フューチャーリンクネットワーク【9241・マザ】独自のローカル情報網を生かし地域活性関連事業で全国網羅目指す


 フューチャーリンクネットワークは地域の付加価値情報を発掘し、伝えるサービス「まいぷれ」を運営する会社だ。2000年の創業から、フランチャイズ展開とローカルな情報網で事業を拡大。2021年8月期に売上高13億4900万円、営業利益1億円まで伸ばし、同月に東証マザーズへ上場した。機能拡充に向けた開発投資に注力し、単価向上、収益の確保で新規パートナー参入を促進する好循環入りを図る。



 

石井 丈晴社長

プロフィール◉いしい・たけはる 1973年12月生まれ。97年4月リクルート入社。2000年3月フューチャーリンクネットワーク設立。代表取締役就任(現任)。同年6月リクルート退職。








 


地域情報プラットフォーム

「まいぷれ」が事業の中核


 フューチャーリンクネットワークは、地域情報プラットフォーム「まいぷれ」の運営会社。「まいぷれ」では、個人経営の飲食店をはじめ、雑貨屋や個人スクール、占いなど地域に根差した事業者について掲載する。電話番号や住所、営業時間などの基本情報から写真、事業者自身がブログのように使えるニュースなどを紹介する地域情報サイトだ。特徴は、定性情報に重きを置く点にある。

「インターネットでお店を選ぶことが一般的になった昨今、値段や評価点数だけでなく、『あの店で飲むビールやあの店主のこだわり、そこにしかない出会いの良さ』といった付加価値を提供しています」(石井丈晴社長)

 掲載者のターゲットは、インターネットで店のPRをしたいが、方法が分からないなどの理由でネット活用をできていなかった地域事業者だ。「まいぷれ」ではこのような事業者のもとへスタッフが直接訪れて取材。その情報を編集・掲載する。

 自社で運営する「まいぷれ」サイトだけでなく、例えばGoogleビジネスプロフィールやGoogleマップ、SNS、デジタルサイネージなど様々な媒体に店舗情報が併載されるのも強み。店主によって「今日の定食」の情報などをLINEで簡単に入稿し、「まいぷれ」サイトの更新と同時にグーグルの店舗情報にも反映されるなどといった形の情報発信もできる。地域事業者にとっては、リテラシーが低くとも負担なくインターネットに参入でき、継続的な店舗情報の発信が可能となる。

 現在「まいぷれ」は、46都道府県の事業者1万7580店舗に利用されている。


フランチャイズ展開で

全国均一に張り巡らす


 21年8月期の連結業績は、売上高13億4900万円、営業利益1億円。売上高をセグメントで分けると、①地域情報流通事業が35%、②公共ソリューション事業が47%、③マーケティング支援事業が18%となる。

 地域情報流通事業では、「まいぷれ」の構築、運営を行う。同事業での収益モデルは、大きく分けて2つ。ひとつ目は、本社がある千葉県船橋市周辺をはじめとした直営地域における、地域事業者に対するプラットフォーム利用料。平均単価は月間4915円(21年8月時点)となる。

 ふたつ目は、それ以外の地域で「まいぷれ」事業を行う運営パートナーと呼ばれるフランチャイジーからの加盟料とロイヤリティだ。同社はパートナーに対し、直営地域で確立した経営や営業手法を研修などで共有。パートナーが契約を取ると、ロイヤリティを受け取る。運営パートナーは21年8月時点で154社。本部で原稿の校正も行い、品質を担保する。


官民協働で地域課題解決

ふるさと納税代行が急伸


 最も売上比率が大きい②公共ソリューション事業は、同社の地域情報力を生かした官公庁向けビジネス。同事業で、直近2~3年に急伸したのがふるさと納税事業の業務代行だ。自治体が行う裏方業務を一貫して請け負う。地域の生産者を訪れ、商品化の提案、取材をし、原稿を楽天やふるさとチョイスといったポータルサイトに入稿。寄付がされると、寄付者の管理や生産者への出荷指示などあらゆる業務を手掛ける。

 22年8月期1Qの寄付総額は15・8億円。現在40市区町村と提携し、出品している返礼品は1000を超える。提携する自治体の寄付総額は年間3割増加しており、さらなる拡大が見込める。

 マーケティング支援事業は、小売店や不動産事業者などの大手企業が顧客となる。特定の地域や商圏のエリアマーケティングを効率的に行うノウハウを、ローカルな情報網を生かして提供する。


積極的な開発投資で

機能拡充し成長循環入る


 同社によると、まいぷれで掲載可能な潜在店舗数は400万店舗を超えるという。

「パートナー1号の出雲の掲載店舗が大体2000弱です。今のパートナー150社が同じ規模感になるだけで、20万店舗となる。エリアを広げれば、シェア10%となる40万店舗は実現可能」(同氏)

 同社は、今後の成長戦略の起点にプラットフォームの価値向上を掲げ、積極的な開発投資を行う。情報発信ツールとして利用されてきた「まいぷれ」の機能拡充を図り、経営支援の領域まで広げる。単価を上げるに値するサービスにしていく。

 新たな機能の一つがアナライザーだ。「まいぷれ」の管理画面から、いつどれだけどういう人が情報を閲覧し、店舗に電話をしたかまで簡単に分かり、店舗のマーケティング分析に役立てられる。今期末には5000円台まで単価を上げる見込みだという。

「プラットフォームの価値(平均単価)が上がれば、『まいぷれ』の理念に共感できるうえに、十分な収益性がより確実に見込めると見てもらえ、パートナー参入がさらに容易になるはず」(同氏)

全国には1718の市区町村がある。この全てを網羅するには、パートナーは現在の倍、300以上は必要と試算する。

 全国網羅が実現できれば、各地のローカル情報を満遍なく入手可能となる。同時に、公共事業とマーケティング支援のソーリューションも広げていける。

「もし、全国均一に情報があれば、カーナビへの情報提供など、新しい情報の出口も作りうる。『まいぷれ』の情報の活用方法も広がるはず」(同氏)



▲︎「まいぷれ」では地域に根差した情報を掲載


▲事業成長モデルの基本方針 

※MRRとは月次経常収益のこと


 

2021年8月期 連結業績

売上高

13億4900万円

前期比 18.9%増

営業利益

1億円

同 128.5%増

経常利益

9400万円

同 123.8%増

当期純利益

7900万円

同 101.7%増


2022年8月期 連結業績予想

売上高

15億3100万円

前期比 13.5%増

営業利益

1億100万円

同 1.0%増

経常利益

9700万円

同 3.2%増

当期純利益

7100万円

同 10.1%減

※株主手帳4月号発売日時点