• 株主手帳編集部

ユーピーアール 【7065・東2】パレット等の物流機器のレンタル、販売を展開約400万枚を全国のデポ網から提供

ユーピーアールは、荷物の保管や輸送のために使用される薄い箱型の荷台である「パレット」のレンタル、販売等を手掛ける。物流業界ではドライバー不足が深刻化しており、パレットを利用した物流の効率化のニーズが高まっている。同社は2019年6月に東証2部に上場。19年8月期の業績は売上高、経常利益とも過去最高を更新し、今後の成長が期待される。

 Profi le●さかた・よしや

1964年5月30日生まれ、山口県出身。88年、早稲田大学商学部を卒業後、積水化学工業に入社。94年、同社を退社後ウベパレット(現ユーピーアール)に入社、専務取締役に就任。98年、代表取締役社長に就任。2007年、社名をユーピーアールに変更。



主力は売上比率7割のレンタル事業


 ユーピーアールは、山口県宇部市にて1979年にウベパレットとして創業した。木製パレットの製造販売からスタートしたが、98年に酒田義矢氏が社長に就任したのを機にレンタルへと軸足を移して事業を拡大。2007年にユーピーアールに社名変更し、19年6月に東証2部に上場した。

 同社の主力は、売上高全体のうちの約7割を占めるパレットのレンタル事業だ。木製やプラスチック製パレット、ネスティングラックなどのレンタル用物流機器を約400万枚保有し、国内12の営業所と174のデポを運営して約2500社の顧客に貸し出している。

 酒田社長によると、物流業界ではトラック運転手の不足が深刻化しており、運転手の負担軽減のためにパレット輸送のニーズが高まっているという。

 日本では、トラックに大量の段ボールが隙間なく収まるように手積み手降ろしする「手荷役」の商慣習があるが、手作業での大量の貨物の積み下ろしがトラック運転手にとって重労働になっている。この状況を改善するため、国は総合物流施策大綱の中でパレット輸送による機械荷役への転換を促進している。「手作業での積み下ろしだと2時間かかるところを、フォークリフトでパレットごと運べば15分程度で済むので、ドライバーの労働時間を大幅に短縮して生産性向上や働き方の改善ができます。また、自社パレットは回収の手間とコストが掛かりますが、レンタルパレットは乗り捨て型であり、近くのデポで返却できます。コストが削減できて環境にも優しいレンタルパレットが今後増えていくと思われます」(酒田義矢社長)












家庭紙業界専用のパレット開発


日本パレット協会の調べによると、国内で流通しているパレット数は約5億枚。このうちの9割以上が企業保有の自社パレットであり、レンタルパレットの枚数は約2200万枚、比率にして約4%強だ。一方、標準化が進む欧米ではレンタルパレットが普及しており、特に欧州ではパレットの共同化率が2〜4割に達している。

 日本では、1100×1100×150ミリの11型パレットが標準規格とされ、このサイズに合う加工食品や日用雑貨の分野でレンタルが普及した。この11型に特化してパレット共同利用の仕組みを作ったのが、パレットレンタル業界1位の日本パレットレンタル(非上場)だ。

 これに対し、業界2位の同社は11〜14型等の多種多様なパレットを保有し、製造業、商工業、農業など幅広い業種に貸し出して差別化を図っている。さらに新たな取り組みとして、ティッシュペーパーなどの家庭紙業界向け専用パレットを開発し、大手4社による共同利用サービスをスタートさせた。

「家庭紙業界では手荷役からパレット積みへの転換を考えていましたが、11 型パレットに載せるとサイズがぴったり収まらずに積載量が3割落ちてしまう。そこで私どもが積載量1割ダウンに抑えた専用パレットを開発し本格採用されました。これが好評で、他の業界からも話が来ています。家庭紙のパレットをきっかけに切り崩しが出来つつある。このノウハウを生かして、まだ手荷役の業界にパレット活用を働き掛けていきます」(同氏)


将来の保有枚数を約5000万枚に拡大


 同社は今後、さまざまな業界標準のレンタルパレットを作って市場を拡大したい考えだ。

「日本でも欧州並みにパレット流通量の2割がレンタルになれば、市場は約1億枚に伸びます。当社では、その市場の半分のシェアを獲得し、保有枚数を今の400万枚から約5000万枚に伸ばしたいと考えています。市場がここまで行くには10〜20年はかかると思いますが、成長の余地があると見込んでいます」(同氏)


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