• 株主手帳編集部

エスクロー・エージェント・ジャパン【6093・東1】専門士業のネットワーク化でワンパッケージサービスを提供


 エスクロー・エージェント・ジャパンは、不動産取引に、中立的な第三

者として関わる『日本版エスクロー』企業だ。不動産の手続きは不動産業者、金融機

関に加え、司法書士や土地家屋調査士等が分業するが、同社は関連する専門家を集め

たプラットフォームを構築。そのネットワークで“早く・安く・簡単に”行うオペレー

ションシステムを作り、金融機関等から業務受託するサービスで成長している。




本間英明社長

ほんま・ひであき

1957年11月生まれ、中央大学卒業。1982年本間英

明土地家屋調査士事務所開設。2004年アイディー

ユー総合事務所 (マザーズエスクローに商号変更・

同社前身) を設立。2007年4月、同社を設立し、代

表取締役社長就任(現任)。






エスクローサービスとは、商取引の際に中立的な第三者を仲介させ、取引の安全性を担保す

るしくみだ。自ら土地家屋調査士、行政書士である本間英明社長は、前職で司法書士や税理士、不動産鑑定士等を集めた合同事務所を開設しワンストップサービスを実現。さらにアメリカのエスクロー制度を参考に、日本の煩雑な不動産取引の効率化と利便性向上を目指し、同社を設立した。

 「アメリカの不動産取引では、決済までの必要書類の作成や確

認、清算手続きなどは中立的な第三者のエスクローが行います。また権利関係はタイトルカンパニーが調査して保証します。この2つのプロによるサービスで契約者は煩雑な作業から解放されます」(本間英明社長)

 

 同社は、中立的な第三者『日本版エスクロー』として2つの事業を両輪に展開しているB

PO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)事業は、不動産に関わる専門家をネットワーク化することで、多くのプレイヤーで分断される手続きをワンパッケージに集約。金融機関や不動産業者等から不動産の契約に関わる業務を一括で受託し、人を派遣、または請け負ってその手数料を収益としている。

 「リーマンショックで金融機関の破たんが相次ぎ、銀行はリスクとコストを外に出そうと考えるようになったのですね。行員がやるより、当社のオペレーションの方が早く、安く、簡単にできるので、大量の業務を受託するようになりました。金融機関の業務効率化や、行員を持たずに全国展開するネット銀行なども増え、市場は拡大し続けると思います」(同氏)

 

 エスクローサービス事業では、同社が構築したオンラインプラットフォームシステムを専門家に提供し、その利用料を収益としている。現在、司法書士をはじめとする1000名強の専門家が登録。ネットワークに参加している。

 「小売業でも町のパン屋や本屋などの業種の時代から、全てそろったコンビニエンスストアとなり、全国に拡大しました。同様に、専門家たちも当社が1業態としてコーディネートすることで、格段に便利になると思いました」(同氏)

 

 2019年2月期の連結売上高は前期比5・1%増の31億700万円、営業利益は同45・6%減の3億8500万円、経常利益は同45.4%減の3億9600万円。前期は、新規の金融機関との契約に遅れが出たこと等で当初計画から下方修正した。一方で、銀行向けのビジネスモデルが完成し、その水平・垂直展開となる新サービスの採用が決まっている。

 「例えば、日本郵便さんが提供される、相続に関わる事務を当社の信託が担当させていだ

きます。また不動産会社向けでは、非対面で24時間・365日、売買仲介取引、決済まで可

能なサービス『H'OURS』で、大手不動産チェーンとの契約が決まりました。そのほか、建設業など、業務の効率化を進めたい業界は数多くありますので、サステナブルなストックビジネスとしてしっかり市場を取り、その蓄積データの活用なども考えていきたいと思っています」(同氏)



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