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AGS【3648・東1】埼玉を基盤に金融・公共・法人の3領域にサービスを提供 りそなグループから独立したIT総合会社

AGSは、拠点の埼玉県で最大規模の独立系システムインテグレータだ。独自のデータセンターを擁し、金融・自治体から一般企業に至るまでのシステム構築、 保守・運用まで、ICTサービスを提供。近年は、コンサルタント分野を強化し、中小企業のIT化のサポートに注力している。

 Profile●はら・としき

1960年4月生まれ、兵庫県出身。関西大卒。1982年協和銀行(現りそな銀行)入行。りそなホールディングス代表取締役副社長などを経て2018年6月AGS取締役副社長執行役員、19年6月、社長兼社長執行役員法務統括室担当(現任)。



システム開発、運用までワンストップサービス


 同社は埼玉県に本社を置く、独立系のIT総合サービス企業だ。前身はりそな銀行のグループ会社として、銀行向けの受託計算サービスなどをしていたが、2004年に独立。最先端のデータセンターを設け、金融から自治体の行政システム、一般企業向けに情報サービスを展開している。

 2019年3月期の連結売上高は、前期比1・0%増の196億6600万円、営業利益は同0・4%増の8億2200万円、経常利益はほぼ横ばいの8億6300万円。売上高の構成比は、情報処理サービス51・7%、ソフトウェア開発27・9%、その他情報サービス12・3%、システム機器販売8・1%となっている。

 グループ会社として、情報機器の導入・保守を行うAGSビジネスコンピューター、コンピューターシステムの運営管理を行うAGSプロサービス、コンサルティングを行うAGSシステムアドバイザリーの3社があり、連携しながらワンストップサービスを提供している。社員数は連結で1006名。そのうち開発系が432名、運用系が15

3名、営業系が94名となっている。

「銀行や自治体向けのいわゆるクラウド型のデータセンタービジネスに実績があります。サーバをお預かりし、パンチ入力業務などをBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)でお受けしています」(原俊樹社長)

 また近年、注力しているのが、ITコンサルティング分野だ。今は『その他情報サービス』のカテゴリーだが、コンサルティングに関わる件数は、2015年度の年間20件から2019年度は60件の見込みと急増している。同社は、サイバーセキュリティやBCM(大規模災害に備えた事業継続計画)などへのニーズに対応する成長事業と位置付けている。


リーマンショックを経て教訓は「選択と分散」


現在の取引先は1500社余り。その対象は、りそな銀行などの『金融』、埼玉県内の自治体を中心とした『公共』、一般企業である『法人』でほぼ3割ずつのバランスとなっている。

「経営は『選択と集中』といわれますが、私は『選択と分散』だと思っています。リーマンショックの時、一本足打法の会社は大きな波が来ると一発でダメになる、と身に染みて実感しました。分散が図れていれば、大きな環境変化が起きても、ダメージを最小限に回避できます」(同氏)

 中長期的には、『法人』の中堅・中小企業を伸びしろのあるマーケットと重視している。大手とは違い、中堅・中小企業のIT投資はまだまだ始まったばかり。同社のマザーマーケットは埼玉県内であるが、そこを固めながら、法人数が多い東京の中堅・中小企業を取り込んでいくことを強化している。

 また、同社のりそなグループへの売上高比率は、現在約32%である一方、りそなの取引先と重なる顧客は、外部データによるとおよそ1割に過ぎないという。

「りそなとの良好な関係を維持しつつ、りそなの取引先との取引も拡大していきたいと思っています」(同氏)


戦略的投資を集中して実施 今期は増収減益見込む


2020年3月期の売上高は、0・2%増の197億円と増収だが、利益面では減益予想となっている。その理由については、基盤の拡充やデータセンターの増床など、顧客の利便性を上げ、業績伸長につなげる戦略的な前倒し投資を集中して行うためとしている。

 また同社は、2019年4月、関西アーバン銀行と近畿大阪銀行が合併した関西みらい銀行のシステム統合に関わっている。

「大手都市銀行が21行から5行になりましたが、同様にこれからは地方銀行の再編が始まると思います。金融が得意なのは当社の強みですので、そこもしっかり取っていきたいと思っています」(同氏)

 業務提携・M&Aについても、現在の同社のリソースでは対応できないような事業分野に強みがあるコンサルタント会社との業務提携なども検討している。シナジーを発揮することで、案件の幅を広げていきたいとしている。