• 株主手帳編集部

ポート【7047・マザ】シェア70%の就活情報サイトを運営 オンライン診療サービスを拡大中

 ポートは、毎年就活生の7割が利用するという「キャリアパーク!」など、就職、金融、リフォームという3つの領域における情報メディアをネット上で運営。一方で、国内初のオンライン診療プラットフォームを開発し、すでに高血圧症でのサービスを全国展開している。今後の戦略を春日社長に聞いた。



春日 博文社長

プロフィール◉かすが・ひろふみ

1988年生まれ、埼玉県出身。学習院大学経済学部卒業。2011年ソーシャルリクルーティング(現・ポート)設立、代表取締役社長就任(現任)。








 ポートは、創業者である春日博文氏が2011年に設立。就職、リフォーム、カードローンの各領域で、インターネットによるさまざまな情報サービスを展開している。その中で、

20年3月期の売上のほぼ半分を占めているのが就職領域だ。

 同社は就活ノウハウ情報サイト「キャリアパーク!」の他に、就活生向け企業口コミ情報サイト「就活会議」などを運営。これらの情報サイトには、面接の方法やエントリーシートの書き方といった、就活生が本当に必要とする専門的な情報が多数掲載されている。情報を読みに訪れたユーザーは、就活の利便性を上げるため各サイトに会員登録。同社は会員の個人データに基づき、顧客である企業の会社説明会や就活セミナーなどへの参加を促進する情報を送信する。大卒者の就活生は年間約60万人いるが、その中の40万人以上が同社のサービスの会員になるという。そして同社は、会社説明会などに申し込んだ就活生の数に応じて、顧客企業の採用担当や人材系企業から成果報酬を得る。

 他の2領域でも、メディアを通じて顧客企業に送客するビジネスモデルを展開しており、

20年3月期は前年比35%増という高い売上の伸びを達成した。

「各領域で展開するメディアには、専門家による監修を経た価値の高い情報コンテンツを掲載している。ニュースなどとは違い、こういったコンテンツは普遍性があり何年経っても読

まれ続ける。そういったコンテンツが蓄積し続けることで、ユーザーの信頼を得、会員登録につながっている。また、新規顧客企業にとっては、成果報酬型モデルなのでハードルが

低く契約につながりやすい」(春日博文代表取締役社長)

 就職領域では、昨年5月に企業口コミサイト「就活会議」を子会社化。同社の既存サービスと合算した会員数は50万人を超えている。


血圧値をスマホで毎日医師に送信

企業対象のオンライン診療にも進出


 新規事業として同社が注力するのが医療だ。すでに15年には、国内初の遠隔診療プラットフォーム「ポートメディカル」の運用を開始した。その後東京女子医科大学と共同で、オンライン診療による高血圧症の実証研究を開始。オンラインで医師とつながり、毎日の血圧データを送信することで、患者が自分の状況を意識でき、結果的に血圧値が良くなるというエビデンスが得られた。これを元に高血圧オンライン診療支援パッケージ「テレメディーズ」を共同開発、19年にリリースした。

 昨年4月、政府はコロナウイルスの感染拡大に押される形で、初診の患者へもオンライン診療の実施を容認する方針を発表。これをきっかけに同社のサービスに注目が集まりはじめた。今年4月には、オンライン診療の受診者数が前年同月比で8倍に拡大している。最近では、対面による保健指導が難しい全国規模の企業にもオンライン診療が採用され、利用者を増やしている。

「メディカル領域では、プラットフォームを作り、それをユーザーに月額料金で利用いただく中から手数料をもらうビジネスモデルにしている。高血圧症は心筋梗塞、脳梗塞など他の病気にも関連する症状で、患者数がとても多い。高血圧の治療を入り口として、今後は糖尿病や高脂血症などに広げていくような医療パッケージを開発していきたい」(同氏)


23年3月期に売上高100億円

高血圧以外の医療事業も開発中


 同社は昨年9月発表の中期経営計画の中で、23年3月期までの3カ年を株主価値最大化に向けた「第2投資フェーズ」と位置づけ、業績成長を加速させる構えだ。マッチング効果を高めるためのシステム投資をメインに、新規求人開拓による顧客数拡大、コンテンツの充実などに向けた投資を実施していく。

「未上場の時期に、毎年赤字を出しながらもコンテンツに投資してきた。いったんそのフェイズを終えて18年に上場したが、今後はさらなる顧客企業の開拓やシステムに投資していく。就活生の立場でも、より多くの企業が掲載される方がいい。そこに向けて取り組んでいる」(同氏)

 同社は23年3月期までに、連結売上高100億円以上を目指している。

「メディカル領域では、現在高血圧症以外の事業開発を前提に実証実験をしているところ。時期はまだ未定だが、売上目標に貢献していけるよ

う事業化を進めていく」(同氏)