and factory【7035・東1】スマホ向けマンガアプリ開発・運用を展開 占いアプリと不動産プロデュースにも注力


 and factoryは「日常に&を届ける」をコンセプトに、さまざまな業界とWebやITサービスを結びつけた事業を展開している。マンガアプリや占いアプリの企画開発・運営をはじめ、IoTを活用した宿泊施設「&ANDHOSTEL」なども手掛ける。創業後初の発表となる2024年までの中期経営計画では、売上高約45億円、営業利益7億円の目標を掲げる。


 

青木 倫治社長

プロフィール◉あおき・りんじ

2006年シーエー・モバイル(現CAM)入社。12年docks入社。15年and factory 取締役SmartphoneAPP Div.担当。15年C-studio設立、代表取締役。19年and factory代表取締役社長(現任)。






 

マンガアプリを協業で運営

チャット形式の占いが人気


 同社は、スマホやタブレットで使えるアプリを開発・運営するAPP事業と、ホステルの運営などを手掛けるその他事業の2事業を展開している。2021年8月期の売上高は30億4400万円(前期比3・3%増)、営業損失は8300万円となっている。

 売上高の91%を占めるAPP事業では、マンガアプリや占いアプリなどを展開している。マンガアプリでは、出版社などのコンテンツホルダーと協業し7つのアプリを運営。Webマンガサービス「めちゃコミック」のスマホアプリや、雑誌掲載の最新話がすぐ読める「ヤンジャン!」「サンデーうぇぶり」など人気アプリが揃う。読者を増やし維持するためのマーケティングや広告宣伝も同社が担当している。同社の7つのマンガアプリを合計したMAU(月当たりのアクティブユーザー数)は、1000万人を突破し国内シェア1位だ。

「出版社は紙のコンテンツを作るのが上手で、それをアプリにし、戦っていくのが我々の役割。ですから受託開発ではなく、出版社と同じ目線で読者のために働き、売上に対して一定割合で利益を得るというビジネスモデルにしています」(青木倫治社長)

 最近は占い事業が大きく伸びている。「uraraca」では、常駐の占い師にチャット形式によって手頃な課金で相談できることが人気だ。またゲーム攻略掲示板アプリなども手掛けている。21年8月期のAPP事業の売上高は27億6700万円(前期比8・3%増)となっている。

 売上高の9%を占めるその他事業では、スマートホステル「&AND HOSTEL」を東京と大阪で計6館運営。専用のスマホ端末で部屋の鍵やテレビ、照明、エアコンなどを一括操作できる。同ホステルは元々インバウンド客向けに企画した商品。最近では「ウェルネス」を軸に健康的なフードやフィットネス体験の提供を行う。21年8月期のセグメント売上は2億7600万円(前期比17・3%減)となっている。


創業から4年でマザーズ上場

スピード感ある経営が強み


 同社は、14年に現会長の小原崇幹氏と青木社長が一緒に立ち上げた企業だ。「モンスターストライク」などのソーシャルゲームで、協力プレイをするための仲間を探せる「最強マルチ掲示板」シリーズなどのスマホアプリで成功を収め、マンガアプリへ進出した。18年9月にマザーズに上場、20年2月には東証1部へとスピーディな指定替えを果たしている。19年に社長に就任した青木氏は、スマホアプリの牽引役となって業績を拡大してきた。

「当社は2つの事業に対して、それぞれプロデューサーを中心にデザイナー、エンジニア、ディレクターを集めたタスクフォースのチームを組んでいる。そのチームの中で意志決定をしていく。他社が企画書の作成や役員会議で決めるところを、現場でお客さんに向き合って決めていくのでスピードが早いのです」(同氏)

 21年8月に発表された同社初の中期経営計画では、そのスピード感をさらに高める予定だ。24年8月までの期間を「安定的な営業利益の計上が可能な収益構造の確立」と、「次期中期経営計画期間での飛躍的な売上拡大に向けた種まき」に注力するとしている。


縦読みマンガWebtoon注力

「第3の柱」住宅事業にも進出


 稼ぎ頭であるマンガアプリについては、海外で注目されている縦読み型フルカラーの「Webtoon」に着目し、パートナー企業とともにオリジナルコンテンツを作成、Webtoonに特化したアプリを新規で立ち上げ、配信を行っていくことを目指す。将来的には他社の書店アプリへの作品提供や、アニメやゲーム化などの展開を目指す。事業全体で1・5億~2億円の投資を行い、24年8月期までにMAU1300万人、5~8億円の売上規模まで成長可能なプロダクトを作るとしている。

「Webtoon作品は分業制で作れるので、しっかりとした原作者を見つけ、絵コンテ、キャラクターデザインなどのスタッフとチームを組んで作業を行うことで、作品を多く生み出すことができる。我々は大きなビジネスチャンスだと思っています。先んじてチャレンジし、蓄積していくことで、実績を示したい」(同氏)

 好調な占い事業に関しても、課金占いを伸ばすと同時に、有名占い師とのコラボアプリをリリースするなどして実績を作り、シェアを拡大していく。

 また、コロナの影響で大きく落ち込んだその他事業において構造改革を行っている。21年8月期に約2億4000万円を特別損失として計上し、同社で開発した宿泊業向けIoTサービスを売却。一方で今後は住宅事業にも進出していく予定だ。

「住宅は日本社会を支える大きな市場で、コロナでも安定していました。現在、住宅用のマンションや戸建てに対するソリューションサービスを準備中です。リリースされればマンガ、占いに続く第3の柱になる」(同氏)

 24年8月期には、売上高約45億円、営業利益7億円を目標にしている。そして、既存マンガアプリ事業以外の収益貢献を全体の3割以上にすることを目指す。

「自分たちの企画や技術をひっさげていろいろな領域に行くのが当社のビジネスモデル。今後も、まったく新しい業界やテクノロジーを発表できる可能性があると思っています」(同氏)



▲7アプリの合計MAUは1000万人以上で国内1位



▲占いアプリは、チャット形式で気軽に相談できるのが人気の一因


 

2021年8月期 業績

売上高

30億4400万円

前期比 3.3%増

営業利益

▲8300万円

経常利益

▲2億3900万円

当期純利益

▲5億6100万円


2022年8月期 業績予想

売上高

30億5000万円

前期比 0.2%増

営業利益

1億7000万円

経常利益

▲4700万円

当期純利益

▲4000万円

※株主手帳2月号発売日時点