ユニバーサル園芸社【6061・スタンダード】観賞用植物のレンタル事業を主軸に展開 世界一の園芸会社目指し売上300億円へ


 ユニバーサル園芸社は、オフィスや商業施設などに観賞用植物を提供するレンタルグリーン事業を主力とする総合園芸会社だ。創業者である森坂拓実会長の指導の下、培った営業力とデザイン力の両輪で拡大し、国内レンタルグリーン市場におけるトップクラスのシェアを占める。今後は次なる目標である「世界一の園芸会社」に向け、売上高300億円、営業利益30億円を目指す。

 

安部 豪社長

Profile◉あべ・つよし

1976年12月6日生まれ、大分県出身。鳥取大農学部卒。99年ユニバーサル園芸社に入社。2015年取締役管理本部長、17年取締役副社長兼管理本部長に就任。21年代表取締役社長に就任(現任)。








 

グリーン、小売、卸売の

3セグメントを展開


 ユニバーサル園芸社の2021年6月期の業績は、売上高95億6900万円、営業利益12億9300万円。セグメントは3つあり、売上比率はグリーン事業が62%、小売事業が25%、卸売事業が13%となっている。

 主力のグリーン事業は、祖業であるレンタルグリーン事業を主軸とする。オフィスや商業施設、ホテルなどに観賞用植物やアートフラワーなどをレンタルで提供する事業であり、主に法人を顧客に展開している。

 第2の柱である小売事業は、個人顧客向けガーデンセンターやグリーン・フラワーショップとネット通販を展開する。「ザ・ファーム・ユニバーサル大阪」は「3世代が楽しめる植物の楽園」をコンセプトとし、広大な敷地にて約3000種類の植物などを販売している。併設のカフェでは農園野菜を提供。いちご園や小動物と触れ合うエリアもあり人気を呼んでいる。

 第3の柱である卸売事業は、子会社の高島屋植物園、ビバ工芸がそれぞれ植物、造花の卸売りを展開している。


専門スタッフが月2回訪問

せん定や水やりなどを行う


 主軸のレンタルグリーン事業は、創業者の森坂拓実会長が1968年に始めた。森坂氏は園芸会社2社に勤務した後、独立し、飲食店や喫茶店などに観葉植物をレンタルする事業を開始。「人生二度なし」を創業の精神とし、高度経済成長期に次々と開業するオフィスや商業施設をターゲットに営業活動を展開してシェアを広げた。

 現在の営業活動も、ビルや商業施設の開業に合わせて営業を行い受注するスタイルが基本となっている。顧客の要望や目的を把握し、設置場所の環境を考慮して育成に適した商品(植木)を提案し納入する。顧客数は約1万1000件と業界トップクラスを獲得している。

 納入後は基本的に月に2回、専門スタッフが訪問し、せん定や水やりなどのメンテナンスを行う。一契約当たりの単価は平均して月額2万円であり、適正な管理を強みに高い利益率を出している。

「当社のレンタルグリーンの多くは、大鉢の観葉植物約50種類をベースとし、季節感や彩り、パーテーション機能や癒し効果などの役割を果たしながら空間を美しく演出しています。ここ5年程はレンタルグリーンのデザイン性が重視されており、センスが大事な時代になってきていると感じています」(安部豪社長)


業界最強の営業部隊と

メンテナンスの両輪で拡大


 現在、レンタルグリーンの市場規模は約400億円であり、ここ10年程は横ばいが続いている。同業界には個人経営の花屋や地元の造園会社など小規模の競合他社が多数いるが、その中で同社はシェアを高め、推計で約6%とトップクラスの座を占めている。

「シェア拡大の理由の1つは強い営業部隊です。森坂(会長)が営業の人材を育て、園芸会社では最強の営業部隊となっています。もう1つは、メンテナンス部隊による顧客満足度の高いサービス提供。営業とメンテナンスの両輪によってレンタルグリーンのシェアを獲得してきたと考えています」(同氏)


営業力強化しシェア拡大

海外はM&A活用し伸ばす


 同社は2022年6月期通期連結業予想の上方修正を発表。海外事業の改善や国内のコロナ禍における個人向け植物の需要が伸び、売上高110億900万円、営業利益16億300万円を見込んでいる。

 今後の成長戦略の1つめとして、主力のグリーン事業を中心としたBtoBの既存事業の収益基盤を強化する。シェア拡大に向け、一番の武器である営業力の強化を図っていく。

 安部社長によると、レンタルグリーンの営業で契約を取るのは容易ではないため、人材の育成に注力している。同社は入社前にインターンを行うなど採用活動を強化。また、入社後の研修などフォロー体制を整備している。

 2つめの柱は、M&Aによる業態の拡大だ。主に海外企業をM&Aし、中期的には海外売上比率を現在の約2割から、約3割に伸ばすことを視野に入れている。

「現在、海外事業は中国上海、米国、シンガポールの3カ国で展開しています。米国は市場規模が大きく、またシンガポールはビルが多く案件が多いので増やしていきたい。海外子会社は今、改革中であり、しっかりと効率化を図っていきたいと考えています」(同氏)

 3つめとして、小売事業を強化する。レンタルグリーンを祖業とする同社は、会社として成長するため小売りに進出。コロナ禍の巣ごもり需要で一般向けの販売が伸びセグメント利益が改善している。

「コロナ後も収益体質を維持するため、生産者との関係をより強化しており、他社より幅広い種類の植物を店舗、ネット共に揃えています。世界一の園芸会社を目指し、売上高300億円、営業利益30億円を達成したいと考えています」(同氏)




▲グリーンでオフィス空間(上)や商業施設(下)を演出




▲大阪本社に併設する「ザ・ファーム・ユニバーサル」には約3000種類の植物が揃う


 

2021年6月期 連結業績

売上高

95億6900万円

前期比 5.0%増

営業利益

12億9300万円

同 14.8%増

経常利益

13億4000万円

同 15.4%増

当期純利益

7億3200万円

同 8.3%増


2022年6月期 連結業績予想

売上高

110億900万円

前期比 15.1%増

営業利益

16億300万円

同 24.0%増

経常利益

16億4100万円

同 22.4%増

当期純利益

11億3600万円

同 55.1%増

※株主手帳7月号発売日時点