• 株主手帳編集部

ラサ商事【3023・東1】商品+提案力で一貫対応の技術商社資源、特殊ポンプなどニッチな商品に強み

 今年創業80周年を迎えたラサ商事(3023)は、資源・金属素材や産機・建機、環境設備などの分野に製品を供給する独立系専門商社だ。国内トップシェアのジルコンサンドや、鉱山や汚水処理の現場で欠かせないスラリーポンプ、製鉄所の廃棄物を再利用資源に変えるシ

ステムの開発・販売など、高い技術を活かした特色ある商品の取り扱いで知られている。近年ではM&Aを成功させグループ内でのシナジー効果が拡大中だ。



井村周一社長

Profile●いむら・しゅういち

1975年同社入社。99年産業機械一部長。2001年取締役大阪支店長。04年取締役大阪支店長

兼同店営業部長。05年常務取締役管理本部長、代表取締役社長。15年ラサ・リアルエステート代表取締役(現任)。17年代表取締役社長兼物資営業本部長。18年代表取締役社長(現任)。










ニッチ商品で市場をリードする存在

専門商品や技術で産業界を支える


同社は6つの事業セグメントを持っており、その中でも売上高95億6200万円(2019年3月期)と最も高いのが「資源・金属資材関連」だ。特に、耐火材やタッチパネルなど様々な製品の原料となるジルコンサンドは、原産国オーストラリアの企業と国内の総販売代理店契約を結んでおり、シェア50%超とトップを誇る。


 ポンプなどの商品を販売する「産機・建機関連」の売上高は87億5700万円となっている。同社が取り扱うのは、固形物が混ざった液体を送ることができる“スラリーポンプ”と呼ばれる特殊なもので、製鉄、鉱山、電機など幅広い企業に納入実績を持つ。こちらも国内シェアナンバー1を争う存在だ。

 

売上高は15億6700万円(構成比は4・9%)だが、今後大きな伸びが期待されているのが「環境設備関連」セグメントだ。同社が1967年に開発した世界初の“水砕スラグ製造設備システム”はこのセグメントに属する。この技術「ラサ・システム」は製鉄所の廃棄物だったスラグを処理し再利用を可能にするもので、国内の高炉で幅広く使用され、最近では英国企業にも技術供与されている。また下水を処理し汚泥を再利用するための大型ポンプも、売上高・受注高ともに大幅に増加している。


「この3つのセグメントは当社の根幹部分であり、ニッチな分野であまり他社が入ってこられないところ。営業マンにも高度で特殊な知識が必要なので、お客様と当社スタッフが直接顔を合わせての取引をしている。特にポンプに関しては、導入後も整備や部品交換など定期的なメンテナンスが欠かせず、この仕事が当社の稼ぎ頭のひとつになっています。リーマンショックの時も、メンテナンスの仕事は手堅く続き、収益の底固めをしてくれた」(井村周一代表取締役社長)


子会社とのシナジーをいっそう強化

2021年に売上高350億円目指す


 2019年3月期に、前期比売上30・9%増と最も伸びが大きかったセグメントは、子会社の旭テックが担当する「プラント・設備工事関連事業」。売上高は50億2900万円(売上高構成比20・8%)となった。旭テックは京葉臨海コンビナートに大手顧客を持ち、各種プラントの設計・施工、メンテナンス工事などを担当している。同じく子会社で合成樹脂・油脂・化学品の専門商社であるイズミが担当する「化成品関連事業」では、プラスチックや各種加工製品を自動車、建材、電気・電子分野などに供給している。こちらの売上高は66億800万円。さらにもうひとつの「不動産賃貸関連事業」セグメントでは、同社が所有する不動産を賃貸事業により効率的に展開し、収益を拡大している。


 

 今年創立80周年の節目を迎えた同社では、2021年度までの新中期経営計画「Value Up Rasa2021〜企業価値の創造〜」を発表した。新中計での2021年度の目標売上高は350億円、営業利益は23億円としている。また配当性向は従来の25%前後から、2020年度以降は30%前後に引き上げる方針だ。

 新中計では、ラサ商事単体と子会社、関連会社である大平洋機工とのシナジーも拡大させていく。具体的には産機・建機関連、環境設備関連、プラント・設備工事関連の3セグメントで、グループ企業間の連携を強化させる。

「旭テックには設備投資して、より付加価値の高い工事をできる設備を整えました。また旭テックは以前からプラント関連事業の中でポンプのメンテナンスも担当していたので、顧客の共同化などシナジー効果をもっと深めていきたいと考えています」(同氏)

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