• 株主手帳編集部

東リ【7971・東1】進化・深化・真価を軸に成長目指す 10 億円の商品育てるPJ推進

床材やカーペット、カーテン、壁紙などインテリア製品の製造・販売を行っているのが東リだ。現在、プロダクト事業から卸、工事にも広げ、年間約900億円の売上比率は半々だが、長年培った製造ノウハウにはこだわりを持つ。中期経営計画「SHINKA─100」では、①「進化」コア事業の進展と創造、②「深化」深掘りによる成長性の求、③「真価」成長と信頼を支える事業基盤の強化という3つの「SHINKA」を掲げている。


永嶋元博社長

◎プロフィール ながしま・もとひろ 1959年12月生まれ、千葉県出身。学習院大学経済学部卒業。1982年4月、東洋リノユーム(現東リ)入社。2007年執行役員、08年取締役を経て、2012年4月代表取締役社長に就任(現任)。






国内で唯一単層シートを製造


─2019年に創業100周年を迎えました。コア事業である「床材」に強いメーカーとしてどんなこだわりを持っていますか。

永嶋元博社長(以下、永嶋) 当社は大正時代、日本で初めて床の敷物を作った会社です。床材は足で踏むので、高い耐久性がないといけません。細部にわたってどのように機能を高めていくのかが最も蓄積してきたノウハウだと思います。また、防滑性や抗菌性などの機能やデザイン性を高めるために、どのような技術やノウハウを駆使するのかがひとつの大きなポイントですね。

─ 最近は特に病院や介護施設に向けた高耐久な床材に力を入れています。これは成長が見込めるマーケットですね。

永嶋 2018年に単層ビニル床シート「ヒトエ グランザ」「ヒトエ ファイン」を発売しました。実は国内で本格的に単層シートを作っているのは当社だけです。単層シートは海外輸入品が圧倒的に多く、国内需要がありませんでしたが、少しずつ単層シートの技術が増えてきた。海外輸入品は安価ですが、海外のヘルスケアマーケットで単層シートが使われるケースが多く、将来を見据えても単層シートの技術を身につけておくべきだとずっと思っていました。社内では「あまりマーケットは大きくないし、設備投資するメリットがない」と反 対されましたが(笑)、どうしても作るべきだと。

─社内の反対を押し切って作った結果はどうでしたか。

永嶋 一昨年の発売後、評判は非常に良く、受注は増えてきています。耐久性もかなり高く、抗菌性もあり、ノーワックスです。「ヒトエ ファイン」はグッドデザイン賞を受賞しました。

─供給先は非住宅向けがメインで大体6〜7割と聞いています。

永嶋 床材系、カーペット系は非住宅寄りです。塩ビ床材ではマンション共用部用に向けた商品などもありますが、使われる面積はどんどん減ってきているので圧倒的に非住宅ですね。

─床材は国内ではトップシェアでしょうし、グローバルで見てもかなり高いシェアなのでは。


永嶋 塩ビ床材とカーペット関係の分野だと、商品によって異なりますが総じて平均すると4〜5割くらいです。海外マーケットだとタイルカーペットは上位に位置していますね。













▶︎タイルカーペットの「GA-100T」。 3柄22アイテムで展開













▲単層シートの「ヒトエ ファイン」。 グッドデザインを受賞



カーテンの新見本帳で提案


─中期経営計画で「伸びしろ」として掲げているひとつがカーテン事業です。これまでは苦労されていたようですが、最近新しい見本帳「fuful(フフル)」を出しましたね。

永嶋 カーテンは見本帳のコストが大きくかかるので、今までのやり方だと採算が合わない。思い切ってワンブックにしていろんなご提案をできるようにしました。中には特徴のあるとがった物も入れて、その中で選びやすさを追求しています。

─壁紙についても、日本では白物ばかりでなかなか付加価値が上がりません。しかし最近は若い人達がデザインクロスにチャレンジしています。需要創造の工夫次第では伸びるのでは。

永嶋 これは当社というよりは日本壁装協会の取り組みですが、Re壁(リカべ)プロジェクトが非常に良いです。多くの人は「リフォーム」という言葉にキッチンやトイレばかり集中して、おまけで壁紙も変えるという傾向にあります。そうではなく、Re壁という言葉を一生懸命うったえて、壁紙だけを変えるのだって良いよねということを意識してもらう。やはり業界を挙げて働きかけて、一般ユーザーの方に向けた取り組みは重要ですね。

─ 今期から従来の海外営業部を「グローバル戦力推進部」に改称されましたが、海外事業も今後、大きな伸びしろが期待される分野でしょう。

永嶋 海外の販売拠点は上海に有限公司を設立し、シンガポールにブランチオフィスという形で営業マンが駐在しています。ASEAN地域強化のため、設計事務所の多いシンガポールにブランチオフィスを構え、PR強化しています。しっかり情報収集してメーカーとして販促活動を行っていくことが重要です。

─建材業界でもTOTOなど海外展開で先行している会社は代理店開拓が進んでいますが、御社はどうですか。

永嶋 ASEANと中国、中東、オーストラリア、アメリカなどの国と地域に販売代理店25 店舗設置しています。海外事業の売上高は連結ベースで約18億円でまだまだ少ない。まずは 25〜30億円、その次は50億円を目指したいですね。

─2016年度に過去最高益を出しましたが、その後やや後退。今期の中間決算時には、連結ベースで売上高940億円、経常利益を26億円に上方修正しました。目標の売上高980億円、経常利益50億円はキープしていますね。

永嶋 私どもにとってひとつの大きなテーマである経常利益50億円を目指すのが当面の目標です。2020年には今年度の見通しも含め、最終年度の予算組みもします。その中で、ある程度目標がみえた時点で最終年度の目標を今年4月に開示します。


10億円超え製品を10増やす

─ 中期経営計画での「深化」のテーマの1つに単一製品で年間売上高10億円超の中核商品を育成していく「10億円プロジェクトの推進」を打ち出しています。

永嶋 次の柱となる候補の商品を10商品ほど選び、それに対する取り組みを行っていくというものです。現在、年間売上高が10億円を超える単一製品は10商品くらいしかないので、もっと増やさないといけません。営業マンがどのように商品を拡販し、技術職がどのように付加価値やデザイン性を高めていくのか。また、商品の課題を克服しながら営業職とどのようにタイアップしていくのかを進めていきます。

─次の東リの100年をどのように作っていきますか。

永嶋 きちんと次の世代に渡っていく道筋を作ることが重要です。今までは、流れに任せればなんとかなるということがありましたが、これからはそうではない。次の100年ではなく、100年の先に向けてどうするか。5年、10年先の目標を見据えて、どのように取り組んでいくかの積み重ねが次の100年だと思います。

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