SERIOホールディングス【6567・マザ】就労・育児の両面で女性活躍を支援 保育園民営化で24年に売上110億円へ


 SERIOホールディングスは、子育て世代の女性向け就労支援をはじめ、学童保育、保育園運営の3事業を行う企業だ。「家族の笑顔あふれる幸せ創造カンパニー」をビジョンに掲げ、就労と育児の両面から女性の活躍を支援する。2021年5月期は全事業とも伸び、5期連続の増収増益となった。内閣府による女性就業率アップの施策などを追い風に、24年5月期に3カ年の中期経営計画では売上高110億円、営業利益5.3億円を目指す。

 

若濵 久社長

Profile◉わかはま・ひさし

1967年生まれ、島根県出身。88年松江松下電器(現パナソニック)入社。ジオン社長、クリスタルリレーションズ社長などを経て、2005年に前身となるセリオを創業。16年にSERIOホールディングスを設立し、代表取締役社長に就任(現任)。





 

人材派遣・学童・保育の3事業

売上比率はそれぞれ3割


 同社は2005年、主婦層を対象とした人材派遣・業務委託などの就労支援事業から始まった。市場規模は7・8兆円といわれる人材紹介業界には大手企業が多数参入するが、同社は30~40代の子育て中の女性が働けるパートタイム型派遣に特化した。同事業を堅実に伸ばしつつ、さらに「子供を預かる受け皿がないと女性の就業は難しい」と、2010年に小学生を対象とした学童保育などの放課後事業を、12年に未就学児童を対象とした保育事業を立ち上げた。

 その後、女性の就業率アップのための施策が国主導で積極的に進められ、各自治体で公立の学童施設、保育園の民営化、民間受託化が始まる。同社は大阪市を皮切りに、運営する公的施設を徐々に増やしていった。

「早くからの運営実績で、当社だからと任せていただくことも多くありました」(若濵久社長)

 現在は、学童保育143施設、保育施設40施設、計183施設を運営する(21年8月末時点)。

 21年5月期の事業別売上高比率は、就労支援事業、放課後事業、保育事業がそれぞれ、ほぼ3分の1を占める。3事業の業績は各前年比15%以上に伸びており、コロナ禍など社会環境が変わっても足腰の強さを実感しているという。


就労支援、放課後、保育

同業他社にはない強み生まれる


 祖業の就労支援事業では、現在約3万人が登録し約1000人が働く。業種別では大手家電メーカーの修理受付などコールセンター業務が過半数で、次いで軽作業・物流系が21・0%、経理など事務系が20・1%を占める。

「週3で5時間、週5で午前中だけなど、シフトをパッチワーク状に組み合わせるマッチング力が当社の強みです。また例えばコールセンターでは朝早い時間と夕方、経理では月末など業務が集中する時に人員を多く配置するなど、繁閑期を見極めて提案し企業側にはコスト削減、働き手には働きやすさで評価されています」(同氏)

 放課後・保育事業では10年、大阪・茨木市に民間放課後アフタースクール「トレジャーキッズクラブ」をオープン。続いて私立小学校内での学童保育も開始した。すると学校内での学童保育運営の実績を買われ、13年に同社は、大阪市立小学校の学童保育の受託運営を民間企業で初めて任された。現在は他の自治体にも拡大し、運営する143施設のうち、公立学童保育は132施設、預かる子供の数は計1万9320人と全体数の約9割にまで成長した(21年5月期末時点)。

 閉園する認可外保育園を譲り受け12年にスタートした保育事業でも、14年に大阪市で民間企業による認可保育園の経営が始まると、すでに実績のある同社が開設を認められた。待機児童問題の高まりから、今では大阪・東京を中心とした認可型保育園36園を含め保育施設40施設を運営し、1670人の園児を受け入れている(21年5月期末時点)。

「就労支援、放課後、保育、3事業を一緒にやっている会社はなかなかないので、就労支援事業では当社を選んで登録してくださる女性も多い。同業他社にはない強みとなっています」(同氏)


民営化、首都圏に伸びしろ

関わる家族の笑顔をつくる


 21年5月期は売上高が前年同期比18・3%増の82億1800万円、営業利益が同147・1%増の3億3700万円と5期連続の増収増益となった。放課後・保育事業の計16施設の新設、就労支援では業務の過半数がコロナ禍でも休業しないコールセンターだったことや新規大型案件などの増収、コロナ下における放課後事業の労務費などが大幅な増益要因となった。

 22~24年5月期の中期経営計画では、同社のビジョンである「家族の笑顔あふれる幸せ創造カンパニー」を具現化し、「仕事と家庭の両立応援」「未来を担う子どもたちの成長応援」をミッションとする。

 内閣府は学童保育、保育園の定員拡大を受け皿として25年までに女性の就業率を82・5%にまで上げることを目指しており(20年は70・6%)、同社の3事業はまさにこの政策に合致する。また、子供の数は中長期的には減るものの、放課後事業では民間企業が運営する施設数は全体の10・5%とまだ少ない。保育事業でも園児数は増え続けており、首都圏など需要の高い地域に重点的に展開することで伸びしろはあるという。

 また21年1月には「歩きたての子供でも熱中症やケガを気にせず裸足で走り回れるように」と、保育園・幼稚園への芝生の販売・施工・管理を行う新規事業「セリオガーデン」を開発した。自動の草刈ロボットや水やり機などを使用するため、導入側はメンテナンスフリー。今後3年間で約100カ所の受注を目指す。

 同社では既存3事業の強化と芝生事業も加えた多角経営で、今後も安定した成長を見込む。中期経営計画最終年度の24年5月期は、売上高110億円、営業利益5億3400万円となる予定だ。

「24年までに派遣稼働スタッフを1300人、放課後事業では180施設、利用者2万4000人、保育事業では55施設、登録園児数2200人に増やしたい。そして社員も含め、それぞれが4人家族と想定し、『関わる家族15万人の笑顔をつくる』を目標にしています」(同氏)




▲働く女性のニーズに沿って事業を拡大


 

2021年5月期 連結業績

売上高

82億1800万円

前期比 18.3%増

営業利益

3億3700万円

同 147.1%増

経常利益

3億4400万円

同 105.5%増

当期純利益

2億2300万円

同 121.3%増


2022年5月期 連結業績予想

売上高

90億円

前期比 9.5%増

営業利益

2億7500万円

同 18.5%減

経常利益

2億7000万円

同 21.7%減

当期純利益

1億7500万円

同 21.5%減

※株主手帳3月号発売日時点