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ゼネラルパッカー【6267・スタンダード】ペットフード分野では32カ国に展開


難度高い〝ドライ物〟自動包装機械のプロ集団

26年7月期に売上高110億円目指す


ゼネラルパッカーは、1961年設立の自動包装機械メーカーだ。高品質な包装が可能な“ロータリー式包装技術”により、菓子・削り節・小麦粉・ドリップコーヒーなどの扱いが難しい粉末・顆粒、いわゆる“ドライ物”で国内トップクラスのシェアを誇る。またペットフードの世界トップ企業等を顧客に有し、納入先は北米・中国・ASEANなど世界32カ国に及ぶ。2023年9月発表の中期経営計画では、26年7月期に売上高110億円、海外売上高比率40%以上などを目標に掲げている。


 

牧野 研二 社長

プロフィール◉まきの・けんじ

1961年生まれ。愛知県出身。85年、愛知工大卒、ゼネラルパッカー入社。2007年開発部長、11年取締役開発部長、12年取締役開発部長兼技術部担当、16年取締役開発部兼技術部兼生産部担当、17年代表取締役社長、20年代表取締役社長兼開発部担当就任(現任)、21年オサ機械代表取締役。

 




 

食品市場で国内トップシェア

過去最高の売上げ更新

 

 同社は、食品・健康食品・ペットフードなどの日用品から化学品・工業品・医療用品等に至るまでの自動包装機などの設計・製造・販売を展開している。同社の事業セグメントは「包装機械」「生産機械」の2つ。メインとなるのは売上高構成比86%、利益で95%を占める「包装機械」セグメントだ。

「包装機械」の主力は、袋取りから印字、充填、シール、排出まで6~10の工程を円周上で実施するロータリー式の包装機だ。1つの動力源から各動作に連動させる技術で、省スペースで高品質の包装が可能となる。例えば削り節や小麦粉など、いわゆる “ドライ物(乾いた対象)”の 食品などは軽く、袋に充填しにくいうえ、酸化しやすいが、同社はそのわずか数グラムの粉末・顆粒をほとんど誤差なく高速で包装する機械を開発し提供。袋詰のほか、箱詰・段ボール詰・缶詰・びん詰包装などにも対応している。

 周辺機器では、計量機・(包装材の)計数機、(異物の混入・不良等を防ぐ)検査機、(賞味期限等の)印字機・搬送コンベアや、包装ロボット等の組込み・連動のほか、機器の提供もしている。 一方「生産機械」セグメントでは、チョコレート製造の全工程を完全自動で行う成型プラントの直販で、国内で高いシェアを占めている。

 2023年7月期の連結売上高は、前期比4・8%増の90億5400万円、営業利益は同17・4%減の9億3000万円の増収減益となった。

「過去最高の売上高になりましたが、物価の上昇や電子部品がなかなか手に入らず高騰したことなどが利益を圧迫しました。ちょうど社員の世代交代も重なり、人的資本への投資にコストがかかったことも要因です」(牧野研二社長)



大手企業を顧客に

中国とアメリカに拠点

 

 同社は1961年、愛知県名古屋市で自動包装機の販売部門として設立。翌年に製造部門を設立し、インスタントジュース・小麦粉・砂糖・塩など粉末状製品の包装機械の製造販売で伸長。70年代には、かつお節を削ってパックに詰めるという、これまでなかった発想の機械を開発。ミニパック入りかつお節の大ヒットを支えた。

 その後も、封切り後にも簡単にグミなどを保存でき、袋が自立する「チャック付きスタンドパウチパッケージ」の開発など、世界初の包装機械を開発。名だたる企業から依頼を受け、小麦粉・かつおパック・かち割り氷などの多くの分野で国内トップシェアを獲得している。

 海外は、現在売上高の約39%を占め、北米・中国・ASEANなど32カ国に機械を納入している。特にペットフード分野では、世界ナンバーワン企業を顧客に持ち、市場拡大に伴う新規納入が続いている。加えて、過去に販売した機器の更新も始まり、安定的な売上基盤として期待されている。

「日本国内の包装機械の年間生産金額は約4300億円、その中で袋詰用包装機の生産高は約700億円規模と言われています。国内では主力商品のさらなる拡販で収益を確保していきますが、拡大していかなければならないとすると海外に行くしかない。全体の売上を伸ばしながら、3年後までに海外売上高を40%以上に伸ばしていきたいと思っています」(同氏)

 現在、海外拠点は中国とアメリカで、それ以外は代理店制を敷いている。



省人化や環境配慮にも注力

ワンストップソリューション拡大

 

 23年9月公表の第7次中期経営計画では、ワンストップで応えるソリューションビジネスの拡大はじめ、省人化・自動化への対応、省資源や環境配慮型の製品開発の促進を戦略に挙げている。

 ソリューションビジネスでは、“包装機械・システムのプロ”として、コンサルティングや最適サービス提案を強化。包装工程だけでなく、設計前の打ち合わせから、後工程の搬送・計量・充填・包装・検査・梱包業務、さらに売上高の2割を占めるメンテナンスなどのアフターサービスまでのトータルプランニングを推進。

 またコロナの感染拡大や労働力不足の解決策として、今、生産現場の自動化・省人化ニーズが高まっている。人が携わる工程を減らすには、操作性の高いタッチパネルの導入や検査機・カメラなどの追加オプションが必要なため、結果として販売単価も上昇しているという。

「例えば、既存の機械にレーザープリンター1つ追加し、売価が1000万円上がることもあります。当社はいわゆる汎用品はありますが、マーケットイン(顧客の意見・ニーズ を汲みとっての製品開発)でお応えしており、特殊なオプションを付けると億単位の売価になることもあります」(同氏)

 環境配慮では、脱プラスチックとなる単一の包装材(モノマテリアル)の使用や、窒素などの不活性ガスの封入で商品の酸化防止、長期保存を可能にしフードロス削減に貢献するなどの対応を進めている。

 そのほか、事業領域の拡大や海外市場での持続的成長などにより、26年7月期に売上高110億円、純利益7億7000万円を目指している。


 

2023年7月期 連結業績

売上高

90億5,400万円

4.8%増

営業利益

9億3,000万円

17.4%減

経常利益

9億3,900万円

17.3%減

当期純利益

6億6,500万円

14.6%減


2024年7月期 連結業績予想

売上高

96億円

6.0%増

営業利益

8億2,500万円

11.3%減

経常利益

8億3,000万円

11.7%減

当期純利益

5億8,000万円

12.8%減

※株主手帳24年2月号発売日時点




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