リズム【7769・プライム】1000分の1ミリの精度を究める技術力 高精密・高性能・高難度の部品、金型を製造


 リズムは2020年、シチズンブランドのクロック(時計)の製造を行うリズム時計を母体に、子会社だった2社が加わり発足した企業だ。この10年程にわたり国内外で厳しい市場環境下にある時計関連の事業から、光学機器をはじめ、事務・通信機器、自動車などに使用される精密部品や高難易度の精密金型の製造販売などに軸足を移しつつ、経営資源の有効活用など収益力強化の取り組みを進めている。


 

平田 博美社長

プロフィール◉ひらた・ひろみ

1955年5月生まれ、北海道出身。78年3月、協伸工業(現・リズム)入社。2006年6月、同社常務取締役、09年6月 同社代表取締役副社長、10年6月、同社代表取締役社長などを経て、19年4月、リズム代表取締役社長就任(現任)。








 

時計事業母体に発足

多種多様な製品製造


 リズムの2022年3月期の売上高は299億9900万円、営業利益8億9200万円。セグメントは、BtoB製品を扱う①精密部品事業と、クロックを含むBtoC製品を扱う②生活用品事業の2つだ。

 ①の精密部品事業はさらに、接続端子関連とプレシジョン関連とに大別される。前者では、自動車や太陽光発電、電動アシスト自転車や家電に使われる接続端子などを、後者では、産業機械や光学機器に使用される精密部品のほか、高難度精密金型や車載関連機器の製造販売、EMS(電子機器製造受託)などを行う。

 一方、②の生活用品事業では、掛時計や置時計、目覚まし時計などのクロック類、防災行政ラジオや、加湿器、USBファンなどを作っている。70年以上にわたりクロック分野で培ってきた製造技術が、快適品の開発にも生かされている。

 リズムは20年、時計事業主体のリズム時計工業、接続端子のリズム協伸、プレシジョンの東北リズムの3社が合併し発足した。合併後も引き続き、元の事業分野を生かした事業展開を行っている。

 同社の取引先は、製品の使用用途が様々であることからもわかる通り、非常に多岐にわたる。

「精密部品事業の主要な取引先は、部品メーカー、自動車関係のTier1メーカー、家電メーカーなどです。また、生活用品事業では、時計専門店や量販店、ホームセンター、ネット販売も含めたお店などになります」(平田博美社長)


直接営業に強み

顧客と一から開発


 精密部品事業における強みは、精密・成形・プレスの各分野において培ってきた技術力と、それに裏打ちされた現場の対応力だ。

 たとえば接続端子の場合、同社が開発した300種類の製品以外に、カスタマイズ製品の設計から製造までを一貫して行うことが可能だ。また、プレス・モールド金型の場合には、累計1万型に及ぶ金型製作と量産実績で蓄積されたノウハウとデータベースがあり、同社の礎を支えている。

「今後は、元リズム協伸の平坦度なども含めた細かなプレス技術と、元東北リズムの精度の高い成形技術とを融合させ、相互的によりシナジーを発揮できるような形で展開していきます」(同氏)

 営業面では、製造技術に精通した営業担当が、先方の開発サイクルに合わせ部品を提案。設計段階から深く関わりながら、共に製品化していくやり方をとっている。

「当社には、精密かつ高難度のプレスや成形の技術があると共に、専門知識を持った営業部隊がおります。取引先の開発関連部署と密に連携しながら一からやり取りをしている。顧客への対応力をもちつつ、直接的な営業展開を行っているというのが、我々の手法であり、強みだと考えています」(同氏)


精密部品で利益率改善

二本柱育成に注力


 19年度から3カ年の前・中期経営計画においては、グループ経営管理体制の強化や、引き合いの増加に伴う設備投資も行いながら、精密部品事業、なかでも車載関連の売上伸長を図った。精密部品関連の工場としては、18年の会津に引き続き、20年にも五所川原に新工場を建設、今後の成長に向けた投資をしてきた。近年のEV・ハイブリッドカーの台頭も追い風で、電子制御機器などの搭載により、同社が製造するような端子類の需要は高まっているという。

 20年度は、新型コロナウイルス感染拡大の影響や米中摩擦などの外的要因で、売上・利益共に減少したものの、最終年度である21年度には、単年度での黒字回復を達成した。

「19年からの3年間は精密部品事業に注力しましたが、22年度からは生活関連事業をさらに黒字化させ、売上比率も上げていく戦略です。得意分野である車載関連の新製品などで、我々にとって原価率が良く付加価値の高い製品の展開ができていますし、ガイド(部品)の受注量が大幅に拡大する見通しが立ってきているため、利益率改善にも繋がってきています」(同氏)

 22年3月に発表した、23年3月期から3カ年の新・中計では、25年3月期末時点での売上高を355億円、営業利益を20億円とし、営業利益率を5・6%まで引き上げることを目標として掲げた。また、成長戦略としては、①新ビジネスの創造、新製品の開発・販売拡大、②グローバル戦略の強化、③車載関連ビジネスの拡大、④生産性の向上、という4点を重点課題に挙げている。

「今後は、クロックの生産も続けていきますが、既存の顧客基盤が確立されている精密部品事業を成長させながら、生活用品事業では元々製造していた加湿器や、USBファンなどの商品開発をしっかり行い、二本の柱に育てていこうと考えています。配当性向に関しては、基本的に30%以上という基準を持ちながら、利益が上がったら増配するというような、メリハリをもった配当還元をしていきます」(同氏)



▲18年に竣工した会津工場


▲クロック製造会社が母体


▲精密部品は1/1000ミリの精度を誇る


 

2022年3月期 連結業績

売上高

299億9900万円

前期比 9.9%増

営業利益

8億9200万円

同 180.5%増

経常利益

12億8600万円

同 118.7%増

当期純利益

10億3100万円

同 ー


2023年3月期 連結業績予想

売上高

307億円

前期比 2.3%増

営業利益

10億円

同 12.0%増

経常利益

13億円

同 1.0%増

当期純利益

10億円

同 3.1%減

※株主手帳7月号発売日時点