• 株主手帳編集部

BEENOS【3328・東1】日本の商品を代理購入し、海外ユーザーに配送するECサービス支援大手クロスボーダーで培ったオペレーション力をグループ全体に拡げる

ヤフオク!、楽天、メルカリなどのECサイトを多言語に翻訳し、海外ユーザーがその国にいながらにして日本の商品を購入できるサービス「Buyee」を提供しているのがBEENOS(3328)だ。同社はこのほど、ブランド品の宅配買取・販売を国内展開する上場子会社のデファクトスタンダードを完全子会社化した。今後は強みである海外流通のオペレーション力をグループ全体に拡げ、さらなる発展を目指す

直井聖太社長兼CEO

PROFILE◉なおい・しょうた 1980年生まれ。2008年にBEENOSの前身、ネットプライスドットコムに入社。tensoの立ち上げに参画し、12年に代表取締役社長に就任。14年、BEENOS代表取締役社長兼グループCEOに就任(現任)。





代理購入サービスが好調 クロスボーダーが全収益の4割


 BEENOSの2019年度の売上高は252億7600万円で前年度比11・0%増。営業利益は17億700万円で前年度比11・4%増だった。事業はEコマース、インキュベーションに分かれるが、Eコマース事業が売上の9割を占める。同事業には海外ユーザーに代わって商品の代理購入や発送サービスを行う「クロスボーダー」、ブランド品・アパレルの宅配買取を行う「バリューサイクル」、タレント・アニメなどのイベント物販を手掛ける「リテールライセンス」がある。  なかでも営業利益約7億2500万円と、全体の約4割の収益を出しているのがクロスボーダーだ。2012年にリリースされた「Buyee」は、ヤフオク!やアマゾンなど日本 のECサイトからデータを取り込み、日本語が読めない海外ユーザーも商品の購入ができるサービスだ。  2008年に立ち上げた海外転送サービス「転送コム」と合わせると、購入可能なECサイトは2220以上。会員数は210万人を超え、86の国と地域への発送実績を誇る。中国・台湾など東アジアからの注文は、全体の4割ほどで特に多い。1月末からは英語・中国語のサイト表記に加え、ロシア語、インドネシア語など新たに6か国語での対応も始めた。 「このサービスは、実際には海外の顧客からの注文をサイト上で受けて、当社が商品を買い付けるという代理購入です。世界でもあまり例がないサービスだと思います」(直井聖太 社長)     同社ではその先の出品者とのやり取りも行う。さらに決済・梱包・発送するが、裏側の仕組みは簡単に構築できるものではなく、このオペレーション力こそが同社の強みだという。 「日本のECサイトは海外発行のカードが使えないところが多い。国境をまたいでの決済は、不正が非常に多いからです。我々はたえずそのリスクを監視して潰しこんでいきます。 また梱包もバイクのパーツ、仏壇…何が来ても壊れないように、かつ軽くというのが大前提。万が一壊れて保障してもペイできるビジネスモデルであることが重要です」(同氏)  海外ユーザーの手数料は、1注文あたり300円のみ。作業を集約し収益を上げることで実現する価格設定だ。業界最多の発送数などに裏打ちされた信頼感もあり、多くのECサイトがBuyeeを採用する。  2019年度のクロスボーダー事業では、取扱高に当たる流通総額が246億5100万円で前年度比6・6%増。売上高は49億2900万円、前年度比9・4%増で過去最高となった。今後はアジア新興国、ロシアにも積極的に販売し、将来的には流通総額500億円、1000億円を目指す。



ブランディアの経営立て直し クロスボーダーが鍵


同社は、昨年11月には中古品売買サイト「ブランディア」を運営するデファクトスタンダードの完全子会社化を発表した。今後は同社の傘下で、経営の立て直しを図る。「ブランディア」では、1万円以上の“ハイブランド”に次ぐ、1000円以上1万円以下の“セカンド ブランド”を主戦場として事業展開し、20~40代の女性に支持されてきた。テレビCMなどで知名度も高く、発送用キットを使って宅配買取を行い、ヤフオク!や自社オークションで販売する手法をとってきた。だが、このところメルカリなどのフリマアプリの台頭により苦戦している。  実はその再生の鍵になるのが、Buyeeなどクロスボーダーへの乗り入れだと直井社長は指摘する。

「リユースは需給のバランスで、買いたい人が多ければ高くなります。日本の良質なブランド商材を当社のクロスボーダーに乗せて販売すれば、海外で高値で販売できるようになるはず。すると日本での買取価格も上がり、優位性が出てくるのです」  宅配買取の現場では、1日1000箱、年間36万箱分の商品の査定を行う。これも大量の商材を裁けるオペレーション力があってこそだ。約4000坪の倉庫では効率良く作業を回せるようにシステムを組んでいる。1年以内に都内を中心に買取専門店を5店ほど出す予定だ。リアル店舗で商材を充実させ、ユーザー目線でサービスを進化させたいという。 「目先は厳しいですが、3年以内に過去最高益を目指しています」(同氏)  タレント・アニメ関連のイベント物販などを行うリテールライセンス事業でも、今後はクロスボーダー事業と連携し、海外流通のオペレーション力との相乗効果を高めていく計画だ。


国内外約80社に投資 関連領域を知り、精度上げる


一方、関連領域への情報収集を兼ねて行っているのがインキュベーション事業だ。なかでも海外企業への投資は2012年から積極的に行っており、現在は国内外約80社に投資している。自分たちの進むべき領域、伸びる分野のスタートアップ企業に先行投資し、事業の精度を上げるためだという。 「一番良い時期に投資できたアセットを活かして、定期的にポートフォリオを入れ替えながら、今後も将来性の高い新企業に投資していきたい」(同氏)  2020年度の業績予想は売上高260億円と微増だが、Eコマース事業の収益力を強化することで、営業利益は前年度比75・7%増の30億円を目指す。




BEENOS 社名の由来   2014年に社名をBEENOS(BEEの巣)に変更した。花粉を媒介し、蜜はとっても花を枯らさない共存共栄の象徴、ミツバチ(BEE)になぞらえ、世界中の企業や起業家、情報、モノをつなぎ繁栄に貢献することを目指す。



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