• 株主手帳編集部

フューチャー【4722・東1】ITを経営戦略の核にしたコンサルティングを展開業界トップ狙う大手企業群を顧客に最高業績を更新中

 ITコンサルティング企業の草分けであるフューチャーは、2019年 12月期に3期連続で売上高、過去最高益を更新。1989年の創立以 来、流通、エネルギー、物流、メディアなど幅広い業界に対し、ビッグ データやAIなどの技術を活用して様々な課題の解決を支援してきた。 高いIT技術を活かし教育、スポーツ、EC、出版などの事業セグメント も所有。こちらも前期は初の黒字化を果たし営業利益が拡大中だ。





金丸恭文 代表取締役会長兼社長グループCEO

PROFILE かねまる・やすふみ 1979年テイケイシイ(現TKC)入社。82年ロジック・システムズ・インターナショナル入社。89年フューチャーシステムコンサルティング設立、代表取締役社長。16年フューチャーに商号を変更。同社代表取締役会長兼社長グルーCEO(現任)。内閣官房未来投資会議 議員、内閣官房 働き方改革実現会議 議員、経済産業省IoT推進ラボIoT支援委員会委員、公益社団法人経済同友会副代表幹事、公益財団法人NIRA総合研究開発機構理事長、東京 都ハンドボール協会 会長、厚生労働省オンライン診療の適切な実施に関する指針の見直しに関する検討会構成員、文部科学省未来の学びコンソーシアム運営協議会議員を務める。



経営戦略=IT戦略の時代到来 初のITコンサル企業として上場


 同社の2019年12月期の業績は、売上高453億8900万円、経常利益67億1000万円となり過去最高を更新した。中核会社であるフューチャーアーキテクト社を含む「ITコンサルティング&サービス事業」が売上高(全体の82・4%)と営業利益(同93・3%)を牽引している。  ITコンサルティングとは、単に顧客からの要望を満たすためにプログラムを書くのではなく、パートナーとしてともに経営戦略を考え、その実現のための最適な仕組みを提供、構築、運用すること。金丸恭文代表取締役会長兼社長グループCEOは、日本のITコンサルティング草創期からこの業界に携わってきた。  金丸氏は、新卒で入社した企業で小型コンピュータ(現在のPC)の大きな可能性に気づいた。ベンチャー企業に転職後、セブン│イレブンの店舗情報分析用PC3000台のハードとソフトを開発し、成功を収める。これがターニングポイントとなり、現取締役副社長の石橋国人氏とともに同社を創立した。 「当時の企業は、システムはあくまで仕事の一部分で、経営戦略の中核ではなかった。ところがセブン│イレブンは全国の店舗を通信でネットワーキングし、状況を見ながら品揃えを充実させていた。これからは経営戦略イコールIT戦略という時代が来ると考え、『ITコンサルティング』という事業名称で上場しようと思いました。手続き時に〝既存の名称を使え〞といわれ大議論になりましたが、最終的には上場企業で初めてITコンサルティングを名乗ることが認められたんです」(金丸氏)


業務改革や品質向上にIT活用 トップを狙う企業が顧客


現在同社は、AI活用、IoT活用、セキュリティなどの分野で、業界や職種を問わずサービスを展開している。たとえばAIを活用したコンサルティングでは、佐川急便とともに手書き配送伝票の自動読み取りシステムを開発。人と同じ水準で読み取れることを実用化しており、これによって大幅なコスト削減と品質向上が見込まれる。 「当社の売りは、技術の目利きをし、世界的にマーケットバリューの高いITテクノロジー分野のみ扱っていることです。国内で目先のお金になる技術だけやっていては、次の世代での当社の価値が下がってしまいますから」(同氏)  同社がコンサルティングサービスを行っているのは、業界や地域のトップ企業、または業界トップを意識している企業だという。最近は年間で10億円から20数億円、数年単位で50億円規模の売上となる顧客が増えており、売上高を押し上げている。コンサルタントによっては9割程度の高い稼働率をキープすることも多く、受注残高は80億円を超えている。 「トップに立つ企業は、同業他社を真似せず、前例のない新しいことに挑戦する企業。ですから、過去の実績にこだわって変わろうとしない企業はパートナーにならない。当社はそれを貫いてきました」(同氏)


営業利益率25%が目標 変革し続けることが大切


 2020年12月期は、売上高483億円、営業利益72億円を計画している。そのための戦略は、主力であるITコンサルティング&サービス事業の拡大と、もうひとつのセグメントであるビジネスイノベーション事業の営業利益率アップだ。 「IT部門を内製化する企業が広がっており、そこに使われる身では付加価値が得られない。良い人材を集め、クオリティコントロールをレベルアップさせて、内製化を超えるゾ ーンに行かなくては」(同氏)  フューチャーアーキテクト社を中心にしたITコンサルティング&サービス事業は、積極的な人材採用とM&Aによって、将来的には売上を現在の倍にする計画だ。また営業利益率にも明確な目標を設けている。現在フューチャーアーキテクト社の営業利益率の目標は20 %。M&Aでグループ入りした会社はフューチャーアーキテクト社の利益創出メソッドを模範にして営業利益率10 %を目標とし、クリアできれば20%まで引き上げる予定だ。一方フューチャーアーキテクト社は、最終的には営業利益率25%を目標とする。  ビジネスイノベーション事業でも、営業利益率10%というミッションを掲げている。このセグメントはITを活用して事業化する分野であり、教育・スポーツ、EC、出版など4つの子会社が所属している。各社には、やはり高収益性を重要視するフューチャーアーキテクト出身者が経営陣として参画し、前期には初の黒字化を果たすなど業績が拡大中だ。 「他を真似せず変革し続ける姿勢に共感いただける方は、ぜひ応援してほしい。業績と財政基盤はいまのところ盤石で、もっと成長させるつもりですので、楽しみにしていただきたいと思っています」(同氏)

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