• 株主手帳編集部

毎日コムネット【8908・東1】開発から管理まで学生マンション事業のワンストップ化管理戸数1万戸、191億円の売り上げ目前

毎日コムネット(8 9 0 8)は、学生マンション市場にいち早く注目し業績を拡大してきた。2002年のJASDAQ上場時が売上高27億円だが、20年5月期には191億円と約7倍を見込む。都内特化で差別化を図ってきた同社だが、今後は全国展開も本格化するという。


伊藤 守社長

Profile●いとう・まもる1951年生まれ。神奈川県出身。立教大学社会学部卒業。1979年トラベル・ドゥ・インターナショナル(後の毎日ツーリスト)を設立、代表取締役社長に就任(現任)。1997年に 毎日ネットワーク、毎日建物を吸収合併し、毎日コムネットに商号変更。








都心23 区で差別化 入居者の7割が女子


─昨年で創業40周年を迎えました。2002年にJASDAQ上場、18年に東証二部への市場変更を経て、一部上場を果たしています。少子高齢化の中で学生特化型は難しいと言われましたが、御社は業績を拡大してきました。


伊藤 学生マーケットは20年前も、これまでも誤解している人が非常に多い。確かに、子どもの人口は減っていますが、首都圏の大学生数は横ばいで推移しています。上場時、証券会社や証券取引所の担当者から「これから少子化で子どもが減少していく。学生市場が先細る中での上場は厳しいのでは」と懐疑的な質問を受けたことを今でも覚えています。

─学生マンションや学生寮の開発、サブリースによる運営・管理を主力に、20戸程度の小型物件から800戸超の大型施設、食事付など、多様な物件を手掛けていますね。

伊藤 上場翌年の2003年当時は管理戸数2200戸でしたが、順調に成長してきています。現在では約4・4倍の9520戸です。20年5月期は管理戸数1万戸を超える見込みです。時価総額でみると当時は約20億円でしたが、現在は時価総額170億円を超えました。

─同業他社では全国に広く展開するところもありますが、御社は東京圏に特化し差別化を図ってきました。

伊藤 当社の多くの物件が23区に立地しています。これが他社との大きな差別化になっています。近年、多くの大学で都心回帰をしていますよね。22年には中央大学が後楽園にきます。当社は、当時から都心回帰を見越して23区に特化してきました。

─首都圏の大学生数は安定して推移しています。御社の物件では、入居の7割が女子学生と聞いています。

伊藤 女性向けマンションではないのですが、初めて親元を離れる女子学生の親としては、セキュリティを心配する声が多い。女子学生は2009年の47万人から10年の間に52万人にまで増えていることも背景にあります。

─14年間連続で入居率100%と公表しています。

伊藤 はい、4月時点の入居率は100%です。親が支払うため、家賃回収率も100%ですね。この100%にはいったん忘れてしまって期日までに入金するというのも含んではいます。大学が一棟借り上げているものもあります。


65%以上が法人オーナー 約1000戸保有する企業も


─オーナーへ提案・企画から建設、サブリースまで一貫して行えるのが強みです。最近では、物件オーナーに潤沢な資金のある法人の比率が上がっています。

伊藤 大手企業の学生寮参入が目立ちます。近年のリリースでは三井不動産レジデンシャル、続いて大成有楽不動産が事業主です。名前は出せませんが、金融機関の子会社やリート各社もあり、1000戸近く持っている法人オーナーもいます。年々法人オーナーの比率が上がっており、現在は法人65%、個人24 %です。


─大手事業主なら自社でできそうですが、「学生マンションは毎日コムネット」の認知が進んでいるのですね。法人比率が高いのは意図的に目指したのでしょうか。

伊藤 いえ、結果的にそうなりました。建築コストの高騰で、個人オーナーが投資するほどの利回りが望めません。物件によって全く違いますが、平均的な利回りは5〜6%くらいです。この利回りでも、大手企業の法人オーナーであれば十分な投資利回りと言えます。

─年々、サブリースの割合も増えています。

伊藤 こちらもオーナーの意向によるところが大きいです。大口のオーナーがサブリースに切り替えたことや、新規の管理でサブリースの意向が多いことなどが理由です。過去の数字と比較すると、11年5月期のサブリースは76%でしたが、19年5月期は82%となっています。

─国策で留学生を確保しようという動きの中で、御社の入居者に変化はありますか。

伊藤 留学生の入居者は増加していますね。日本でも、英語で授業をする大学が増えてきました。19年に開業したある大学の学生寮では、学生だけでなく、海外からの研究者の家族なども入居でき、研究施設や産学連携施設を併設しています。当社の担当者も英 語と中国語を使っています。

─これから学生寮市場はより活発になるのでしょうか。伊藤 世界の趨勢で見れば、日本の学生寮投資市場は後れを取っています。アメリカには学生寮だけで上場しているリートがあり、英国で設立した学生寮開発の企業は既に日本へ進出しています。近年、大手企業が学生寮市場へ参入しているのは、海外市場を見ていることもあると思います。

─今後は全国展開をしていくと発表していますね。

伊藤 はい。今後、ピンポイントで地方の積極展開をしていきます。現在は大阪、広島、20 年春には新潟、京都で開業します。全国エリアといえども、どこでもやるということではなく、歴史のある国立大学など、キャンパスが動かないところを狙います。

─地方展開に伴い、地元との連携はどうされますか。

伊藤 全国の賃貸管理会社と協業をしています。16年からは京都のフラットエージェンシーと資本提携をしました。地方物件に関しては、企画の段階から地元有力企業に入ってもらい、パートナーとして一緒に物件を作り、仲介や管理を委託していきます。












物件例。「カレッジコート広島大学前」外観












食事付き学生マンション「カレッジコート富士見ヶ丘」

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