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鳥羽洋行【7472・東S】FAに強み持つ機械工具専門商社


創業117年にわたる信頼で製造現場の課題貢献

今期過去最高の売上高300億円を目指す


 鳥羽洋行は、創業以来機械工具を扱う専門商社だ。“信用第一主義”を掲げ、ユーザーとの強い信頼関係を築いている。2024年3月期連結業績は、売上高300億円(前期比1・8%増)、営業利益18億円(同6・2%増)を予想する。過去最高となる売上高300億円に向け、今後の取り組みを聞いた。


 
遠藤 稔社長

Profile◉えんどう・みのる

1958年10月生まれ。81年、鳥羽洋行入社。91年、同社東京第二営業所長。2004年、同社取締役第三ブロック営業部長就任。08年、鳥羽(上海)貿易有限公司総経理就任。16年、同社常務取締役営業本部長就任。22年、鳥羽洋行代表取締役社長就任(現任)。

 

「直販型」機械工具専門商社

売上約5割は半導体関連



 鳥羽洋行の歴史は古く、鳥羽真作氏により明治39年9月、現在の中国・大連において創業。この地で二代にわたり鉄道(南満州鉄道)、鉱山、機械、船舶などの工業部門における機械工具、鉄鋼、ゴム製品などの生産および販売を行ってきた。中国の主要都市と日本併せて16支店、5工場を有していたが、終戦により全事業が一時中断。戦後の昭和24年12月、東京都中央区銀座に鳥羽洋行を新たに設立。設立当初は弱電(家電)メーカーの多くがクライアントで、各社が家電製品から電子製品、半導体へと事業領域を拡大する流れを上手く掴んで事業を成長させてきた。また、製造業の生産現場に不可欠な空気圧機器にいち早く着目し、「空圧の鳥羽」と呼ばれるようになる。そして現在では、国内に22カ所の営業所と、中国・ベトナム・タイの3カ国に5営業所がある。

 同社の事業分野は「FA(コンピューター制御技術を用いた工場の自動化)機器」「制御機器」「産業機器」の3つ。

 売上の約5割を占めるのが「FA機器」。主力の半導体製造装置や電子部品、産業用ロボット(大型・小型・協働)などを取り扱う。「制御機器」はエアシリンダーやバルブなどの空気圧機器を扱う。「産業機器」は電動ドライバーやベルトコンベアなど幅広く取り扱う。



営業の約6割が国家資格等取得

技術商社の付加価値底上げ


 同社最大の強みは、顧客へ直接販売を行う顧客密着型の販売体制を確立している点だ。約1200社の仕入れ先から商品を仕入れ、大手メーカーをはじめとする顧客は、約1100社に上る。110名の専門知識を有する営業マンが顧客の本社や工場などを実際に訪れ、最適な提案を組み上げている。

「当社は、直販にこだわりをもっています。直接お客様の顔が見えることで今抱えている課題をタイムリーに知ることができ、その課題に見合ったソリューションサービスを提供できるからです」(遠藤稔社長)

 直販体制を支えているのが、営業担当者の専門性だ。国家資格である空気圧装置組立て技能士1級・2級に加え、各メーカーのSE(セールスエンジニア)認定資格の取得を推進する。

「技術商社として、空気圧装置組立て技能士1級・2級はマスト。女性営業職も意欲的な社員は取得しています。加えて、メーカーのSE認定資格を取得することで、メーカーの代行営業を行っています。ユーザーに商品のメリットをきちっと訴求し、提案できるのが当社の強みです」(同氏)

 収益性向上施策にも、直販体制の強みが活かされる。同社は2016年頃より、単品販売から装置システムへ販売強化してきた。この時期、2008年から8年間中国の営業拠点立ち上げを行っていた遠藤稔現社長(2016年当時は常務取締役営業本部長)が日本に戻り、営業現場の効率改善を進めてきた。

 生産設備の自動化装置を請け負い、結果として装置ビジネスで年間40億円を上回る販売実績を上げている。

「当時の営業社員は待機システムを除き、携帯電話とデスクトップパソコンしかなく、メールチェックをするために会社に戻らなければならない状況でしたので、出先でもメールチェックや各メーカーの動画をプレゼンできるようにタブレット端末を支給しました」(同氏)



成長のカギは新規顧客開拓

配当性向5期連続35%以上


 2024年3月期第2四半期業績の売上高は138億700万円(前年同期比8・4%減)、営業利益7億3100万円(同20・3%減)で着地。自動車関連設備は需要回復により、販売が好調に推移。一方、メモリ半導体は需要減により販売が低迷した。業種別売上構成比(2Q単体)は、半導体・液晶および電子部品が45%、自動車・車載部品16・1%、伝導・FA・精密17・7%、医療・食品5・9%、環境・エネルギー4・7%、その他10・7%となった。

 同社は老舗商社であるが故に既存顧客は多様で、安定した業績が見込める。一方、今後の成長には新規の顧客開拓がカギになる。顧客獲得に向け、第3回工場内の協働ロボット利活用展(23年7月26日~28日・東京ビッグサイト)や、第26回関西機械要素技術展(23年10月4日~6日・インテックス大阪)など大型展示会に出展。これらの取り組みが功を奏し、順調に開拓を進めている。そして、今期は連結売上高300億円を見据えている。

「中国市場の消費回復は未だ不透明で厳しいですが、半導体市場の潜在需要は旺盛で受注は増加傾向です。今後もクライアントの変化をしっかりとキャッチアップしていきます」(同氏)

 株主還元は、配当性向35%以上、1株当たりの下限40円を基本方針とする。24年3月期の配当性向は38・3%、1株120円を予定する。




▲同社が取り扱う一部製品


 

2023年3月期 連結業績

売上高

294億8,200万円

0.8%減

営業利益

16億9,400万円

14.1%減

経常利益

18億円

12.7%減

当期純利益

14億2,900万円

0.4%増


2024年3月期  連結業績予想

売上高

300億円

1.8%増

営業利益

18億円

6.3%増

経常利益

19億円

5.6%増

当期純利益

12億9,000万円

9.7%減


※株主手帳24年1月号発売日時点




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