• 株主手帳編集部

ブランディングテクノロジー【7067・マザ】中小企業のブランディングを支援 3000社の顧客基盤が強み

 インターネットやSNSが普及し、誰でも情報発信できる今日、企業のホームページ制作を核にブランド戦略を提供するのがブランディングテクノロジーだ。約3000社の顧客からポータルサイト掲載料などを月額課金で徴収するストック収益を強みとし、創業から18期連続で増収増益を達成。今年6月に東証マザーズに上場し、新たなステージでの事業拡大を狙う。


木村裕紀社長

 プロフィール:きむら・ゆうき

 國學院大学中退後、創業期のITベンチャー企業で新規事業立ち上げを経験。2005年フリーセル(現ブランディングテクノロジー)に入社。06年取締役、09年代表取締役に就任(現任)。15年一般社団法人ブランド・プランナー協会代表理事に就任(現在は理事)。




歯科や建築のメディア運営

ストック売上8割で安定成長


ブランディングテクノロジーは、2001年の設立以来、医療分野、建築分野、製造分野を中心に数千件のWebサイトを制作。このノウハウを生かし、中小企業のブランドの形づくりを継続的に支援する業務をブランド事業、デジタルマーケティング事業の2分野にわたって展開している。

 ブランド事業の強みは、「経営サポート会員」と呼ぶ3000社以上の顧客企業だ。「歯科タウン」「外壁塗装コンシェルジュ」など4つの集客メディア(ポータルサイト)を運営し、歯科医院、リフォーム会社、地域不動産などの業界から約2100社が参加している。この顧客からポータルサイト掲載料などの月額会費を徴収しており、全社合わせて月額約4200万円、年間で約5億円の収入が得られるサブスクリプションモデルを採用している。

 この集客メディアをブランディングの第一歩と位置付け、同メディアへの参加企業を募ると同時に、他社との差別化を図りたい企業には別途、Webサイト制作などのソリューションを提供していく。さらに完成したWebサイトを効果的に運用するため、最新のアドテクノロジーを活用したインターネット広告を提供してストック収益を強化している。

 「Webサイト制作により100〜200万円のフローを獲得し、その後の継続的なサポートでストック収入を積み上げています。インターネット広告やコンサルティング、経営サ

ポートなどストックの売上比率は約80%であり、安定的に売上が伸びていくモデルを構築しています」(木村裕紀社長)


経営からマーケティングまで

一貫して課題解決


中小企業向けデジタルマーケティングの分野では、ソールドアウト、イーエムネット、同社の3社が上場している。前者2社が主にインターネット広告を軸に事業を展開しているのに対し、同社は顧客のブランディングをトータルに支援するのが特徴だ。「デジタルマーケティングの業界では、ホームページ制作と広告運用は別の会社が行うことが多いのですが、当社は専門の教育を受けた『フロント人材』がプロジェクトを立ち上げ、経営からブランド、マーケティングまで一貫して課題解決に当たります。企画から参加するので顧客の事業をよりよく理解でき、お客様の満足度が高く出た場合は契約が長期にわたります」(同氏)

 同社は2001年の創業(旧社名:フリーセル)からおよそ6年刻みで事業内容を発展させている。創業期はポータルサイトを突破口にホームページ制作の顧客を獲得する事業を展

開。05年から経営参画した木村氏は当時3億円の売上を7倍の21億円に伸ばし、中小企業向けWebコンサルティングビジネスを立ち上げて社長に就任した。

 一方で、リーマンショックのときには一時的に業績が悪化。理念を共有する社員が中心と

なって乗り切った経験から、ブランドは自社の社員に対しても力があることを実感したという。

「ブランドの力を売れる会社にしようと、13年には当社もリブランデ

ィングを行い、そこでブランドとコンサルの会社としてステップアップできました。18年

11月に現社名に変更し、いよいよ19期目から上場会社として新しいスタートを切ったとこ

ろです」(同氏)


中小企業向けの採用支援サービス立ち上げ


同社の20年3月期の業績予想は、売上高が前期比6・2%増の53億円、経常利益が同15・1%増の1億7500万円。上場を機に知名度を高め、月額予算が50〜300万円のミドル

層、300〜1500万円のアッパー層の顧客を増やして売上高営業利益率を現在の約3%から約5%に引き上げる計画だ。

 また、近年は採用サイトの制作ニーズが増加していることから、中小企業向けの採用支援サービスを立ち上げ、新たな収益の柱を構築していく。

「今まではリクナビやマイナビなどの一般的な求人サイトに載せるのが主流でしたが、最近はインディードのような企業の採用サイトの求人情報を自動で収集するサービスが増えてきています。今後は採用支援の領域でのブランドの活用にも積極的に取り組んでいきます」(同氏)

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