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MIRARTHホールディングス【8897・プライム】独立系不動産総合デベロッパー大手


50周年迎えタカラレーベンから社名変更

不動産とエネルギー、アセットの3本柱経営に


 独立系不動産デベロッパー大手のMIRARTH(ミラース)ホールディングスは、2022年、創業50周年の節目にあたる年にタカラレーベンから社名を変更。ホールディングス体制へ移行した。不動産事業のみならずエネルギー・金融へと事業領域を拡大。ビジネスモデルを大きく変え、人と地球の未来を幸せにする未来環境デザイン企業への進化を目指す。


 
島田 和一 社長

Profile◉しまだ・かずいち

1965年12月生まれ、東京都出身。87年宝工務店(現MIRARTHホールディングス)に入社。98年同社取締役開発部長。2000年常務取締役開発本部長及び本社開発部長兼建築部長。06年代表取締役副社長兼開発本部長。14年代表取締役社長兼最高経営責任者(CEO)兼最高執行責任者(COO)兼最高財務責任者(CFO)に就任。22年代表取締役兼グループCEO兼グループCOO兼社長執行役員に就任(現任)。タカラレーベン代表取締役兼CEO兼社長執行役員(現任)。


 

新築分譲マンションが主力

独立系デベロッパー


 同社はタカラレーベンの名前で独立系不動産総合デベロッパーとして成長してきた。現在の事業セグメントは4つあり、主力の不動産事業の他に、太陽光発電主体のエネルギー事業、REITや私募ファンドなどの運用を行うアセットマネジメント事業、そして、建築・ホテルなどのその他事業で構成されている。

 不動産事業は全売上の約9割を占める主力事業だが、その中でも半分以上を占めるコア事業が、新築分譲マンションだ。首都圏が地盤で、中部、近畿圏を含めて大都市圏の物件が約5割。だが、近年は全国の地方都市まで商圏を広げ、前期実績で1861戸を供給している。不動産事業は他に住宅・オフィス・ホテルなどの流動化、新築戸建分譲、中古物件を扱うリニューアル再販、不動産賃貸、不動産管理と幅広く事業を展開する。

 2023年3月期は売上高が前期比5・7%減の1534億7200万円、営業利益は同40・8%減の70億3000万円と減収減益を余儀なくされた。主力の不動産事業は堅調に推移したが、エネルギー事業で上場していたインフラ投資法人をTOBし発電施設を保有する方針へと変更。結果、施設売却収入がなくなったことが大きく影響した。

「不動産事業は好調に推移しましたので、TOBが無ければほぼ予定通りの進捗です。エネルギー事業が安定収益のフェーズに移行する見通しから、中計最終年度の25年の利益面の数値目標を今年5月に上方修正しています」(島田和一社長)



郊外エリア一次取得者向け

自社販売が強み


 同社の歴史は、1972年に東京都板橋区で生まれた宝工務店に遡る。戸建分譲からスタートし、その後新築分譲マンション事業が主体に。2000年にはタカラレーベンに商号を変更。“レーベン”(ドイツ語で生活、人生という意味)を冠するブランドで展開してきた。

 90年代のマンションバブルの際、独立系新興デベロッパーが次々と生まれ、マンション供給を支えていた。しかし08年のリーマンショック時にその多くが倒産して市場から撤退する中、同社は堅実な経営で生き残った。現在はメジャー7と呼ばれる野村不動産、住友不動産など大手が上位を独占するが、同社は分譲マンション供給戸数6位(※1)で独立系としてはトップクラスの位置につけている。

「当社のマンションは、郊外のエリアでファミリーなど一次取得者向け、販売価格4000万円台と比較的手が届きやすい価格帯をメインとしています。70~100戸の中規模マンションが中心です。投資目的の物件ではなく購入者自身が暮らす『実需』の物件に特化してきた点と、代理店ではなく自社の営業で売り切る着実な販売に注力してきたことが強みだと考えています」(同氏)

 環境対策にも早くから取り組んできた。屋上に太陽光発電パネルを設置した、戸別売電ができる分譲マンション供給戸数は11年から5年連続ナンバーワン(※2)。年間300~500戸を供給してきた。13年にはメガソーラー事業を開始。16年にはタカラレーベン・インフラ投資法人を上場した。今回のTOB実施までは、同社が太陽光発電施設を建設してインフラ投資法人に施設売却するスキームで売上げを伸ばしてきた。

※1 不動産経済研究所2022年売主グループランキング

※2 戸別太陽光発電のみならず、専有部にて使用可能な太陽光発電においての供給実績(不動産経済研究所調べ)




▼レーベン福岡天神 ONE TOWERの外観






                    ▲同社開発の発電所で最大規模の千葉勝浦発電所

 


不動産とエネルギーで地域支える

環境開発デザイン企業へ


 今期24年3月期は売上高が前期比23%増の1887億1000万円、営業利益は同94・9%増の137億円と大幅な増収増益を見込む。さらに中計最終年度となる25年3月期は売上高2000億円、営業利益は170億円を計画している。

 成長戦略としては不動産事業をコア事業、アセットマネジメントを安定収益事業、エネルギー事業を成長事業と位置付ける。不動産事業は売上高が2年で27・2%増の1769億7000万円を見込む。エネルギー事業に関しては、30年3月期には営業利益割合でセグメント構成比3割を目指している(左上図参照)。

「300~500キロワットの中小規模発電所開発を得意とするレーベンクリーンエナジーを軸にPPA事業(電力販売契約)を展開し、従来の発電所の売り切り型のみではなく保有発電所での収益も計画しています。また風力、バイオマス、海外の売電エネルギー事業も具体的に進めております」(同氏)

 創業50年を迎え、不動産からカーボンニュートラル社会に向けた『未来環境デザイン企業』へと大きく舵を切る決断をした。「サステナブルな環境をデザインする力で、人と地球の未来を幸せにする。」をパーパスに掲げ、実現に向け取り組む。不動産とエネルギーを融合させることで、地域を活性化できる企業を目指している。

「点として住宅を開発して終わるのではなく、そこに住まう人の暮らしもインフラとして支えて線に繋げる。そして、定住人口を増やして地域を活性化するという面に広げていきたい。パーパスを具現化していくために、社員に向けた長期ビジョンを策定しました。キャッチコピーは“地域社会のタカラであれ”。グループ一丸となって地域の暮らしを支え、脱炭素社会の一助となるべく取り組んでいきたい」(同氏)



 

2023年3月期  連結業績

売上高

1,534億7,200万円

5.7%減

営業利益

70億3,000万円

40.8%減

経常利益

50億3,300万円

50.9%減

当期純利益

45億8,400万円

26.2%減


2024年3月期  連結業績予想

売上高

1,887億1,000万円

23.0%増

営業利益

137億円

94.9%増

経常利益

127億円

152.3%増

当期純利益

85億円

85.4%増


※株主手帳24年1月号発売日時点




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