• 株主手帳編集部

三和ホールディングス【5929・東1】シャッター、産業用ドアのトップメーカー「動く建材」のグローバル・メジャー目指す

三和ホールディングスは、シャッター、産業用ドア等の製造・販売を世界展開するトップメーカーだ。多品種化とグローバル化を戦略の柱として業績を拡大しており、現在、25の国と地域にて事業を展開、生産拠点は60カ所に上る。2019年3月期には売上高4099億円を達成。日米欧の3極体制を基軸に「動く建材」のグローバル・メジャーとしてのブランド確立に注力している。


髙山靖司 社長

Profile●たかやま・やすし1971年2月3日生まれ。2006年三和シヤッター工業(07年持株会社体制に移行し三和ホールディングスに商号変更)入社。12年6月同HD取締役、16年4月執行役員副社長 社長補 佐、17年4月代表取締役社長COOに就任(現任)。19年4月三和シヤッター工業代表取締役会長に就任(現任)。




第3の柱を育成 間仕切製品に注力


 三和ホールディングスの創業は、1956年に兵庫県尼崎市に設立された三和シヤッター製作所だ。シャッター専業からスタートした同社は、60年代にシャッター業界トップとなり、その後ドア事業に進出。80年代以降はM&Aによる多品種化を推進し、フロント製品、ステンレス製品などへとラインナップを広げた。また、90年代以降はグローバル化を推進。日本においては鋼製シャッターや産業用ドアなど6分野、米国では2分野にて市場シェアトップを占め る。  売上高4099億円(19年3月期)のうち、国内事業の売上高は5割強を占める。主力はシャッター、ドアの2分野であり、20年3月期の製品別売上高予想はビル・マンションドアが574億円と売上全体をけん引。シャッター分野も重量、軽量合わせて482億円を見込んでいる。  ただ、国内市場は長期的に大きな成長が見込みにくく、特にシャッターにおいては既にシェア5割を占めていることから、第3の柱の育成を推進。空間を仕切る「間仕切製品」に注力し、17年には日本スピンドル製造から学校間仕切を主力とする建材事業を買収した。20年3月期の間仕切製品部門の売上高は142億円を計画している。 「間仕切製品の市場規模は2000億円と大きく、当社のシェアはまだ10%以下なので今後伸ばす余地があります。専業メーカーが多い分野ではありますが、シャッターやドアの顧客に対して提案できる強みを生かして差別化を図っています。既にトイレブースはゼネコンさんへの営業力を生かしてシェア2位に来ています」(髙山靖司社長)


受注から施工、メンテまで 一気通貫の体制を確立


同社の国内事業における強みの1つに、3800人超の施工技術者を全国に配置した施工体制がある。受注から施工、メンテナンスまでの一気通貫の体制を確立しており、近年ではメンテナンス分野の売上を大きく伸ばしている。また、19年9月に鈴木シャッターをLIXILから買収。メンテ強化の一環であり、鈴木シャッターの売上高127億円(19年3月期)のうちの約半分はメンテナンスによるもので香港やマカオにも進出している。

「防火シャッターや防火ドアなどの防火設備の定期検査が法律で義務化され、19年から本格運用となり売上増に貢献しています。鈴木シャッターは鉄道系や百貨店などに強い会社であり、大きなシナジー創出が期待できます」(同氏)  施工のネットワークはエンドユーザーとの接点となり、近年増えている自然災害への緊急対応を可能にしている。19年秋の台風で被害を受けた千葉県からは6000件以上の問い合わせがあり対応を急いでいる。また、浸水対策として防水シャッター等の防水商品の引き合いが殺到しているという。 「防水商品の市場規模は約100億円、そのうち当社が約20億円とシェア2割であり、今後伸ばせる分野。災害から建物や生活を守るのがシャッターやドアの役目であり、使命感を持って取り組んでいます」(同氏)









▲ウォーターガード 防水シャッタ―



日米欧の3極体制を構築 グループシナジー訴求へ


同社は近年、「動く建材のグローバル・メジャー」を掲げ、海外企業買収を積極的に行っている。1996年に米国オーバーヘッドドア社(ODC)、2003年に欧州ノボフェルムグループを買収し、日米欧の3極体制を構築した。海外売上高比率は46・4%(18年度)を占める。  ODC社の売上高は約1166億円(19年3月期)。米国、カナダ、メキシコで事業を展開し、約450カ所の代理店網と直販体制を持つ。ノボフェルムグループの売上高は735億円(同)。主力のドイツを核としフランス、イギリス、オランダなどで事業展開する。 「米国経済は強く環境が良好。ODCの利益率を現状の約8%から引き上げたい。欧州ではローカル企業を買収し拡大しています。2014年に買収したオランダのアルファ社では、設備投資を行い生産能力が倍増しました」(同氏)  中国・アジアは今後の成長が期待できる分野だ。顧客のローカル化を推進しシェア拡大を目指している。  同社が扱う建材には地域特性があり、現在は日米欧のそれぞれの地域で事業展開しているが、長期的な戦略として世界市場におけるグループシナジーを訴求していく、と髙山社長は話す。 「当社は日米欧に足場があり、幅広い製品ラインナップをそろえることができます。新興国にアプローチする際、その多様な製品群から現地のニーズに合う製品を提供するなどしてグループ各社のシナジーを発揮していきたいと考えています」(同氏)