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ピー・シー・エー【9629・東1】会計ソフトのクラウドサービス展開今期は特需により増収増益

 ピー・シー・エーは、中小・中堅企業の財務会計を中心に様々な基幹業務ソフトを提供する独立系のソフトウエアメーカーだ。競合に先駆けクラウドによる会計システムを展開。近年は他社製品との連携によるトータルソリューションにも注力する。消費税改正による特需により業績好調な同社の佐藤文昭社長に、特需後となる来期以降の戦略等について聞いた。



佐藤文昭社長

Profile●さとう・ふみあき

1963年7月10日生まれ。87

年中央大学法学部卒。2003

年近畿日本ツーリスト( 現

KNT-CTホールディングス)を

退社しピー・シー・エーに入社。

取締役、常務取締役管理本部

長などを経て17年取締役副社

長に就任。18年代表取締役社

長に就任(現任)。



公認会計士の有志が設立 基幹業務ソフトを独自開発


 ピー・シー・エーは、公認会計士の有志が集まって1980年に設立した会計ソフトの専業大手だ。企業内における業務をサポートする基幹業務システムのソフトウエアを独自開発し、中小・中堅企業などを対象にリーズナブルな価格で提供している。

 製品ラインアップは約16種類あり、主力の財務会計をはじめ給与、人事、販売管理、固定資産管理、医療法人向け、公益法人向けなどを、オンプレミスと呼ばれる従来型のパッケージソフトと、インターネットを経由してソフトを利用するクラウド型で販売・提供している。

 前社長の水谷学氏(現取締役相談役)が、クラウドサービスである「PCAクラウド」を業界に先駆けて2008年から展開を始めた。現在のユーザーは約1万2000法人を突破。このうち約6割の約7000法人が従来型のパッケージ版から移行したユーザーであり、残り約4割の約5000法人が新規ユーザーだ。

 クラウドユーザーの顧客層は、従業員数50~100人前後の法人が最も多く、一方、パッケージ版については従業員数30人以下の企業が6~7割を占めている。基本的な営業スタイルとしては、複写機メーカーやOA機器メーカーの販売会社などを代理店とする販売パートナー、また一部会計事務所を通して販売している。

「数ある競合の中で、クラウドですべての基幹業務の製品を揃えられるのが当社の圧倒的な強みです。今、中小企業のほとんどが基幹業務のパッケージソフトを導入済みですが、クラウドについては業界では私どもが先行しているので、クラウドを考えたときに他社から移行していただいているのが大きな優位性です」(佐藤文昭社長)


中堅企業向けの新商品「ハイパーシリーズ」発


同社の2019年3月期の業績は、売上高が前期比16・9%増の114億3900万円、営業利益が同54・7%増の12億4800万円の大幅増収増益を達成した。今年10月の消費税改正や20年1月のウインドウズ7のサポート終了等の特需効果が大きく、20年3月期も引き続き特需を取り込むことで増収増益を予想している。

 ただ、19年3月期の種類別売上構成比率は、フロー収入(パッケージソフト等の売上)が

51・2%と、ストック収入(保守サービスとクラウド売上の合計)の48・8%を上回った。

これは、特需によりフロー収入のパッケージ製品が伸びたため、と佐藤社長は語る。

「来期(21年3 月期)は特需の反動で一時的な減収減益が予想されます。フローは反動が来るので、安定成長が見込めるストックを中期的に伸ばしていく。ストックビジネスを現状の5割から6割に伸ばしてストックの売上高を60億円にする計画です」(同氏)

 その対策として、新製品「ハイパーシリーズ」を発売。セグメント管理が可能な新機能を盛り込み、従業員100人以上の中堅企業をターゲットに拡販していく。

 また、オンプレミスのパッケージ版の提供形態を、継続課金のサブスクリプション型のモデルに転換する準備を進めている。

「月額課金を基本とし、オンプレミスのお客様にも常に最新のソフトを提供するビジネスモデルを推進します。20年4月ごろを目処に徐々に舵を切り、ストックビジネスの比率を増やしていく計画です」(同氏)

 これらの施策により、中計の最終年度である22年3月期の連結売上高は115億円以上、連結営業利益15億円以上、連結営業利益率10%以上を計画している


「マネジメントサポート・カンパニー」を確立


 同社は2030年の創業50周年に向けて、「マネジメントサポート」をキーワードに

顧客企業の経営をワンストップで支援する企業を目指している。自社製品と他社製品を

組み合わせたトータルソリューションの販売は増えており、現在、売上高全体のうちの約

2割5分を占めている。

「他社製品なので利益率は低いですが、需要があることは事実。基幹業務周りのサービスに関するすべての課題が解決できる会社になるのが50周年の目標です」(同氏)