• 株主手帳編集部

リーガル不動産【3497・マザ】収益不動産販売で年商237億円大阪は民泊、東京は賃貸開発を強化

収益不動産の販売事業を軸に年商237億円を売り上げているのがリーガル不動産(3497)だ。既存のビルをバリューアップ後に販売する事業が主ではあるが、近年、民泊やホテル、高級賃貸マンションの開発など事業領域を拡大してきている。また、賃貸オーナー向けの情報サイトも立ち上げるなど、新たなチャレンジも始めた。


平野哲司社長

プロフィール ひらの・てつじ 1959年生まれ。愛知県名古屋市出身。1982年慶応義塾大学法学部政治学科卒業、1982年東京エレクトロン入社、1988 年住友金属工業入社、1991年㈲フロンティア代表取締役就任、1993年新大興産取締役就任、2001年リーガル不動産代表取締役社長就任(現任)






「忍者民泊」大阪に誕生


リーガル不動産の主事業は「不動産ソリューション事業」と呼ぶもので、2019年7月期決算では208億円を売り上げている。全体に占める割合は84%。  ビル、マンション、土地などの不動産を仕入れるところから始まり、大規模修繕、管理状態の改善、または最適な用途に変えるなどして資産価値を高める。後に、投資家や法人に販売するというモデル。大阪、東京の2つのエリアで事業をしているが、大阪が主戦場。平野哲司社長は「208億円の内、140億円くらいが大阪エリアの売上で、中古の案件が半分以上。中には15億円の物件販売といったようなものもあります」と話す。  大阪エリアで今後注力していくのが民泊・ホテル開発だ。外国人が大阪を訪れる「訪問 率」は東京とほぼ同水準と、インバウンド需要は旺盛。宿泊需要も活況な中、同社では昨年9月、浪速区に新築の民泊専用マンション「LEGALIE(レガリエ)日本橋東」を開業。  共用部に隠し扉やどんでん返しの仕掛けがある「忍者屋敷」を用意するなど、外国人を楽しませるための一工夫もある。大阪は民泊が多く競合も多いが「アジア系の方に多く来ていただいて、稼働率は80%を超えています」と平野社長。同社ではこの物件の他、ホテルを3棟所有しているが、さらに用地取得を進めて新規物件の開発を進める。


約1000室を開発


 一方、東京エリアでは大阪とは異なるビジネスモデルを展開。「LEGALAND(リーガランド)」というブランドの高級感ある賃貸マンションを開発し、富裕層向けに販売している。これまで約75棟、約1000室の開発実績がある。  2015年にできた第一号物件は東京都世田谷区にあり、最寄り駅から徒歩8分。多く の物件は1棟に10〜35戸ほどの部屋があり、1室25平米前後の単身、少人数世帯向け。人気エリアで、徒歩10分以内の駅近にこだわる。 「販売価格は安くて3億円、高級なもので8億円、平均すると5億円前後が中心です。利回りは4〜5%」(同氏)  ユニークなのはあえてエレベーターを設置しない設計。「エレベーターを付けないことで、部屋の床面積を広げられます。これによりレンタブル(賃貸可能な面積)比が高くなり、賃料収入を最大化できます」と平野社長。また、エレベーターがないことで保守コストが下がり、賃貸オーナーの負担が減る。  また、半分ほどの物件には地下空間もあり、コンパクトでありながらも、できるだけ貸し出せる面積を増やしている。  ただ、同社の物件は4階程度のものが多く、エレベーターがないと入居率が下がりそうだが、「駅から近い物件がほとんどで、立地条件が良ければ階段でも苦にはしないもの」と平野社長は話す。


▼ 賃貸マンション「LEGALAND(リーガランド)」。東京の人気エリアに開発する



























相続税対策が後押し


購入理由は相続税対策が多い。「収益性がいいから買うというよりも、相続税対策で、という方が増えています。この層は分厚くて、団塊の世代が今73歳なんですが、これが80代にかかってくると爆発的に増える。この10年間の間にこのマーケットリーダーになりたい」(同氏)  この新築マンションはソリューション事業の売上高208億円の内、約2割の40億円程度。大阪でもリーガランドを7棟手掛けているが、買い手が東京に比べて少ないと分析。「富裕層の数が違う。大阪は東京に比べて10分の1くらいでしょう。富裕層が好むアドレスも大阪は少ないため、賃貸ではなく民泊やホテルに力を入れている」としている。  新たなサービスとして始めたのが「セットアップオフィス」というビジネス。これは5億円くらいの中古のペンシルビルを買って、リノベーションし、家具を設置した後、建物一棟を法人に貸し出すというもの。東京・代々木の物件は、延べ床面積で100坪程度の物件。改装前の賃料は200万円程度だったが、300万円に上昇。利回りは8%と収益性が高まった。 「100坪程度のオフィスを借りたいと思っている企業は多いのですが、なかなか空いていないためニーズがある」(同氏)  東京では2〜3棟目が進行中だ。  また、金融メディアを運営するZUUと共同で賃貸オーナー向けウェブメディア「YANUSY(ヤヌシー)」も昨年の7月にスタート。情報提供を通じて、オーナーの満足度を高めたい考えだ。  2020年7月期決算では売上高が前期比43%増の341億円という大幅増収を計画。 営業利益は8%増の25億円を見込む。課題は自己資本比率の低さ。物件購入のために資金が必要なビジネスではあるが、前期は7・5%。平野社長は最大の経営課題として、早期に10 %以上に高めていく方針だ。


© 2019 青潮出版株式会社

  • Black Facebook Icon
  • Black Twitter Icon