートした。

「テーマパークは、もともとインバウンドを視野に入れて作ったもの。将来的には海外客にも来てもらい、日本の発酵技術や伝統食品の評価されるポイントを見極めた上で、海外進出も考えている。また、これまでは漬物を中心に製造・販売してきたが、これからは持っている様々な施設を活かし、新しい製品を開発していきたい」(同氏)



















▲埼玉県飯能市の[OH!!!~発酵、健康、食の魔法!!!~]では発酵食品を使ったレストランやカフェを併設